今日は、日がなベートーヴェンのピアノソナタを流していた。夜になって月光浴に出た以外は、覚めてからズ~と聞き惚れていたかな。夜のニュース番組を付けたけれど、男性のアナウンサーがペラペラしゃべりまくり、不快感を感じてTVを消して、また、ベートーヴェンに戻った。
そうして、パラパラとゲーテの『ファウスト』を紐解く。ゲーテに関しては、以前も何度か取り上げて書いたが、自分で何を書いたのか読み返そうと思っても、膨大な中から探し出すのは面倒。
あらゆる学問を究め、ドクトルの学位を得たファウストは、学問の限界を感じ人生に絶望を感じる。
「何がドクトルだ! 地位や名声に価値などない!山のような書籍とにらみ合い俺は何を得た?どれだけの知識を得ても人間には何も知ることは出来ないのだ。俺の知りたいことは何一つ。この宇宙を統べる真理!生命を動かす神秘の正体!たった一つそれを知る事ができたら・・・その真理はすべての知識を凌駕するのだ!」
・・・と、ファウストはこれまでの自分の人生が決して満ち足りたものではなく、空しさを感じるのだが・・・そんなとき、悪魔のメンフィスと出会い、自分の魂を悪魔に売り渡す代りに、若い肉体を手に入れる。そして、清純なマルガレーテと恋に落ちる。が・・・・
ゲーテ自身が30歳近く年下のマリアンネと出会い一目で恋に落ちている。その時に書かれた西東詩集は、とても70近い老人が書いているとは思えない、水水しい感性である。
また、マリアンネ自身も教養が高く、ゲーテに対する返信も、反って恋するゲーテを酔わせ燃え上がらせたようである。
東洋に憧れを持っていたゲーテは、そのことを同じく西東詩集で謳っているが、これが心を打つものなのである・・・。何度かここでも取り上げたが「銀杏の葉」などは、ゲーテの感性に私も心を動かされた。ゲーテがマリアンネと過ごしたハイデルベルクの街でも、近所の公園を散策してもゲーテの感性には刺激を受ける。
そして、基本的に人の心と言うのは人種や民族に関係なく、皆、同じことに悩み苦しみ、喜びを得るのだと教えられる・・・・
さて、冬至を終え、小寒、そして大寒へと突入する昨今。毎日が寒さのピークですね?
でも、この寒さは自分の体の声をよく聞くようにという、天からの教えなのかもしれません。そして、体は心と密接なつながりを持っています。
月光浴をしながら近所の公園の裸になった銀杏の木を見た。そこで、ゲーテの西東詩集の一つで私が最も好きな「銀杏の葉」を紹介して、今夜の結びとします。何度も此処でも紹介しているので、飽きた方もいるかも・・・
銀杏の葉
東洋からはるばると
私の庭に移されたこの銀杏の葉は
賢い者の心を喜ばせる 深い意味をもっているようです
これはもともと一枚の葉が 二つに分かれたのでしょうか?
それとも二枚の葉が互いに相手を見つけて 一つになったのでしょうか?
このような事を思っているうちに
私はこの葉の本当の意味が解ったと思いました。
あなたは 私の歌を聞くたびに お感じになりませんでしたか?
私が一枚でありながら あなたと結ばれた二枚の葉であることを
Good night !
オホーツクのリンゴ屋さん、まなさんへの御返事も同様でしたので、お気づきになれらなかったかもしれませんね・・・・きっと。