radicalとは:急進的な、過激な、革命的な、急進党の、抜本的な、徹底的な、根本的な、基礎の、根の、基の
私もこんな状態を望んでいないしおかしいと思っているけれど、今の体制、システム、当たり前が
長年固定している中で、それを抜本的に変えようとして変えることは至難だと思います。
好むと好まざるにかかわらず、固定化してしまっているその中で生きていかねばならず、
そこにどっぷり埋没しないならば常に葛藤、困惑しています。
またヒトは、よかれ悪かれ置かれた社会(悪しき土壌でも)の中で、ふるまい方を学んで生きています。
その中で、生きていかねばならないから。子どもを見ていて、よくそう思います。
魚の滝登りを常に無理強いできるでしょうか。こんな所に産み落としてごめんねと思っています。
滝を登る魚を捕まえる熊(GIF)
固定化してしまっているシステムを抜本的に変えることは非常に困難であり
少しずつ、今の状況を切り崩していくしかない そう考えています。
これは親から教わったのもあるし、生活の中で学んだリアルな感触です。
またヒトの恒常性維持機能:ホメオスタシスは、自然治癒力として生命の維持にも発揮するし、
不自由や自虐にしがみつくという形でも発揮されてしまいます。 (関連:Better is the enemy of Good)
自然よりも習慣の方が勝つ (関連:自発的隷従 /エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ)
でも、その切り崩しはかたつむりのような気の遠くなるスパンのものだとも限りません。
その変化の過程は、比例的な線を描くのではなく 想定外の線を描きます。
少し切り崩したところから 大きく変わったりします。
なじみのものにしがみつく心地よさから、新しいものの心地よさにとって替わるポイントを
踏んだことを皮切りに、色んなものがどっと転換すると思います。
小さななにかに気がついただけで、すべてが変わるというような、人の変化と同じです。
それはTVのCMやアニメの変身シーンのように大きな音や眩い閃光を発するでもなく静かに音を立てずに起こる。
劇的なものはなに1つ起こらなくても、小さな気づきで、すべてが変わり、いつの間にか
あの頃から根本的に変化している。
こんなことはなんにも起こらない
でもいつの間にか、全然変わってる。
そういえば、ピアノでもそういうことが起きます。
人の成長は決して右肩上がりの線ではなく想定外のぶさいくな線を描きます。
だから、新自由主義的な、定規で直線を引っ張ったような短絡的思考
ーーコスパ 効率 能率 生産性 合理性 ミス ーーー は常に間違っていると思います。
Hullの目標勾配理論:Goal Gradient Hypothesis すなわち人は報酬/目標に近づくほど行動が
加速されるという理論はとても興味深く、心当たりがあります。報酬/目標がみえるポイントに
片足を、いやつま先を踏み入れることが大事だと思っています。
私はハードルが高い曲に挑戦する時は、世界の巨匠的なピアニストの高度に洗練された演奏ではなく、
自分に近い要素をもった人の粗削りな演奏ーー歳が近いとか性別が同じとかそこら辺の人がアップしている動画とかーー
を見て挑んでいます。心理的な敷居が低くなるのと、自分に近い要素を持っているその人が演奏しているのを見て
「なら私もできる」という気になるからです。
小さな地道な切り崩しによって、あるポイントを踏んだことで、どっと塗り替わるみたいなことが起きます。
それは無言で起こります。