建築や照明は、色んなことを教えてくれます。(例:一長一短 アクリル間仕切りの一長一短)
このシャンデリアを今食堂とリビングに天井から吊り下げています。
参照:なんの変哲もないもの
肉厚の乳白ガラスシェードで、照らす光は薄ぼんやりします。
部屋の中の光の絶対量は同じでも、スチールやホーローや白磁などのシェードの照明器具や
光を集約するスポットライトだと下方をくっきりと明るく照らすのに対し
これは光が分散するせいで薄ぼんやりです。そこで、スチール製のスポットライトがついた
フロアスタンドを置いて床を照らしたり、食卓のテーブルランプを灯したりすると、
とても良い雰囲気になりました。
天井から吊るしたシャンデリアが薄ぼんやりなのと補い合っていい雰囲気が出ているのであって
もし天井照明がくっきり明るかったら この調和は生まれません。
また、書斎なども同様に、複数の照明を上手に組み合わせることで、単体の弱点を補完し
却ってその弱点が全体としては上手く作用し、効果的な調和が生まれます。これは、
照明を贅沢に使うという意味ではなく、単体のできることに依存せずに複数で取り掛かるという
ものです。私としては、それら単体の1つ1つにどれも無駄なものはなくて、重複することなく
過剰な飽和を生むことなくそれぞれが役割を果たしているという状態に至高の美を感じます。
組み合わせによって生まれる効果を知ると、それ単体で評価して成功とか失敗と判断するのは
早すぎることも学びました。建築やインテリア、照明において、こういうことを絶えず学べ奥深いです。
またこの、短所にみえたものが却って活かされること、補い合いによる効果、単体評価による
成功・失敗の判断の尚早…といった現象は、建築・インテリア分野以外でもそうだろうと思います。
多分、人の「能力」も。蹴落とし合い、ミスや粗の揚げ足取りし合いではなく、
補い合い、協力の態度であれば、組み合わせによる調和が生まれると思います。その真逆を行く
今の日本の殺伐たる社会では、非常に生産性が低く、効率が悪く、能率が著しく悪いでしょう。
食卓やリビングで過ごさない時には、天井照明は消してフロアスタンドかテーブルランプだけを
灯しています。暗がりの中でそこだけを強く照らして、とても良いです。