Trips with my RV.

RVでの小旅行。

自由とマナー

2014-05-09 22:52:58 | アウトドア?
受入施設側の都合や時間に縛られない気ままな旅を実現するのがRV旅行である。特に、家族の一員であるペットを連れて旅行に行こうと思ったら、公共の宿を使う旅行は非常に困難且つ綿密な事前準備が必要だ。我が家の様な、出発してから目的地を決める泊を伴う旅行の実現にはRVの存在は不可欠とも思っている。今回のGWも、町内イベントで後半4連休中の3日目が埋まってしまう逆境の中でもナントカ行楽に出掛ける事が出来たのだ。



だが・・・



社会は車中泊者に厳しい視線を注いでいる。それには様々な理由が存在するだろう。車中泊者やRVキャンパーのマナーの問題もあるだろう。日本RV協会が10ヵ条の厳守すべき公共駐車場でのマナーを挙げていて、最低限のマナーとして遵守する事を御願いしている。(「御願いしている」と云う表現は口幅ったいが、RVを製造し販売する為の業界団体なので一般社会とのトラブルは困るが、スタンスはRVを購入した顧客寄りと云う意味?)





但し、ここに挙げられたマナー事項さえ守れば他は何をしても良いと云う訳でも無く、公共の駐車場を御利用になる一般のお客様や施設管理者への迷惑になる事はしない文字通りの他者理解を踏まえたマナーこそが重要なのだろう。誰にも迷惑を掛けなくてもデカイRVを駐めているだけで既に迷惑を掛けているのだから、その場所で次回も車中泊をさせて頂く為には一宿の恩に報いる為に、その道の駅やSA/PAで金を使う事以外には何も無い筈だ。


車中泊を愉しんで居られる方々とフィールドで知り合って意気投合すると、車中泊愛好家やRVキャンパーの皆さんが必ず云われるのが、一部のマナーの悪い人達の為に締め付けが厳しくなったとか、日本ではRV文化が根付かず車中泊が市民権を得ていないとか・・・で、自分以外のマナーを守らない不心得者の性で迷惑を被っていると云うニュアンスで語られる事が多い。

そもそも車中泊が正式に許されている場所は、有料無料を問わずオートキャンプ場とRVパーク(と、土地所有者・権限を有する土地管理者に許可を受けた場所)だけであり、道の駅や高速のSA/PAと云った公共の駐車場は、いねむり運転・過労運転防止の為の最低限の仮眠を想定していて車中泊を禁止はしないが公認しないと云うスタンスである。つまり違法では無いが、公共の駐車場で車中泊をする事自体がマナー違反である訳だ。

RV先進国だと思われている欧米でも状況は変わらない。例えば、自動車発明以前から幌馬車で旅をしていたらしい自由の国アメリカでは、大部分の公共駐車場での車中泊は禁止されている。フリーウエイに併設されている"Rest Area(待避所)"でも仮眠をしていると警官からドシドシ職質に遭い安全な場所へ移動するように警告を受ける。逆に民間のトラックスストップ("TA(Travel Center of America)"や"Flying J"や"Pilot"等の大手ガソリンスタンドチェーンが展開するドライブインチェーン)は車中泊はOKだが、旅行客だと分かるとTT内のモーテルかRVパーク(キャンプ場)へ行くように警告される。公営のRVパークで1泊1000円、民間のRVパークで1泊1500円、民間の少し豪華なRVパークでは1泊3000円だ。RV先進国でありキャラバン文化の根付いているヨーロッパでも道路施設の公共駐車場で車中泊をするのは一部の命知らずの変わり者がする事で、普通は1泊1000円程のキャンプ場(イタリア・スイスは2倍ほど高い)で泊まるのが普通なのだ。ヨーロッパには、ノマドやジプシーと共にイェニシェと呼ばれる移動型民族が居て、馬車では無く21世紀ならではでキャラバンを牽いたりモーターキャラバンでゲリラ的車中泊を繰り広げていて社会問題化しているのだそうだ。

煙たがられるスイスの移動型民族「イェニシェ」 (International Business Times Swiss Info 2014年5月7日 16時00分)


車中泊者に厳しい目を注いでいるのは実は欧米の方で、最近までの日本では積極的に排除に動いている訳では無かった訳だ。では、最近になって車中泊車排斥の気運が高まってきた理由は単純に、数の増加だと思っている。RV輸入販売業者の業界団体である日本RV協会も、RV関係の出版社も、車中泊車排斥の気運をRV市場全体に立ち籠める暗雲として捉えていて、マナー向上で暗雲を払拭しようと躍起になっている。このまま車中泊問題が社会問題化し取り巻く環境が悪化すれば、東日本大震災以降急激に伸張した日本のRV市場の成長が鈍化し業界再編や淘汰の波が業界全体を引き裂いてしまうカモ知れない。

数の増加・・・とは、20年前には(例えば)30%のマナーが悪い車中泊者が居たが日本全体で(例えば)2万人程しか車中泊旅行をしていなかったので目立たなかったが、今日ではマナー向上啓蒙の甲斐あって5%しかマナーの悪い車中泊者は居なくなったのだが車中泊旅行をする人々が40万人を超えてしまったので、マナーの悪い車中泊者の数が3倍以上になってしまったと云うニュアンスだ。今後の景況の如何に関わらず車中泊者が大幅に減るとは思えないので、マナー向上啓蒙を続けて悪い車中泊者を減らす努力を続けるしかないのだろう。そうする内に、大都市圏最寄りの道の駅では施設管理者の受忍限度を超える迷惑行為の累積で車中泊車排除の流れが日本全体に加速する事に成ってしまうだろう。だが、少子高齢化からの人口減少を続ける我が国では、バブル期に雨後の筍のように国中林立した総ての「道の駅」の商業施設が今まで通りのやり方で今後も採算を確保できる筈は断じてないのだ。日本RV協会だけでは無く、地方の「道の駅」も、車中泊旅行者のマナー向上を啓蒙しつつ優良顧客として囲い込む事は急務なのカモ知れない。
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