Tea Party of Japan

『Tea Party of Japan』の公式ブログです。

台湾の言語事情

2013-05-27 21:36:18 | 文化交流
いつも当会ブログへお越し頂き、誠にありがとうございます。

5月25日の土曜日になりますが、大阪日台交流協会の5月例会に出席しました。
我が国最西端の地である沖縄県与那国島から台湾までの距離は約100㎞。
直線距離だと大阪梅田を起点としたら、徳島県鳴門市までの距離になります。



                           会場の大阪中央区今橋にある大阪倶楽部


例会には会員非会員問わず、台湾好きの方が集まっています。


会長挨拶のあと、天理大学名誉教授・村上嘉英先生による基調講演が行われました。


村上嘉英先生


テーマは「台湾の言語事情」
村上先生が台湾へ国費留学する経緯のお話から始まり、日本が台湾より引き揚げたあと大陸からの外省人が流入し、各界における良いポジションを1988年まで独占してきたこと。

言語においても大陸から外省人が入ってきて、突然公の場で台湾語や客家語などの現地語での会話が禁止され、中国語を使用するよう指導されて暫く混乱したこと。

母から伝わる言葉→母語
公の場では中国語であっても、家の中では母語が生きていて消えなかったことや、近年大陸からの花嫁も増加してきており約23万人。
大陸各地の訛りも混ざってきて、台湾は様々な言語のるつぼで多言語社会である事を知りました。


その他様々な話があり、村上先生が台湾語辞書を編纂する経緯を伺い、明治期に辞書は作られたが時代を経て役に立たなくなったこと、辞書に載せるものは自分の目で見た事実しか載せていないとの事で、辞書に載っている食べ物は全て食べられたことをユーモアを交えながら語られました。

東日本大震災において台湾からは、200億円以上の義援金と救援隊の人的支援や約560トンの物的支援など、日本の危機に官民挙げて感謝しきれないぐらいの援助を受けました。

台湾から受けた有形無形の恩を、我が国全体でお返し出来るような社会を取り戻して行かなければなりません。