東葛人的視点

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スクラップ・グリッドという発想が面白い

2005-02-23 21:59:37 | ITビジネス
 企業などから廃棄されるパソコンのコンピューティング・パワーを合計すると、いったいどれくらいになるのだろうか。正確には分からないが、膨大な量になるだろう。廃棄される個々のパソコン自体は減価償却を終え、能力面でももはや不十分なため、リサイクルして再資源化するのを躊躇する理由はない。しかし、コンピューティング・パワーとして抽象化して合算してみると、何かもったいないような気がする。

 この本来スクラップ化されるはずのコンピューティング・パワーを有効活用しようという話を、あるITベンダーの経営者から聞いた。どういうことかというと、企業から廃棄されたパソコンのマザーボードを1000台、2000台と集めて、グリッドコンピューティングをやろうというものだ。もともと廃棄されるパソコンだから初期コストは極めて安価。冗長度を高めにしておけば、個々のマザーボードが多少クラッシュしても、ノープロブレムだ。いかに全体をコンパクトなきょう体に納めるかが課題だが、極めて安価なコストで膨大なコンピューティング・パワーを活用することができそうだ。

 現在、開発中でまもなく完成できるそうだ。いわば“スクラップ・グリッド”。面白いアイデアだと思う。使用済みの携帯電話などを大量に集めて、回路に使われている金など希少金属を取り出すビジネスを“都市鉱山”というらしい。都会から金を掘り出すというコロンブスの卵みたいなビジネスだが、スクラップ化されるパソコンからスーパーコンピュータ並のコンピューティング・パワーを取り出すという発想も、なかなかいい線をいっているような気がする。