YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

10月の読書メーター 読んだ本の数:6 読んだページ数:2068

2022年11月10日 | Weblog

3年ぶりの花火は11月5日開催でしたので、寒い中での撮影となりました。

 



婚活中毒婚活中毒感想
「終活中毒」が面白かったので前作の本書を手に取った。未婚の者たちの結婚に向かうストーリー四話が収められている。いずれも「あらら!」と感じさせる話を収めておりとても面白かった。特に第三話の「リケジョの婚活」は面白かった。調査、分析、対応策の検討は研究を進める上でとても重要な行動だ。カラオケバトルというTV番組をよく見ているが、そこでは楽しく歌うよりも高得点につながる歌い方が求められる。ある女子中学生は母親とカラオケボックスで歌うたびに良かった点と悪かった点を確認し改善につなげ、満点を獲得した。人生はこれだ。
読了日:10月31日 著者:秋吉 理香子


終活中毒終活中毒感想
4篇のどれもありそうなことを捉えた作品集。SDGs(持続可能な開発目標)についてはちょっと異論があるが、未承認医薬品で末期の癌が治るというストーリーには夢がある。第2篇は認知症だったというオチだが、自分にも起こりえぬことではないと思わせる。第3篇はあろうことか使われなくなったワードプロセッサーに挿入されているフロッピーディスクに未発表の作品が残されていたという話。主人公が正直者で良かった。最後は売れない芸人の起死回生のお笑いグランプリでの優勝と終演後に迎える死である。まいった。面白かった。
読了日:10月19日 著者:秋吉 理香子


らんたんらんたん感想
作者は恵泉女学園のOGだそうだ。謝辞で一色義子氏にアイデアをもらったと記している。現在94歳の義子氏も河井道に関する著作があるようだ。明治維新以降の女性の立場を変えた人々を描いた作品だが、朝ドラ(あさが来た、花子とアン)の登場人物がたくさん出てきて理解が進んだ。戦前戦中の家長制度に基づく社会の有り様に対して、女性解放やウーマンリブ、シスターフッドなどの(過激と感じられる)言葉が激しく男性の意識を刺激するが、令和の今になっても女性の開放は道半ばな日本の社会を、孫娘たちの世代はどう生きていくのだろう。
読了日:10月14日 著者:柚木 麻子


神様には負けられない神様には負けられない感想
義肢装具士を目指そうとする若者の物語。主人公の二階堂さえ子26歳は7年勤めた内装会社を退職して義肢装具士養成施設の専門学校に通っている。2年生になって実習班で一緒になったのが、富樫博文と永井真純だ。そしてこの3人はクラスの中で異端なのだ。さえ子が義肢装具士を目指そうとした理由付けがなんとも言えないが、何が起こるかわからないのが人生だ。富樫にも真純にも作者は実にユニークな特徴付けを行っていて、それがなかなか効いている。人体は神様の技術(?)が生かされているが、それに負けぬ装具を作ろうとする話である。
読了日:10月07日 著者:山本 幸久


ソウルケイジソウルケイジ感想
被害者または被疑者は別人のなりすましであり、死してまたなりすましが成功するかに見えた事件。多くの科学的捜査には早くから指紋が使われてきたが、今やDNA型検査法や防犯カメラ等で撮影された人物の顔画像を個人識別する三次元顔画像識別システムが活躍しているようだ。DNA型鑑定について更に調べてみると、二重らせんの中でも9座位、6座位、15座位のSTR型とアメロゲニン座位の型の検査法により、「約4兆7千億人に1人という確率で個人識別を行うことが可能となっている」そうだ。
読了日:10月04日 著者:誉田 哲也


ストロベリーナイト (文芸)ストロベリーナイト (文芸)感想
主人公の姫川玲子が警察官(刑事)になる切っ掛けは後半に現れる。それにしてもおぞましくも禍々しい事件を作り出したものだ。玲子の感ばたらきはプロファイリングなのだろうか。他人と異なる思考回路や視点を持てることは羨ましい。芸術家の資質として最も望まれるものだろう。最後に警察の内部情報を売って裏金を作る話が出てくるが、現実には法治国家のもとでそのようなことはないことを祈りたい。
読了日:10月02日 著者:誉田 哲也

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