安俵小原氏が出自を藤原氏に改変した理由は、伊達家重臣の藤原氏流小原氏と誼を結ぶ為に同族を装ったからですが、実は別の根拠に基づいて安俵小原氏の出自を藤原氏流と記している書籍があります。その書籍は「宮城県姓氏家系大辞典」です。
この書籍の和賀氏家伝の頁に、安俵小原氏の出自は藤原氏流の斎藤氏であるが如く記載されていますが、これは誤った史実です。この誤伝については、原因がはっきりしています。小原家の本当の出自である「私市党(きさいとう)」の「き」を聞き逃し「さいとう」と聞き間違え、安俵小原氏の出自が藤原氏流の斎藤氏であるが如く代々誤って伝わっていったのです。
安俵小原氏が出自を藤原氏に改変したのは、1500年代初頭のことであり、この頃から藤系の家紋も使用する様になります。因みに、東和町の六本木小原家や駒場小原家は「上がり藤紋」を本紋としています。