都立に入る!

夏から頑張っても逆転合格などない理由

[2020年7月2日 更新]
中学3年生は間もなく期末テストが始まるだろう。
それを終えたら夏休みといいたいところだが、今年は夏休みの開始が遅い。
足立区、江戸川区、大田区、新宿区、豊島区などは8月7日まで中学校がある。
板橋区、北区、世田谷区、品川区、練馬区、港区などは7月31日まで。
1週間も差がある。

とはいえ、どの中学校もシンプルに夏休みに勉強に割ける時間が、例年よりも短いのは違いない。だったらどう過ごすことで、キミの志望校合格は近づくのだろうか。

◆ライバルは自粛しない
都立高校に限った話をしよう。

キミの志望校が島しょの高校なら何も心配いらない。100%都立高校に行ける。
唯一、大島海洋国際高校のみ倍率が出ることがある。それでも2016~2020年度の5年間で全入は3回。もし大島海洋国際におちても、大島高校の2次試験を受ければいい。
過去20年(それより前は知らない)、大島高校の2次試験を受けて不合格だった子は1名もいない。

夜間定時制も安心だ。
2020年度入試では全部の学校で定員割れを起こしている。
昼夜間定時制や単位制の学校では倍率が出ることもあるから注意。

定時制は4次募集までやってるので、さすがに4回受けてすべて落ちることはない。

この2つのケースを除けば、不合格で都立高校に行けないという事態が起こりうる。
そして、上位の学校に行きたい子ほど受験準備を始めるのが早い。
その方が"勝てる"からだ。

◆コロナ禍で都立志望率はアップする
根拠やデータはない。今風に言えば「エビデンス」はない。約20年この世界でメシを食ってきた私のカンだ。

コロナ騒動で収入が増えた人と減った人のどちらが多いだろうか。
これは明らかに後者だと思う。
儲かったのってZoomビデオコミュニケーションズ社や任天堂、そしてマスク転売屋などは浮かぶ。
他はコストも上がり収入は減り大変だったのではなかろうか。

今回のコロナ禍はリーマンショック時とも違い、あらゆる働く大人に直接影響を与えている。シンプルに言えば「カネに困る」割合が高まったのだ。

となれば、子供の進学先を都立にするか私立にするか。
金銭的には私立高校に行くメリットはない。単純に入学金や施設費等のコストは、私立の方が高いからだ。

都立高校の入学金って、たった5,650円。
私立はその数十倍だからね。
授業料は無償化の恩恵は受けられるが、その他の学費は重くのしかかるわけだ。

特に女子で上位都立高校を狙う子にとっては、厳しい戦いになるだろう。
そもそも東京は、高校から女子が入れるところが少なすぎる。
慶應女子、豊島岡女子、早稲田実業、ICUあたりしかない。
あとは青山学院、明大明治、中央大学系など。

大学附属でないのは豊島岡女子しかないのだ。
他はどこもかしこも中学からしか入れない。
その豊島岡女子ですら、来春を最後に高校受験を止めることが決まった。
(=現在の中学2年生、1年生は豊島岡女子に入ることはできない)

残念だが、じりじりと下がり続けてきた都立高校一般入試の受験倍率も来年度は上がるだろう。

◆キミはもう受験勉強している? まだなら遅すぎる
コロナ禍で、3~5月の3か月はほぼ自宅にいることを余儀なくされただろう。
それは東京じゅうの中学生、みんな同じ。

その自宅にいる時間にどれだけ受験勉強が進められただろうか。
「受験勉強」なんて大げさに言う必要はない。中3の予習と、中1~2の復習だ。
特に理科と社会。

夏休みが短くなることは予想できただろう。少なくとも「例年通りか、短くなるのでは」くらいは考えられたよね。

よって高校受験を考えている子は、差はあれど受験の準備をしてきたわけだ。
上位の高校を目指す子ほど、やってきた量は多く質は高いはずだ。だから上位校を目指せるのであるが。

この三か月をただ浪費した中学3年生に言う。
残念ながら100%逆転はできません。

100m走で、相手は30m進んだ位置からスタートしたら勝てると思うか?
相手は自分と同等か、より能力の高い子だよ。
相手がサボったりリタイヤ(=志望校を変える)しない限り、逆転なんてできない。
3か月も準備してきた子はまずサボらないし、逆に助走できているのだから残り70mもいい走りが期待できる。
3か月頑張った子にはいい景色が見え始めているのだ。だから走ることを止めないだろうね。頑張った分だけ成果が出るんだから勉強が楽しくて仕方ないはず。

ということでこの3か月を頑張らなかった皆さん、身の丈に合った高校を選んで運が良ければ合格する。そんな受験をしてください。
くり返すけど、今から頑張ろうなんて思ったって上位校はまず受からないからね。断言します。

◆無駄な努力をしてください
100%負けるとわかっているけど、それでも努力したい人はどうぞしてください。
まあたいていは40m以上離されて負けるんだけど。
勝つことはできないけど、30mの差を1~2m詰めることはできるかもしれない。
それって高校の合否にとってはムダだけど、キミの人生においてはムダではないよ。

負けるとわかってても、今からできることをやろう。
過去を悔やむ時間を未来のために使う。
そういう子は、私は好きです。

高校受験は人生の通過点。受かったらおしまいではない。
その先にはもっとキツい大学受験が待っている。
この夏に(高校に受からないけど)した努力は、次の勝負には生かせる。

受験は落ちても死なない。はっきり言ってヌルい勝負だ。
そのヌルい勝負ですら戦えないのなら、この先の人生はまぁただ歳を食っていくだけで終わるよね。
別に与えられた一生をどう使おうが、その人の自由だから構わない。
私なら、浪費するだけの人生はまっぴらだ。

勉強しすぎても死ぬことはない。
まずは定期テストまでの期間、死ぬほど勉強してみなよ。 平日1日7時間以上。
これやったら、ちょっとだけ違う景色が見えるよ。

ここまで読んで「来週から」とか「期末テスト終わってから」と考えて、動かないならそれでもいいんだよ。

本当にその高校に行きたくて勉強する子に、その合格枠を譲ってやって下さい。

明日は登録者限定記事。お楽しみに。


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