温泉トリコイズム

全国の温泉巡りを不定期につらつらと綴っていきます。ジカ泉、野湯からスパ泉まで源泉があればなんでもレポります。

【田辺市】湯の峰温泉「旅館あづまや」

2014年08月28日 | 和歌山
入湯日:2014.8.1

○所 在 地   和歌山県田辺市本宮町湯峰122
○電    話  0735-42-0012
○日帰り入浴 13:00-15:00
○入 浴 料 720円
○満 足 度 

 この旅の目玉はこちらの旅館。自家源泉を所有しているだけでなく、こちらのシンボルでもある「環の湯」の大浴場や料理など、関西の湯仲間も絶賛し、レポを見ている度に立ち寄りではもったいないから宿泊しようとずっと決めていた。
 それが今回ガンバ大阪とのアウェイゲーム前日にこちらに宿を取ることができたので、楽しみにしていた宿の一つである。
 
 温泉街に着くと小雨が降っていた。駐車場から100mほどこじんまりとした温泉街を歩くと、どこか懐かしい感じがした。湯の峰温泉に来るのは3年ぶりだ。その時もこの旅館の存在を知っていたが、立ち寄り湯の営業時間には合わなかったため、入浴は見送りとなっていた。



 古い木造建築で、玄関にはお馴染みの「秘湯を守る会」の提灯がぼんやりと灯り、風情ある建物だ。建物の一部は明治時代からそのまま残されている部分もあるという。
 チェックイン早々、女将自らお出迎えいただき、館内の案内を受ける。まずは夕食前に早速大浴場「環の湯」へ…



 浴室の扉を開けた瞬間、そこはまるでタイムスリップしたような錯覚さえ覚える趣きある浴舎である。真ん中に堂々と構える槙風呂に程よく壁側に配置された岩。そして大きな窓…その立派過ぎる浴舎に香る仄かな硫黄の香り…その一つ一つが大変感動を覚えるような造りだ。
 主浴槽は加水した湯をかけ流しているが、湯の華が舞い、心地よいマイルドな硫黄臭に包まれながら浴舎の天井をじっくりと眺め、旅の疲れを癒す。
 浴舎の片隅にはさまし湯といった、92.5℃の高温の源泉を冷ましながら細々と投入する非加水浴槽もある。シャキッとした熱さで、こちらは若干濁りが強いのだが、湯の投入が細いため湯花が主浴槽ほど舞っていないのが残念だ。



 脱衣所を挟んで風情ある露天風呂もあったが、こちらは加水量が多いのか湯が薄い。湯の確認だけして、すぐに内湯に戻って何度も何度も出たり入ったりを繰り返していた。というのも、この日の24時を過ぎると女湯になってしまうため、これでもかというくらい長湯して、寝る前にも浸かりに行った。



 翌朝は小さな方の浴室へ…こちらも中規模な主浴槽に小さなさまし湯浴槽。でもやっぱりここは大きな浴室に限るな~。



 一応こじんまりとした貸切風呂もある。一人しか入れないような小さな浴槽がある。こちらは時間の都合上入浴はしなかった。



 ここは料理もいい。よくありがちな山菜料理かと思っていたが、源泉をふんだんに使用した「温泉ごはん」や「熊野牛」のしゃぶしゃぶは特に絶品だった。







 朝は温泉粥が印象的だった。



○源泉名  環の湯源泉
○源泉温度 92.5℃
○泉質   「含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉」
○湧出量  50L/分
○水素イオン濃度 PH7.6(弱アルカリ性)
○成分総計 1,708mg/kg 
○温泉利用状況 「加水加温なし かけ流し式あり」


 湯は薄く灰濁しており、柔らかな硫黄臭でタマゴ味、ダシ味。トロリとした重曹の存在感がまた気持ち良い。夏だったこともあり、個人的には加水されている主浴槽の方の湯が気に入った。さまし湯浴槽は時間によって温度差はあると思うが、当然こちらの方が硫黄臭が強い。
 露天風呂については、上述したが、いかんせん湯が薄いので泉質ありきの方にはお薦めできない。
 なお、こちらに宿泊すると姉妹店の「民宿あづま荘」にも立ち寄り入浴できる。もちろんその逆も出来る。源泉も違うので、是非利用してもらいたい。

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