少年トッパ

『くりいむレモン 旅のおわり』は傑作!

 シネマスコーレで『くりいむレモン 旅のおわり』を観た。ズバリ、これは傑作。十代の若者を主人公にした青春映画や恋愛映画は数多くあるが、これほどまでに恋愛と性欲をめぐる切なさと疚しさと不甲斐なさを見事なバランスで描いた作品には滅多にお目にかかれないんじゃないかな。とにかく対象との距離感が絶妙。しかも、一歩間違えればとんでもなく生臭くなりそうな題材なのに、どこか清潔感がある。無論、それは主演の二人(キヨミジュンと榊原順)が生来持っている資質によるものだろうが、この二人を選んだ作り手の眼力も讃えられるべきだろう。公開規模が小さいので多くの人の目に触れるかどうか心配だが、今年の日本映画を代表する作品であることは間違いない。
 同時上映された『遊泳禁止区域』と『恋の裸』という2本の短編も、いじましい男たちと超然とした女の対比がものすごく現実的で面白かった。前田弘二監督、おそるべし。去年公開された短編集も観ておくべきだった、と深く後悔している。

 『くりいむレモン 旅のおわり』の上映は明日まで。ニッポンの青春映画を好きな方は、何とか都合を付けて観に行ってくださいませ。

※画像はシネマスコーレで展示されていたサイン色紙。初日に監督などの舞台挨拶があったみたい。

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