少年トッパ

『悲しいボーイフレンド』&キノシタホールの感想

 昨年末に新装オープンしたキノシタホールに行ってきた。観たのは寺脇康文主演の『悲しいボーイフレンド』。普段は旧作を上映しているので当日1600円なのだが、これは純然たる封切り作品だから1800円だ。しかし、なぜか夜の回のみ1000円なので、当然その回に行った。でも、このサービス、昼間にしか観られない人の立場で考えると、すごく不公平感があるんじゃない?
 そもそもシネコンとかでもレイトショーが安いってのは、以前から不思議だった。どちらかと言えば、夜に映画館へ行ける人の方が、いわゆる富裕層(ってのは大げさだが)に属するような気がするのよ。まあ、僕はレイトショーの恩恵を受けることが多い立場なので、これ以上は言わないけど。なくなったら困るもんね。

 で、キノシタホール。いやいや、ビックリしました。ものすごくキレイだもん。



↑これが入口。手前の歩道橋から撮りました。




↑これがロビー。人がいる方にレンズを向けるのを遠慮してたら、こんな写真しか撮れませんでした。すんません。

 白亜の殿堂ってのは大げさだけど、なんとも上品で洗練された雰囲気。この不況の時代に、こんな瀟酒な映画館がオープンするとはねぇ。
 座席数は74と少なめだけど、その分、劇場内は広々としている。床に段差があるし、前の席との間隔が広いので、混んでても人の頭が気にならないのよ。まあ、僕が観た時のお客さんは10人弱で、5列目で観ていた僕の前には誰もいなかったけど。
 当然ながら思ったのは、こんな立派な映画館にするのなら常に新作を上映すればいいのに、ってこと。今はいわゆる二番館的な番組編成なわけだが、それだともったいないじゃん。もちろん『ぐるりのこと。』や『闇の子供たち』みたいな作品が再上映されるのは大いに結構なことだけどね。あ、そうだ。いっそのこと、ここをそのまま名古屋シネマテークにしてくれたらうれしいなぁ。あそこ、いい映画館だけど狭くて窮屈だもん。……不埒なことを書いちゃいました。

 じゃ、『悲しいボーイフレンド』の感想も少々。

 主人公は30代後半の独身サラリーマン。それなりに優秀ではあるけど、特に仕事にやりがいを感じているわけではなく、無為な毎日を過ごしていた。ある日、見知らぬ少女が訪ねてきて、彼の故郷である神戸へ一緒に行ってほしいと懇願する。彼は断るが、なんだかんだで(この辺の描き方には少々無理あり)結局神戸に行き、思い出の地を巡ることになる……という展開。もちろん、「その少女の正体は?」という謎は最後に明かされる。

 はっきり言って出来が良いとは言いがたいが、10代の頃に苦い恋を経験したことがある者ならば、共感できるポイントが随所にある。かく言う僕も、その当時を思い出してキュンとしたりシュンとなったりしたわけです、はい。なのでまあ、それなりに楽しめた。
 ただ、この役に寺脇康文ってのは、どう考えても合ってないんじゃない? 中学生時代を演じた子ともイメージが違いすぎ。典型的な文科系少年が、なんであんなに色黒のスポーツマン青年になってんの? そもそも、会社の帰りに一人でカラオケボックスに行ってるようなインドア派が、なんであんなに日焼けしていて逞しいの?



↑出演者のサインが入ったポスター。上田結って子、なかなか好演してました。



↑窓口でもらった半券とチラシと割引券。

 うれしかったのは、半券が前売券と同じだってこと。また、近日公開作のチラシだけでなく、今やってる作品(つまり『悲しいボーイフレンド』)のチラシを渡してくれる心遣いもありがたい。公開された途端にチラシを引っ込め、「ください」と頼んでもむげに断りやがる某シネコンとは大違いだ(なんとかシネマズさん、もっと映画好きの気持ちを考えるべし)。
 あと、1000円で観られる割引券をくれるのもありがたい。ただ、有効期限が5月31日までってのは、ちょっと短いなぁ。できれば3ヶ月ぐらい先までお願いします。って、贅沢言ってすんません。

 そうそう、キノシタホールは月曜定休なので、これから行かれるみなさんはお気を付けて。つーか、いまどき定休日がある映画館ってのも珍しいっすね。

キノシタホールのサイト→http://www10.ocn.ne.jp/~coseldom/2top.html
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