少年トッパ

『魔法にかけられて』の感想 <ネタバレあり!>

 予告編を初めて見た時は、それこそ狂喜乱舞したくなるような気分だった。やけに昔っぽい雰囲気のアニメだと思っていたら、それがディズニー自体によるセルフパロディなんだもん。すげえ、と感心した。こんな映画を待っていた、とも思ったものだ。それから半年ちょっと、この『魔法にかけられて』を観るのが楽しみで仕方なかった。もちろん、雑誌などに載っている紹介記事は一切読まないようにしたし、ネット上での評判も目にしないように気を付けた。とにかく、先入観を一切持たずに観たかったのである。
 で、観た。……たまげた。ビックリ仰天。まさか、こんなシーンがあるとは! 思わず目を逸らした。うぎゃぎゃーっ、と叫びそうにもなった。ものすごく楽しみにしていた映画で、世の中で最も目にしたくない物体を見させられる羽目になるとは思ってなかったのだ。そう、ご覧になった方ならお分かりの通り、○キ○リである。あ、名前を書くのも嫌なので伏せ字にしました。
 そりゃあ、ドリーミーな古典的ディズニーアニメの世界を現実に置き換えると、そうなるだろう。アニメの中では楽園のような森だって、実際には虫だらけで往生するだろうし、夏なら蚊に刺されまくるだろう。なので、ヒロインに呼ばれた都会の生き物の中にドブネズミや蠅、○キ○リがいたって不思議ではない。むしろ、「ディズニー、よくそこまでやった」と讃えるべきかもしれない。しかし、生理的に受け付けないものは仕方ない。とにかくもう、この時点で僕は思いっきりゲンナリしてしまったのである。あんなに楽しみにしていたのに、完璧に玉砕。ぐったりとした気分で残りを観た。
 この映画、ストーリーにもアラが多い。たとえば、ニューヨークに来た王子がレストランで食事をする場面があったけど、支払いはどうしたの? こっちの世の中で使えるお金を持っていたとは思えないし。細かいことかもしれないけど、そういう細部をしっかり語らないと、この手の物語は面白くならないのよ。
 女王の最期も不自然。あんなに強くて魔力があるのに、高層ビルから落ちただけで死んじゃうの? それに、できれば死んでしまうのではなく、もうちょっとおとぎ話っぽい結末にしてほしかった。ちっぽけな虫か何かに変身してしまい、ずっとニューヨークで暮らすことになる、とかね。
 などと不満を書き連ねてきたけど、楽しめる場面も多かった。というか、こういうお話は基本的に大好きなので、あの○キ○リや蠅が出てくる箇所さえなければ、100点満点で70点ぐらいの満足度は得られたと思う。公園でみんなが踊るシーンとかは大好きだし、ヒロイン役のエイミー・アダムスは美人すぎないところが実に素敵だったもんね。ああ、もったいない。
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