徒然日記

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[意見] 強力な仮想デスクトップ環境を比較的安価・容易に実現する方策 (hp) Z シリーズWS+RGS

2018-05-25 17:06:57 | 製品VDI
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[意見] 強力な仮想デスクトップ環境を比較的安価・容易に実現する方策 (hp) Z シリーズWS+RGS
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VDIは高くて話にならん
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仮想デスクトップのためにVDIシステムを導入するのはコスト的に非常に高くつく選択肢です。
なぜ、高くなるか? みなお気づきとは思いますが以下のような点が問題。

  ・パソコン(コモディティ機器)をエンタープライズ用途のサーバ&
   ストレージで実現するのだから機器代が上がるのは当然。
   特にFCストレージなどを使えばストレージでウン千万、FCスイ
   ッチでウン百万…
   
  ・パソコンなら占有なのに多数ユーザ相乗り化であい路ができ性能
   が落ちる。
   ストレージIOのあい路、サーバのメモリ、CPUあい路。。。
   
  ・あい路打破のためにSSD、FLASHストレージ、サーバへの
   SSD、FLASHキャッシュの追加でドンドン高くなる。

  ・VDIシステム用ソフト(Vmware Horizon, Citrix Xen Desktopなど)
   が別途必要。大抵は接続数ライセンスなので利用者が増えると線形比例
   して高くなる。
   
  ・VDIは仮想パソコン前提なので、仮想PC用のWindows OS
   ライセンス(VDA)が必要。 月額課金なので使えば使うほど高く
   なる。

これでも買える人はいいですが、ふつうは話になりません。
結局、仮想PCを使うVDIはダメだと思うわけです。

ターミナルサービス(RDS)方式でコストを下げる方法もありますが、RDSでハイパフォーマンスアプリを動かすのは無理がありますし、そもそも、サーバ系OSでデスクトップアプリが動く保証はない。

ではどうすればいいか? というと、物理PCへのリモートデスクトップ環境が解だと思います。

  どうして仮想デスクトップにそんなにお金をかけて仮想PCやRDSでやろうとする?
  https://blog.goo.ne.jp/tonton_ponpon/e/e4ec9d25637b343a67ea171299a5ea86

  上記の記事で「方式3」として紹介している物理PCへのリモートデスクトップが一番安上がりなリモートワーク実現方法です。




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物理PCで高性能な仮想デスクトップを実現するために必要なこと
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物理PCへのリモートデスクトップはLAN内ではまあまあ使えても、インターネット(WAN)経由では応答速度が悪くて使えない。 ということがあります。 これは、操作されるパソコンの画面を操作する手元パソコンに転送するためのソフトウェアのパフォーマンスが原因です。




WindowsにはRDPというプロトコルを使うリモートデスクトップの仕組みが標準装備されています。 これを使えば、追加コストはかかりませんが、性能があまりよくありません(大きなネットワーク帯域を使い、描画性能も高くない、PCに搭載したGPUも使えない)。



仮想デスクトップのパフォーマンスで重要なのは、
  マウスなどの入力・操作に対し、遅延なく画面が反応するかどうか?です。
  具体例でいえば
    3Dグラフィックスの立体モデルをマウス操作で回転させたとき
    3D景観ソフトでマウスを動かして右左を見渡したとき
  妙な遅延や操作が滞留する感じを受けないか? です。
  
よく、だまされるのが、高精細動画をスムーズに再生して見せて、高性能が仮想デスクトップです。という主張ですが、これは注意が必要です。
手元に表示されている動画は、遠隔地の操作されるパソコンより数秒遅れかもしれません。 動画は一方通行の配信なので、数秒遅れても問題ありませんが、上のような双方向の対話操作はそうはいかないのです。




VDIソフトウェア(Horizon, Xen Desktopなど)はこのあたりに非常に注力して高性能な画面転送プロトコルを実装しています。
  例えば
  Citrix Xen Desktop は 自社開発の ICA という画面転送プロトコル
  をバンドルしており、テザリング環境などの狭帯域ネットでも画質を
  落として画面のレスポンスを確保でいるようになっています。

  Vmware Horizon は カナダのテラディシ社が開発したPCoIPという
  画面転送ソフトをバンドルしています。PCoIPはICAよりも帯域を消費
  しますが、ロスレス(画質低下をさせない)方式なので線画を主にした画面
  の転送に適しています。

じゃあ、このソフトだけを買って物理パソコンへリモートデスクトップすればいい! と思うかもしれませんが、そうはいきません。 両社ともこれらのソフトだけの単体販売はしていない(あたりまえ)ので。

ここまでで、仮想デスクトップを快適に使うためには「画面転送ソフト」が重要だということがお分かりいただけたと思います。



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物理PC+高性能画面転送ソフトをセットで安く手に入れるには?
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最初に結論をいうと、これを満たせそうだと思うのが、今回のタイトルでもある「hp社のZシリーズパーソナルワークステーション」です。

  
http://jp.ext.hp.com/workstations/z2mini_g3/


なぜか? 
   Zシリーズには、RGS(Remote Graphics Software)と呼ばれる
   高性能な画面転送ソフトが「標準バンドル」されているのです。
つまり、別途買わなくてよい。

  http://jp.ext.hp.com/workstations/remote_graphics/


ZシリーズにはGPUも搭載されています。「高性能仮想デスクトップ」を実現するために仮想化対応GPU(NVidiaのGridシリーズなど)をサーバに搭載するVDIもありますが、サーバ用GPUは非常に高額です。

Zシリーズデスクトップの価格は
  Z2 163,500円~
  Z240 SFF 123,000円~
  Z240 132,000円~
  Z440 167,000円~
  Z4 218,000円~
などとなっています。 後ろに行くほど拡張性が高いですが筐体が大きくなります。

例えば、Z240SFF を使えば 123,000円という価格+手元PCのコストだけでGPUによる描画を生かした仮想デスクトップが可能になります。


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RGSは何がよさそうなのか?
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RGSがなぜいいと感じたかというと、「hp Z シリーズに利用権がついてくる」ということが最大ですが、CADなど高性能描画と対話的操作の両方を必要とするアプリをインターネット経由でリモート操作すること前提に作られているということです。 私が感じる範囲ですが、長所、短所を列挙すると下記のようなものです。

RGSの長所
  ・ hp Z シリーズにプレインストールされているので、追加費用が掛からない
  ・ hp Z シリーズに搭載された GPU を使った高性能画面描画に対応している
  ・ インターネット経由の利用を考慮した画面圧縮技術を持っている
    圧縮率の変更など、環境に応じ、利用者自身が最適化度を調整できる
  ・ 仕組みが簡単(P2P接続)なのでシステムが不要=安価
    プール型接続(共用WS)をしたい場合、サードベンダーのLEOSTREAMという
    コネクションプローカーと組み合わせるとできる。

RGSの短所
  ・インターネット経由での利用時、FWで特定TCP/UDPのポートオープンが必要
  ・単品で買うと高い(hp Z と組み合わせた場合に限り、コスパ良し)
  ・情報漏えい対策のような統制機能はあまりない(リモートUSB/クリップボードの許可不許可くらい)


hpのWebサイトには紹介の動画が多数掲載されています。
  http://jp.ext.hp.com/workstations/remote_graphics/

特に、マウス操作に対応して表示される手元画面と操作される画面の間にずれがないことを感じられる動画もあります。
動画「hp RGSの使い方 Vol.3 快適に使う編」の1分40秒あたりから


インターネット経由のような狭帯域回線の場合に画質を落として、動作を優先する設定をする様子もあります。
動画「hp RGSの使い方 Vol.3 快適に使う編」の7分25秒あたりから






仮想デスクトップのために高いVDIを導入し、高性能を発揮させるためにサーバやストレージにFLASH DISKを積み、サーバに仮想化対応GPUを積むなんていうのはどう考えても高すぎです。

仮想デスクトップを物理PC+標準RDPで実現するという解は確かに「安い」ですが、LAN内でそれも多少は我慢しないといけないです。
これよりは少し高いかもしれませんが、hp Z + RGS というのは「安く」「高性能」な仮想デスクトップを実現する解だと思います。



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