ワークステーション+リモートデスクトップ hp ZシリーズWSとZCentral Remote Boost
VDIは高い。無駄に高い。 なぜかって?
元がPCなのに、PCをリモコンしたいだけなのに、サーバ系機器とVDIソフト、特別なWindowsライセンスが必要。
さらに、性能上のあい路を回避するために、無駄に高スペックのハードを使う。だから、無駄に高いのだ。
では、PCリモコンソフトはどうか?
しかし、パフォーマンスが悪い。悪い理由は主としてリモコンソフトの仕様だ。高性能PCを使ってもリモコンソフトが遅い・もっさりだから体感速度が悪い。
では、どうしたら?
高性能なリモコンソフト+高性能なパソコンorWSを使えば、
① サーバ系機器不要、
② VDIソフト不要、
③ 特別なWindowsライセンス不要
④ 性能上のあい路のリスク少ない
となって、安くて、幸せな、リモートワークライフを実現できるだろう。
具体的には、以下の部品の組み合わせでできそうだ。
① 高性能ワークステーション = hp Zシリーズ
② 高性能リモコンソフト = hp ZCentral Remote Boost(旧称RGS)
最低限①+②でピア2ピアの固定的なリモデス環境は作れそうである。
もし、より複雑な機能(※)もという場合、ZCentralシステムの追加と設計構築が必要になる。
※:リソースプール方式による動的なWS割り当て
VPNによる暗号化通信
◆ ZCentral Remote Boost(旧称 Remote Graphics Software)
https://jp.ext.hp.com/workstations/zcentral/remote_boost/
以下の2つの部品からなるPCリモコンソフト
1)センダー
画面を送信する(リモコンされる)側にインストールされるモジュール
2)レシーバー
画面を受信する(リモコンする)側にインストールされるモジュール
単体で1:1ペアのリモコンソフトとして利用可能。
動的な割当など、大規模な「システムとして」構成したい場合は Z Central が必要。
単体で以下の機能がある
1)デバイスにあわせた動的な解像度マッチング
2)4K &マルチディスプレイ対応
3)Advanced Video Compression(AVC)狭帯域向けのピクセルデータ圧縮機構
4)リモート USB リモート システムに接続された USB デバイスへのアクセス
5)コラボレーション(画面共有)機能
招待された側も編集ができる双方向型
センダー、レシーバーの対応OS
1)センダーは Windows、Linix版あり
2)レシーバーは Windows、Linix、Mac、hpシンクラ版あり
3)特典
hp ZシリーズWSでは「2022年末まで無償で使用可能」
それ以外のPC、WSでも別途購入すれば利用可能
◆ ZCentral
https://jp.ext.hp.com/workstations/zcentral/
ZCentralは以下の部品から構成される「システム」である。
1)エンドポイントデバイス(利用者端末)
リモコンする側
2)Z Central Connect (コネクションブローカーと管理システム)
利用者端末からのWSへの接続要求を適切なWSに割当てる仲介機能
WS群の管理のための設定などをする
3)Racked WorkStations (サーバ室の19インチラックに置かれたWS)
リモコンされる側
4)Secure Data Storage
ユーザのデータ格納場所(ホームディレクトリや共用ファイルサーバ)
実際の画面転送動作は Z Central Remote Boost そのものであり、センダーがリモコンされる側の画面をネットワーク経由で送信し、それをレシーバーがリモコンする側の画面に表示する。
Webより抜粋
ZCentral Connectは
HP ZCentralソリューションパートナーからの購入、インテグレーションが必要。
厳重な管理
HP ZCentral Connectを使用して、ユーザーとハードウェア間接続を管理。
個々のマシンを割り当てる、共有グループプールを選択可能
Z POWERをどこからでも
One to Oneアクセスを使用すると、ユーザーはワーク
ステーションが隣にいるかのような同じエクスペリエンス。
HP ZCentral Remote Boostソフトウェアは、
ピクセルを圧縮してすばやく転送し、
シームレスなエクスペリエンスを実現。
IPを保護
暗号化されたピクセルのみをネットワーク経由で転送
機密情報がデータクローゼットから漏れるることは
ありません。
抜群の費用対効果
ハードウェアとソフトウェアを備えたシングルソースの
リモートワークステーションソリューション。
追加の仮想化ソフトウェアを必要とせずに、
ZCentral ワークステーションを共有します。
基本的な動作はVDI(仮想デスクトップインフラ)における仮想PCが物理WSに置き換わったものだが、そのおかげで以下の利点が生まれる。
1)仮想化ソフトウェア(VMware vSphereなど)が不要
2)VDIソフトウェア(Citrix Xen XX, VMware Horizon など)が不要
3)仮想化基盤、VDIの設計工数、ノウハウ不要
4)WSが利用者占有なので、ネットワーク以外のボトルネック要素がなく
想定外性能劣化がおきにくい
5)サーバ系ハード、オールフラッシュ統合ストレージなど
超が付く程高価な部品が不要
6)GPU付WSをそのまま外部から使える
VDIで同じことをするには、仮想化対応GPU(超高額)を使い、対応仮想化
ソフトウェアで仮想分割(vGPU化)をしないといけない
7)使い方によるがWindows OS の特別なライセンス(VDA)不要
このような利点を考慮すると、リモートデスクトップをしたいためだけに
VDIを使う理由はもはやない。物理WS/PCのリモコンが最良と思われるのである。
◆HP ZCentral 4R 製品詳細
https://jp.ext.hp.com/workstations/zcentral_4r/
Z Central でリモコンされるWSとして hp Zシリーズ WS があるが、hpは各種の形態(小型デスクトップ、デスクトップ、ラック型、ノート型)などを提供している。
このうち、ラック型(4R)はまさに Z Central のためにある機器と言えるが、他のデスクトップ型WSもラッキング金具があり、ラックに搭載できる。 ZCentral の紹介ビデオでは、ラック型WSではなく、大小のデスクトップ型WSがラック搭載されている様子が映し出されている。
◆ クラウドサービスとの比較
最近であれば、VDIの他にクラウドサービス(DaaS)も比較対象になるだろう。
だが…
結論を先に言えば
DaaSはやめておいたほうがいい
特に重大な問題は、VDIのときにも課題となる「性能上のボトルネック」の解決がより難しくなるからだ。
理由は以下のとおりである。
1)DaaSは基本VDI(仮想型)ベース。ゆえにVDIの欠点を全て継承する。
2)加えて、上述のとおり性能上ボトルネックの解決がオンプレVDIより困難
その理由は
2-1)仮想PC/WS~ストレージ間のネットワーク構造が開示されず
わからない。 当然性能設計もできない
2-2)ストレージをクラウドサービスを使う場合、実体の機器が
色々なネットワークにまたがって散在する可能性があり、
均一な応答性能を保証しにくい
2-3)仮想PC/WSを乗せるサーバ機器が複数顧客で共有(マルチテナ
ント)である可能性があり、別のユーザの負荷(ワークロード)の
とばっちりで性能劣化の可能性がある
さらに、クラウドサービスプロバイダが性能に責任を持ってくれない
(環境を貸すことだけが責任範囲だから)
3)クラウドサービスの宿命として融通が利かない
自組織やユーザの嗜好に合わせたカスタマイズ性や部品選択の自由度は
少なく、相手に合わせる窮屈さを回避できない。
特に、特定バージョンのOSを使いたいという要望に応えてくれない
→アプリとの組み合わせ上、このバージョンがいいという要求は多い
だろうが、それができない。
以前であれば、VDI or FATPC or DaaSという選択肢で
VDI :高い、設計難しいがそれを乗り越えれば、自組織の自由の効くリモデス環境
FAT PC:そもそもリモート利用できない
Windows標準のリモデスは使い物にならない
DaaS : VDIより小規模なら安い。 我慢は必要だが、VDIが駄目なら他に良い解
がない。
という消去法でDaaSもありだったが、現在はそうではないだろう。
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