新・まちづくらーの地域づくり日記

日々取り組んでいるまちづくりやむらづくりの様子をご紹介していきます。

“むらづくり”“まちづくり”って何??

2012年07月15日 23時38分50秒 | まちづくり
あいかわらずあっち行き、こっち行きしています。
さて、今年もいくつか新しい地域にアドバイザーとして参ったりしています。
単なるアドバイザー、相談役として行く場合もあれば、むらづくり計画策定のお手伝いに参る場合もあります。

いつも、初めて地域地区に参った際には、集まった住民の方々(多くは真剣に地域に向き合い、地域の将来を危惧して、いてもたってもいられないという意識の高い方々)に、

“むらづくり”“まちづくり”って何ですか??

と、何の情報も与えていない真っ白な状態の時に、問いかけるようにしています。

果たして“むらづくり”“まちづくり”って何なのでしょうか?

これまでは、地域力を高める“活動・運動”を行うこと・・・と申し上げてきました。
これは一つの正解だと思います。
こうやって話を聞いてもらい、いざ地域の問題点・課題を拾い上げ、その解決策を、ああだこうだ議論しながら、一つの地域づくり計画としてまとめる。
それなりに地域が考えた、オリジナリティ、地域らしさが出た計画にはなります。
ただ、実際にその計画、プランに従ってむらづくりが進むかというと、必ずしもそうではない・・・

地域の課題・・・
「農業の担い手が減り、耕作放棄地が増え、農地が荒れている・・・」
「住民がいなくなり、空き家が増えている・・・」
「子どもが減っている・・・」
等々。確かにどれも地域の課題です。

しかし、よくよく考えてみると、だからといって今住んでいる人が住めないような地域になっているかというと、現実に住んでおり、おそらくこれからも住み続ける・・・

だから、
自分自身が農業ができなくなり、自分の農地が荒れてきている・・・
自分の家の隣が空き家となっていて、物騒で仕方がない、雑草などが自分の家にも入り込んできて、何とかしたい・・・
自分の子どもが通わせている小学校が、いよいよ複式学級になってしまう、統廃合で遠くの小学校まで通わさねばならない・・・
といった自分自身に降りかかってきている課題であれば、それなりに真剣に考えるだろうが、あまり自分自身とは関係のない話であれば、いくら地域全体で見たときには確かに課題であっても、真剣に向き合うことはない。おそらく・・・(多くの人は、そんな余裕は無いはず)

だから、一生懸命地域のことを考えて作った計画でも、全部が全部上手くは進まない。
やはり個々人が大切なんだ!と
まずは、個々人が抱える問題や課題を考える。
そのムラ、地域で住み続ける上で困っていること、悩んでいること。
ここでのポイントは、“そのムラ、地域で住み続ける上で”ということ。
あくまで、地域の中にある自分自身と自分の家族、について考える。
おそらく、自分自身のことを動機としないと、多くのことが進まない。

最近は、そう考えて、地域の方々に問いかけるようにしています。

“ムラの構造改革”にいよいよ着手した豊岡市日高町羽尻区は、今までみんな気にはなっていたが、慣習や慣例に流されて、なかなか手を付けてこなかったことに、いよいよ真剣に取り組んでいます。
つい先日も地域の皆さんと議論してきたところです。
これは、このままでは自分自身の負担(労力的にも経済的にも時間的にも)が無限大に大きくなりかねない、という危機感を多くの方々が感じていたからに他ならないと思います。
ケンケンガクガク、ほんとうに真剣にみんなが向き合い、地域のあるべき姿(地縁組織のあり方)を模索しています。
新しいムラの形態、これからもみんながそれなりの適度な負担の中で生活できる集落をどこまでデザインできるか、まだま分かりませんが、どこの地域地区でも絶対に避けては通れない話。
何とか一つのモデルを創り上げたいと思っています。