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おもちゃ、家電、もろもろの修理の足跡と備忘録

色々と忘れるので、趣味のメモ

クレーンゲームの9枚歯のピニオンギア

2025-06-04 07:33:56 | 修理
おもちゃの病院に(アンパンマン)クレーンゲームが動かなくなった、という持ち込みが結構頻繁にたくさん(くどい)来ます。多いのは前後・左右移動用の9枚歯のピニオンギアの割れの修理(交換)。部品を交換すれば直るのだけれど、合致するちょうどよいピニオンギアが無い(同等部品が見つからない)ので、細いステンレス線でたすき掛けに縛ったりしてしのいだりしています。多分あちこちでみなさん苦労されていると思います。
これに関連して、ピニオンギアの仕様のことをよく知らなかったのでちょっと調査してみました。細かいことを書かずに最低限でざっくり(感覚でなんとなく?)わかるようにまとめたのと、今後の対応の方向性について書いてみました。

ピニオンギアの仕様
一般的なピニオンギア(下図参照)は同じ歯数でも以下のような色々な部分で大きさが違って合わないことが多々があります。歯数が合っていても、これ小さすぎる(空回りしちゃう)やとか大き過ぎる(そもそもギアが入らない)や、ということになります。
  • 歯数の違い(→8枚歯とか10枚歯とか)
  • 中心穴の大きさの違い(→いわゆるよくあるマブチ系?のモータだと直径2mm程度)
  • ギア部の外周直径の違い(→ノギスや定規でピニオンギアの直径を計ったりします)
ピニオンギアの重要な数値「モジュール値」
わかったことで重要なのは、この「モジュール」という数値が合っていなければ、2つのピニオンギアは決して噛み合わない、ということです。
モジュール値とはピッチ円直径歯数で割った数値です。
もう少しざっくり?、詳しく?書くと
ピッチ円直径(以下Dと略します)とは、「歯車対(つい)の歯と歯のかみ合う点をピッチ点と呼び、そのピッチ点を結んだ円の直径がピッチ円直径」のこと。
→これもざっくり感覚でいうと、だいたいギアの山と谷の中間くらい。なので、定規とかノギスで測ったピニオンギアの外形直径よりは小さく、我々が使う径の小さなピニオンギアだと、だいたい
  • ピッチ円直径(D) ≒ ギア部の外周直径/1.2
位のようです(いくつか計算してみてそんな感じ、、)。
モジュール値(以下Mと略します)とは、ピッチ円直径(D) ÷ 歯数(T)。つまり、
  • モジュール値(M) = ピッチ円直径(D) / 歯数(T) = D / T ≒ ギア部の外周直径 / 1.2 / 歯数(T)
もう一度書きますが、大切なのは、モジュール値の異なるピニオンギアは決して噛み合いません

                                        図 各直径の位置づけ

例えば、表記のアンパンマンのクレーンゲームの前後左右移動用のギアは、9枚歯で、ギア部外周直径が約7.6mmですので、モジュール値(M)は、D/T = 7.6/1.2/9 ≒ 0.70 で、0.7となります。これを0.7Mと表記することがあるようです。
なので、モジュール値0.7であるピニオンギアとは噛み合うけれど、モジュール値が0.5とか1.0とか言ったピニオンギアとは噛み合わない、使えないということになります。

一般的な市販品でのピニオンギアの探し方
市販品での探し方ですが、上記のモジュール値と、歯数(T) (→ToothのTですかね)、と中心穴の大きさなどを組み合わせて、例えば、上記のクレーンゲームの前後左右移動用のピニオンギアだと、
  • 0.7M 92A または、0.7M 9T hole 2mmとか
というような呼び方をするようです。モジュール値が0.7、9枚歯で中心穴の大きさが2mm。Aはよくわかりませんが、普通のピニオンギアの形態をしたもののようです。これ以外には「肩付き」とか「ボス付き」いう形状を見かけたことがあります。その他、0.5Mの8T系だと、80.8A、81A、81.5A、082Aとか色々あります。これらは8Tでそれぞれ中心の穴の直径が、0.8mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、ということになります。

で、クレーンゲームのは、、、
0.7M 92Aというピニオンギアを探すわけですが、真鍮製のものはある(うちのおもちゃの病院にもあります)のですが、樹脂製のものは国内のAmazonや、大陸のeBay、AliExpress、Temuなどを探しても見つかりません。(おもちゃ協議会?が3Dプリンタで作ったものを配布したりもしているようです)
もう少し調べてみると、モジュールの規格の系列には2つあって、系列Ⅰ列と系列Ⅱ列という系列があるようです。系列Ⅰ列は最も一般的なものとしてあって、系列Ⅱ列はそれ以外の特殊な系列という位置づけのようでクレーンゲームの0.7Mはこの系列Ⅱ列系のものに分類されていました。
ということでこのクレーンゲームにはわりと特殊なピニオンギアが使われている、ということがわかりました。

でどうする
先日うちの他のドクタが、ジャンク箱を漁って8Tで引っかからずに動いたぞ、と言っていました。同じモジュールでないと噛み合わない、ということなので噛み合ったのだから多分0.7Mの8Tだったのでしょう。で、また大陸で探すわけですが、そもそもⅡ列系だということであまり選択肢がないのですが、0.7M 10Tを見つけたのでどうだろう、と10個で100円ちょっとのものを見つけたのでポチってみました。まだ届いていないので、結果は届いてからのお楽しみ、となります。(次に続く、、、)

一応計算してみるとM=D/T、D=M*T なのでそれで9T→10Tとなるので、直径で約0.7mm大きくなります。半径だとその半分なので、0.35mm。遊びの範疇(噛み大きくなる方向)でなんとかなるじゃないかと踏んでおります。逆に8Tで動いたということは、浮く(噛みが薄くなる)方向で0.35mmはOKということですね。10Tで駄目だったら8Tを探します、、、。うまくゆくとよいのですが。

Lenovo Ideapad Flex 5 14ALC05 keyboard交換

2024-10-06 07:05:54 | 修理

 先週月曜日、急に在宅勤務で使っているノートパソコンのキーボードの一部が反応しなくなりました。Loginすらできない状況で朝、焦りましたが、Bluetoothのキーボードが手元にあったのでなんとかしのぎました。
色々調べてAmazon君にお願いをして送ってもらった部品が届いたので、早速交換。

 とりあえずYoutubeで該当品(ピッタリはなかったけれど)の三枚おろしの映像をみて概略を学習。内部構成は違いましたが、まぁ、作り方が事前にわかっているのでなんとかできました。以下、備忘録です。
 上記写真は内部を開けて全部取り外して、これからキーボード部を剥がしにかかる前の状態です。

私はとりあえず、裏蓋を開けた後、キーボードの故障の切り分け(本当にキーボード部を交換すると直るのか心配だったので)のために、全部バラす前にキーボードのフレキを外して、動作確認をしました。無事?キーボード単体の故障であることがここで判明してちょっと安心しました。

注意事項:
 最後のキーボードの交換が難易度がとても高いです。ハンダコテでの熱融着(山程ある)が必要なので、自信の無い方はやめておいたほうが無難です。

用意するもの:
 交換用のキーボードモジュール(バックライト付き)
 トルクスのドライバ(本体裏蓋取り外し用)
 プラスのドライバ(時計ドライバ、内部部品取り外し用)
 サーマルペースト(CPU放熱用)
 はんだごて(先端の割と細いものが必要)

分解:(数字はネジの数)
 ケーブル類を全部はずして裏返し
 裏カバー取り外し(前4,後ろ5ビスの長さが違う)
 バッテリー取り外し4 →ネジの一つにLenovoシールが貼ってありました。勝手交換チェック用ですね。
 冷却用FAN2
 スピーカ左右(ネジ止めなし、左右とも、上部が基板下のポールに挟まっているだけなので、下に引けば取れる)
 マザーボード3(メモリ、WiFiモジュール等は外さなくても大丈夫)
 右ヒンジ2
 ヒートシンク4(ついでに冷却用FANといっしょにゴミを清掃)
 左ヒンジ3
  左右ヒンジのネジを外すとディスプレイ部と分離できるので、外す。このとき、LCD用のケーブル(右)とタッチパネル用のケーブル(左)があるので注意して外します。
 USBボード1
 Pad4
ここまではなんとでもなる
 キーボードは、筐体プラスチックに熱融着されているので、それを外す。(以下TIPSを参照のこと)
 融着されている部分(上の図の金属部分の小さな無数?にあるボッチ)はキーボードの周囲だけで42個所。キーボードの中心部にも多数あるので、めげずにやる。左側の黒いシールの下にもあるので、剥がしながら、探しながら頑張る。
★★TIPS★★
このとき、(時計)ドライバでほじると、根元の方から折れてしまって(特にキーボードの中心部分の小さい融着部)キーボードを取替後、再度熱融着させる時に融着部に届かなくて苦労するので、なるべく上部をカッターのようなもので「切り取る」ほうが良いです。

★★TIPS終わり★★★
 後は丁寧にキーボードを外して、取替。
 切り取った熱融着されていた部分をハンダコテで地道に補修。これも大変。
 私の場合、キーボードの中央部分の熱融着部をほじって根元の部分から取れてしまったものが多かった(上記TIPSの通り)ので非常に苦労しました。ここを止めておかないとキーボードの枠の部分がぶらぶらというか浮いてしまうので、多分キーボードが打ちにくくなってしまうような気がします。

 あとは分解と逆の手順でもとに戻せばOKです。

電池を抜くことになるので、初回Boot時に時計のエラーが出ます。BIOSに入って時刻設定が必要です。(BIOS起動は、このPCだとShutdownして左側面のBOOT用のホールを細いものでつっつくとBIOS画面で起動します)

その他:
 ヒートシンクを外すので、サーマルペーストが必要ですかね。古いものを除去、清掃して貼り直します。3年?で割とカリカリしてました。
 ヒンジ部とか、他の部分でもホールの数とネジの数が違う部分があるので、どこのネジを外したのかわかるようにしておいたほうが良いかもしれません。
よく見るとネジを閉めるホールには「▶」印がついているのでそれを信じて?私は止めたら大丈夫だったので、それでも良いかもしれません。

交換作業時間は1時間半から2時間程度かかったと思います。

購入物品について:
 今回Amazon出店のお店から購入しました。送られてきたものは郵政のクリックポストで送られてきました。丁寧に包まれてはいましたが、再生品でした。
 バックライトモジュールの黒の包装が一部はがれていた
 フレキシブルケーブルが折り跡、配置ストレスによる歪み
などがありました。再度Amazonを覗いてみましたが「再生品」や「リユース品」の記載は無いです。もちろん「新品」との記載も無いですが、、、。
全部がそうでは無いとは思いますが、気になる方はやめておいたほうが良いかもしれません。
 バックライトモジュールは再利用できるようなので、販売品を見るとバックライトなし、という販売品のもあるのでそれを購入して、元ついていたバックライトモジュールを剥がして張り替える、ということもできるようです(Videoに出てた。私はやっていないけれど、、)

ということで、無事ノートPC本体で再度仕事ができるようになりました。めでたしめでたし。

2024/10/5

クラゲが泳ぐ、、

2024-09-14 07:28:58 | 修理

先週の土曜日のおもちゃの病院に来てお持ち帰り修理したおもちゃです。
水流によってクラゲが泳ぐ、というもの。実はこれ2回目の修理。
昨年?修理に来た時には、制御基板のIC(名称は消してありましたが多分PIC)が故障していて、自宅でPICとかで何か作っても良かったのですが出先だったので回路をいじって電源を入れれば動く様にしてあげました。
今回はクラゲが泳がない、という主訴。この手のものはポンプがガッチリ防水してあって開けると水漏れするのであまりやりたくないのですが、受付の人が、これ前にやったっけ、と持ってきたので仕方なく対応、、、。
超音波カッターで殻割りしてポンプの中を見ると、モータ部とインペラ部が磁石で結合しているいわゆるマグネットカップリングというやつ。モータ部は完全に防水されているのでサビ等による回転不良は無いんですね。でもそれが空回りする状態。
インペラ回転部・回転軸の清掃と、軸の長さを調整して多少ギャップを短くして磁力を強化しても直らず、結局モータの回転数を下げると追従することがわかったので、LM317Tでモータ印加電圧を調整する回路を作って対応しました。この間、殻割り2回、、、。やっぱり水漏れするし大変でした。
調べてみるとこれ、7000円位するものらしいです。暗くするとクラゲに蛍光物が塗布してあるようで怪しく?光ったりします。
年配の方の持ち込みでしたが、水槽に苔!もついていたので結構使い込まれているみたいです、これを見て癒やされるんでしょうか。
土曜日病院で2時間と日曜日一日修理して、その後12時間連続運転チェックしてOKとしました。直って良かったです。
%写真は、動画(mp4)がうまく貼れないので画面キャプチャです、、。

クレーンゲームの動作と修理メモ

2024-04-09 17:54:35 | 修理
週末、おもちゃの病院でした。他のドクタからやったんだけどこれ分かんないからやって、とアンパンマンのクレーンゲームが回ってきました。
クレーンゲームは良く回ってくるので見識?はちょっとありますが、今回は相当手こずって、忘れないように昔作った修理方法のドキュメントに少々細かい動作などを追記したので公開します。
クレーンゲームは今となっては新しいものが沢山出ていて、種類が沢山ありますが、以下のものは結構初期のものだと思われます(以下のドキュメントの日付を観るとすでにちょうど16年も前ですね、、。)
今回は、他のおもちゃの病院にも出したものを当院に持ち込んだという情報もあり、すでに何人かのドクタの手を経由しているようです。なので何を信じてよいのかわからず、動作そのものを結構掘ってしまいました。
当初の主訴はそもそもは全く動かん、ということのようでしたが私のところに来るまでに、バケットがうまく制御できない、というものになっていました。
結局、やっぱりバラして、動作を確認して、回転接続部の破損修理、軸受の破損修理、チェーンのねじれ直しなどをやってようやくメカ部が所望の動作をするようになりましたが、そこまでに半日✕2回、計約1日掛かりました、、、。
その後も、修理していると時々おかしいなぁ、というボールの排出センサ部の故障(電気系統)も見つけてしまい、そこでも数時間を要してしまったので、結局丸一日以上掛かったということになります。ここまでかかることはめったに無いので疲れたなぁ、というお話でした。



バイクのメーター球交換2

2022-12-10 10:18:21 | 修理
 以前、うちの奥さんの原付バイクのメータ照明ランプの交換をしました。
 久しぶりにこのバイクを使って買い物に行ったら、またメータ照明ランプが切れていました。いつから再度切れていたのかは不明ではありますが、前回交換が2018年なので4年ぶり?の交換です。安物LEDランプなのでこんなもんですかね。その時のLEDランプが2つ残っていたので、同じものへの交換です。
 前回、ヘッドライト部の外し方を記載していなかったので、そのあたりを備忘録として残しておきます。


ライトの光軸の位置を確認:
 まず、現在のフロントライトの「光軸」の位置を覚えておきます。といっても覚えられないので、例えば壁の前にバイクを止めてフロントライトをつけて(下向きが良いです)、壁に光軸の位置をなにかで印をつけておきます。(交換後、光軸の位置が同じ様になるように調整をします)
光軸調整用のネジを外す:
 上の写真の上の青いマークの部分に、上向きについたネジがあります。これは、上記の光軸をあわせる(上下方向)ネジ兼フロントライトのカバー部分(上記写真のライトの周りの銀色のフレーム)を止めています。
 これを外すのですが、外しにくいので、アクセスしやすいように下の青いマークのネジを外してフロントカバーを外します。
注意!:上のマークの部分ネジを外すときに、「絶対に下に落とさないで」ください。ここで落とすと、後でとってもとっても大変な目に会います。
ライト周囲のフレームを外す:
 次に、ライトの周りの丸いフレーム(銀色の金属部分)を外します。これは単にハマっているだけなので、先程外した上のマークの部分のネジのあたりから手前に引けば外れます。(きっちりハマっているので傷がつかないようにして前方にほじる?と取れます)
メータランプを交換する:
 これでメータ内部にアクセスできますので、メータ部に下からついているゴムブッシュを下に引けばメータランプにアクセスできます。2個あります。
玉はT10です。
逆手順でもとに戻す:
 取り替えたら逆の手順で元通りにします。フロントライトの光軸は壁につけた印?をもとに調整してライト下のネジを固定します。

 注記しましたが、私はフロントライトの調整ネジを外すときに下に落としてしまい、これを取るのに大変苦労しました。運良く地面に落ちれば良いですが、運が悪く?フロントカバーと足元のカバーの間に挟まってしまい、それらが結構きつく嵌合していて取れず、とても苦労しました。(何故かネジが2つ出てきたんですが、どうしてなんでしょう、、、、私は1度しかやってません!)
 ちなみに交換後のバルブはどれとしてLEDチップは点灯しなかったのですが、どういう壊れ方をするのでしょうね、、、。ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。