ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ハギレなんだけど美布

2008-06-27 21:08:07 | 着物・古布
今日はご近所さんで「着物の組み合わせ」ご相談、ということで、
お昼までごちそうになりました。釜揚げうどんに、さばの竜田あげ、
冷やしけんちんにスプラウトサラダ、ピリッと辛いキムチ…。
なんてごーかな昼食、おいしくいただいてまいりました。
仕事にいったんだけどなぁ…。

というわけで、帰宅後に仕事の続きで棚を整理していたら、
ひょいと乗せたはずの反物がスコーンと落ちてきました。
だいじょうぶ、ほとんど巻きのない細い反物でしたから。
それでも、そこを見上げて夏らしい柄を見つけました。
もう着物分がないので、ほんとにもったいないのですが、
ハギレの方で出そうと思っています。

トップの写真は、絽の帯です。
白地にしては、珍しく大きなしみや汚れがないのですが、
かわりにあちこちに小穴があるのです。もったいないですね。
「半幅」にしたら、夏向きのいいのができるのではないかと思うのですが、
それにしても途中でついであるので、まっすぐ長くはならないんですが…。
大きな花、鮮やかな色、帯だったときは、
真夏の日差しの下、さぞ映えたことでしょうね。

こちらは「波頭柄」、東雲のようなちりめんです。やや平坦。


  


本来「青系」で染められる柄だと思うのですが、
青だとかえって柄がめだってきついかもですね。
グリーンだから、いいのかもしれません。

そんなに細かく凝った描き方ではないのですが、波が踊るようです。
サーファーでもいそうですね。白が真っ白ではなくくすんでいますので、
シャープな印象はありませんが、ザッパーンという波音が聞こえそう。
単のうそつきの袖なんかに、いいかもしれません。
それにしても、着物だったときは、ずいぶん大胆な柄だったろうと思います。
背の高い人でないと、着映えしなかったかもですね。
私がもし着物で着ていたら…「溺れかけのカッパ」に見えたナ…きっと。

こちらは夏銘仙、これは「汚れだらけ、穴だらけ」のシロモノ。
でも、いい柄でしょう?もともと「いい時代」の銘仙のようで、
地はしっかりしていますし、もし無疵なら、十分着られるのに。
縫い目に沿っての傷みですから、幅狭くいいとこ取りして、
洋裁向け、小物向けに出せそうです。とんぼ柄のとこ、気に入ってるんですー。


    


なんたってこんなに縫い目が穴だらけ、
解くときにビリビリと引っ張ったようです。もったいない…。


          


そしてこちらは、私の大のお気に入り、もぉただ眺めているだけでも
シアワセな気持ちになってしまう美しいちりめん。
これは売れな~い、なんてずーっとしまいこんでます。





真ん中の白いところは、布が薄いので床にフラッシュが反射したものです。
沢瀉(おもだか)の葉の描き方、デッサン力の確かさを感じます。



    


白地のちりめんというのは古布ではあまりでません。
汚れてしまうのですよね。
これも、白地部分はくすみがあります。でも「きれい」。
手に入れたときはすでにじゅばんでしたが、元は着物ではないか、と
着物であってほしいと思います。夏柄ですから、とうぜん単で着たのでしょう。
こんな柄の着物の人が「献上」かなんかをキリッとしめて歩いていたら、
絶対あとつけちゃう(そりゃストーカー)。
着物として着られていたときに、この着物と着ていた人に会いたかったです。


というわけで、夏のように暑かった今日、洗濯と外出の合間をぬって、
ハギレなんぞいじってました。
あれよあれよというまに、もう数日で7月です。
今日のご相談も、お琴のコンサートに行く方の着物だったのですが、
来週とのことでもう夏物ですねぇ。あまり気取らないコンサートとのことで、
半幅を形よくしめたいとおっしゃいました。いすにすわりますから、
カルタの変形か、お太鼓風で、とお約束しています。
天気はあさってからまた下り坂とのことですが、とんぼ「七夕」準備中です。




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3 コメント

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Unknown (陽花)
2008-06-27 23:29:06
オモダカの色使いとっても素敵ですね。

お琴のコンサートに暑い時なのに着物で
行かれるなんてエライですね~
どんな帯結びになるのか楽しみです。
願わくばアップしてほしいなぁと
思いますが・・・
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Unknown (蝸牛)
2008-06-28 06:45:38
夏向きの涼やかな布が並びました。
トンボの端切れ・・可愛いです。
おもだかの布は・・このまま額に入れてもいいくらい・・
眺めているだけで・・うれしいですね!
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-06-28 17:07:53
陽花様
このオモダカは「絵」として見たいですね。
東京まで行かれるとのことなので、
少しは華やかに、と思っていますが、
私の腕でだいじょぶなのか?
写真、撮れたらアップしますね。


蝸牛様
着物の柄は、ほんとに季節感があふれますね。
このトンボのとこだけ、本のカバーにでも
しようかなーと、また思うだけ、ですが。
オモダカは、ほんとに皆さんに現物を
お見せしたいと思うくらい、きれいです。
飾れますねぇ、このまま。
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