ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

おおいそぎ・・・

2006-07-27 21:10:22 | 着物・古布

今日は、予定が次々押せ押せになりまして、もー時間が・・。
なので、ちょびっとだけ・・・。
写真は、先日入手の「襲」の中着です。
珍しいんですが、これ「お召しの襲」なんです。
襲というと大体は見事な染めや刺繍・・と言うのが定番・・と思っていたので、
お召しは私もはじめて・・・。
こちらは中着ですが、もちろん表着もあります。
柄としてはジミなのですが、とても重厚な感じがします。
面白いのは、中着のほうの胴貫き部分。こちらです。





なんか眼のまわりそうな柄です・・・。
中着の胴貫き部分は、表がハデでもジミでも、たいがい赤系、朱系が多く、
軽く薄くするために薄手の羽二重や平絹が使われますが、
これは平絹でもちょっとハリがあり割と厚手です。
なによりこの柄、アップはこんなです。





ハヤリ?のらせん・・・。流水のつもりなのかなんなのか、
よーわかりません。写真撮るのに「このへんかな・・」とやっていたら
ほんとにちょっと眼が回りかけました。

全体の色目から行って、年配のヒトのものだと思います。
襲はたいがい華やかでもおとなしめでも「共八掛」なのですが、
これは表、中ともに裏は普通の無地ちりめん。
それでいて「三ツ割五三の桐」の紋が入っています。
柄も立湧は近くで見ると「藤の花」、飛んでいるのは花菱で
鳳凰に花柄・・・、とにかくがらとしては品格があり、落ち着きがあります。
そしてお召し、つまり「織柄」ですから、たぶん普段着。
きっと裕福な家の奥様のものだったのでしょう。ほとんど無キズです。

襲については、私もまだまだ勉強不足。
今までのがこうだったから、たぶんこういうことだろう・・
と思っていても、ある日突然、ぜんぜん違うことがわかったりします。
着物について、たとえば自分が着ていなくても、
「私が子供のころ、おばあちゃんがこんなの着てた、こんな着方してた」。・・・
そういう話を聞かせてくれる人が少なくて、
暮らしに密着した着物のこと、素材、着方、流行・・という情報が、
どんどんはいらなくなっています。
次の世代で「着物」がまぼろしのものなんかになってしまわないように、
いろいろ知りえたことを、これからも少しずつ書いていくつもりです。

とりあえず、時間がなくて・・このごろ多いなぁ私・・・、
本日これにて。すみませーん。



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3 コメント

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Unknown (陽花)
2006-07-27 23:12:26
色といい柄といい、本当に素敵です。

これが中着じゃなく表着ならいいのに

なんてつい思ってしまいました。
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初めて見ました (雪花)
2006-07-28 10:36:23
襲って贅沢なものですよね。

三井財閥の展覧会だったかで、婚礼衣装の襲を見て、腰抜かしたことがあります。

どこからも見えないのに、この緻密な手仕事はなんじゃあ!って



私、近代以降にも普段着の襲があるとは知りませんでした。(それ以前も、富と権力のある人しか召せなかったので、普段着と言っていいのか)

めでたいこと関係だからかさねる、だと思っていたのです。

・・・寒かったのか?
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-07-28 13:03:15
陽花様

普通の小紋でもステキですよね。

見えないところのオシャレ、

昔の人は、こってますよねぇ。



雪花様

ほんとに寒かったんだと思いますよ。

もちろん、それだけじゃないと思いますが、

貧乏人は重ねるほど持ってないから「綿」をいれ、

お金持ちは数で勝負ってところもあったと思います。

元々が十二単に端を発した「正式」とか「礼」とか

そういったところからでたことですが、

美しく、姿よく着る工夫だったのでしょうね。
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