ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

木綿の着物

2007-10-31 18:58:07 | 着物・古布
かわいい柄の木綿です。
木綿の着物で、こういう柄は、着たことなくてもなんだか懐かしいですね。
この着物、ひとつ珍しいことがあります。
イマドキの木綿着物にはない「袷」なんです。重~~いです。
長いので、ちょっと折りたたんで写しました。不細工ですみません。

     


以前ちょっと書きましたが、庶民が絹物を禁止されていた時代、
また、それが解けてもまだ絹物をカンタンに着られなかった時代、
木綿の着物は、夏は単で、冬は袷で寒いところは綿を入れて着られていました。
これは綿は入っていませんが、しっかり厚い藍木綿の裏がついています。
柄からいっても、若い娘さんのものでしょうね。
そして、親心…いや自分で仕立てたのかもしれませんが、
裏はこれをつけよと、揃えてくれたのでしょう、見事についであります。
こちら…


     


裾がちょっと翻って見えるところ、下の部分、そこだけはつぎはぎでも
濃い藍木綿を使い、少し上のところは色の褪めた、縫い跡も残る
古い木綿を使っています。みごとなものです。
柄はすずらんのような感じの花柄、わずかでも赤がさしてあって華やかです。
こんな着物を晴れ着として着て町へ買い物に行ったり、お参りに行ったり、
そんな風にして暮らしたんでしょうかねぇ。

もう一枚、これまた珍しい「木綿の道行」です。
着られた様子がありません。裏と結び紐だけはピンクの正絹。


     


前あきの左右がなんとなく縦に白っぽいのは、木綿の織りが粗くて薄いので
下のピンクの裏地がフラッシュで反射したためです。
これも赤や黄色などの色があって、若い女性のものと思われます。
もしかすると、お嫁入りの一枚だったのかもしれませんね。
こういうちょっとハデ目の木綿の着物は、実際よく着られて着たおされて、
色あせたハギレとして残るか、何らかの理由でほとんど着られないまま残るか、
どうもそんな感じで、あまり中途半端に着られたものが見られません。
逆にもっとジミだと思いっきり着込まれています。
そのへんも、お嫁に来てかわいい柄のものはそのまま手を通さず、
地味なものを毎日着て、古くなるとそれをつぎはぎして、
かわいいもの、きれいな柄は、そのままとっておいたのかもしれませんね。
何枚かあるのですが、実際着られたものもありまして、それは洗わないとです。
逆に手を通していないものは、ばりんばりんに硬くて、そのまま立ちそう…。
さて、どれを解いてハギレにするか、もう少しチェックして、
ダメージを調べてみることにしましょう。



本日のおまけ、ケータイの写真なのでちと見づらいですが、
近くのコンビニまで行く途中の「ど根性・ムラサキシキブ」。
なんか十二単着て、たすきがけって感じに聞こえますが…。
石垣と、ここは実はカーポトなんですがコンクリの間。

      


更にこの横に、カーポートの屋根の柱がありまして、
その柱の脇には同じく「ど根性・小菊」があります。
つぼみがいっぱいついていました。咲いたらまたみにいこっと。
みんながんばってますよねぇ、私もがんばらなくっちゃ。

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4 コメント

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Unknown (陽花)
2007-10-31 20:33:56
木綿のひっぱりにもんぺ、私も嫁入りに
持ってきました。あの当時は嫁入り道具の
ひとつだったのかなぁ・・・
お百姓さんへ嫁入りするのじゃないのにって
思っていましたが、いつの頃か処分しちゃいました。
いま、畑を始めてのけときゃよかったかなぁと
思ったりしています。
返信する
また物欲が・・・ ()
2007-10-31 23:30:29
若い頃はウールの着物は着た事がありますが
木綿の着物は多分持って無かったと思います。
今は館山と川越の唐ざんを持っていますが
こんな可愛い柄じゃない。
自粛しなくてはと思いつつ 柄物の木綿も欲しいな~

   駄目! だめだめだめ 駄目!  
返信する
Unknown (青め猫)
2007-11-01 01:00:32
こんな絣木綿の着物は大好きです。
骨董市などでは、リメイク目的で買われる方が多いです。
私ぐらいでしょうか。。。
木綿だけを扱うお店があって、フラフラと入って見入りましたが、木綿着物で着られる物を探そうとしても、裄は短し、丈もツンツルテン。。。
特に「ゆきんこ」絣などの素朴な柄は、結構高いのですね!
また、良く古い木綿(久留米絣)で作られてた洋服の高いこと高いこと!
手作りだからでしょうか。
それにしても、古い布からリメイクされる才能を持っていらっしゃる方はすごいな~と尊敬してしまいます。
洋裁でも出来れば私も楽しいのですが。。。
和裁も、もちろんです。はい。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-11-01 21:34:52
陽花様
私もどこかにまだ、ひっぱりと水屋着があるはず…。
私、ヤ○オクで落としたもんぺ、たまにはいてます。
ラクなんですよねぇ、それで玄関先の
掃除なんかしていると、お年寄りから
「めずらしー」って言われます。
バサマもはかなかったのに、娘がはいてるー。


惠様
唐桟などは、いまやゼータクな木綿ですね。
こういう木綿の「かわいい柄」タイプは
反物ではなかなかでないんです。
地味な伊予がすりなんてのは出ますけどね。
また探索しまーす。
ダメなんていわずに、ヒッヒッヒ(なんの笑いだ?)


青め猫様
こういう花柄っぽいものは比較的安価です。
伊予がすりとか久留米とか、書生、ゆきんこが高い!
着物を洋服に直すのは、幅が狭いのでなかなか面倒、
でも逆にそれを利用して「直線タイプ」の服なら、
耳が縫い代になる分、始末がラクで、
結構できますよ、カンタン・ソーイングで
ひとつ作ってみてください。
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