ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

晴れ着

2008-12-27 05:05:58 | 着物・古布
写真は、もう20年以上も前、息子が二歳のお正月。
着物もおでんちも母の製作です。
ちょっと質のいいコットン地のギンガムチェック。
着物なので「格子柄」と言いましょうねぇ。
おでんちはさすがにまだ赤ちゃんだからと「ブーブー」の柄です。
帯がちょうどいいのがない、といいますか、昔はうんと小さい子は、
どうせ揚をしますから、ひもをつけて、うしろで縛ったんですよね。
母は「お正月だからちゃんと帯しめてやりたい」といったのですが、
ちょうどいいのがなくて…結果なにを使ったかと言いますと、
ちょっと見えていますが母の「青いちりめんの半衿」でした。

私が子供のころ、すでに着物人口は激減しつつありましたけれど、
それでもお正月だけは、着物を着る人がたくさんいたものです。
母の話では、祖母という人は大晦日までかかって、
四人の子供と夫の晴れ着を縫い、朝起きると必ず枕元に新しい着物が
おいてあったそうです。新しいといっても、戦争前のことですから、
古着を解いたりお下がりだったりしたわけですが、
それでもとても楽しみだったと。
ですから母も私にそれをしてくれました。
新しいのでなくても、ちゃんと洗って寸法を直してくれたり、
着物が買えないときは、襦袢が新しかったり、小物が新しかったり。
なにかしら「けじめ」だったのでしょうね。

お正月の間だけは「羽子板」ではねつきをするのが義務みたいに?
やってましたし、男の子たちはたこをあげ、大人たちは、縁側に立って、
「アレは角の○○ちゃんのだろ」とか「あっちは○○さんちの大将だな」とか。
門松なんて豪華なものはたてなかったけれど、
どこの家でも「国旗」を飾りました。
お年玉なんてもらったかなぁ、シンセキのひとがきても「お菓子」とか、
要は「おみやげ」がお年玉だったような。いつから「お金」になったんだろ。

シンセキや母の友達の家族で、ちょっと年上のお姉さんがいると、
振袖だったり、お正月らしい小紋だったり…。
私は自分も安物でも振袖着せてもらってるくせに、「大人」の着物が
うらやましくて、おたいこをしめてみたいなどと思ってみたり、
なにより「肩揚げ・腰揚げ」で負けてるっ!と思ってました。
早く揚のない着物をきたかったものです。

あのころは、テレビで初詣の様子などを写しても、
振袖姿の女性がけっこういましたし、それ以上の年齢の女性は
小紋くらいの着物がたくさんいました。
私が中学くらいのころからでしょうか、ウールのアンサンブル、というのが
大流行しましたね。手軽だし廉価だったからだと思いますが、
紺地や黒地に赤や黄色の絣柄、というのが定番でした。

最近は、初詣でも普段着の洋服、という姿が多くなり、
着物姿は「いつもよりは多い」というところでしょうか。
それも都会で、です。我が家のご近所さんでは、
お正月の着物姿はまーずみません。さみしいですね。
小さい子の着物姿はかわいいものです。
ウールか木綿で十分ですから、きせてほしいものですね。

そもそもお正月、というものそのものが、今は「祝日」というより「休日」?
ハレの日であるはずなんですが、めでたいめでたいといいつつも、
それはテレビで言ってるのを聞くだけで、自分たちの初詣や、実家への挨拶、
なんていうのは、いつもの休日に出かける気分…なんでしょうか。
もちろん「自分で着られない」というのも、おおいに関係していると思いますが、
せめて子供さんくらいは、市販の着物でもいいですから、
着せてあげてほしいなぁと思ってしまいます。
なんてね人のことはよく言うんだわー…。

さて、29日にならないようにお飾りをしなくちゃなりません。
お供えの下に敷く半紙、昨日出しました。ちょっといいヤツです。
毎年生協で頼むお花は、今年はいつもの松やら菊などのセットはやめて、
デンファレにしました。とりあえずガラスのベースにズボッと挿して水揚げ中。
透明ガラスの別のベースにもちっと形つけて入れましょう。
左の光っているのは「行灯」です。手作りフェアで買いました。
一気に「洋」から「和」へ衣替え~です。





周りの水栽培のグリーンも、ちと場所かえて…
ほらぁまだやることいっぱいあるでしょー。
あっ今日は燃えるゴミ、今年最終です。かき集めて全部持っていかなきゃ。
みなさーん、あと4日ですよー。



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10 コメント

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Unknown (陽花)
2008-12-27 09:27:33
昔は決まりごとをキチッとしていて
お正月という雰囲気がいっぱいありましたね。
最近は手抜きだ何だと言いながら、本当に
お正月がくるの?って感じです。

小さい頃の息子様の着物姿かわいい!
やっぱりいいものですね~
返信する
「お正月の晴れ着」 (りら)
2008-12-27 10:18:26
という言葉がもう既に死語っぽいですものねぇ。
お年始回りなどをする人も少なくなっているのでしょう。

私はウール全盛期の育ちですから、取り立ててウールに抵抗は無く、お正月にウールのアンサンブルでも良いよなぁと感じます。
でも、毎年お友達が「お正月の晴れ着」と心して取り合わせて着ているのを見て、とても素敵だなぁと思います。
一家の主婦がお元日に晴れ着を着ているのはちょっと大変でしょうけれど・・・・
返信する
ウールのアンサンブル、好きです^^ (えみこ)
2008-12-27 21:10:19
でも大体子供用ばかり、大人用のを持っていたのですが
事情で手放してしまい後悔は先に立ちませんね^^;
息子さんのお写真かわいい~!撮影された方の気持ちが
伝わって来ます。
初詣の着物まだ迷っています。どうしようかな…って
その前に大掃除でした(あちゃ)
返信する
Unknown (あめだま)
2008-12-27 22:32:23
もういーくつ寝ると
いやいや そんなの数えてないで用事しましょ
ウチは子ども三人とだんなみんなウチにいて、何にも仕事がはかどりません、グスッ
今夜は年賀状をしっかり仕上げて!って
つい覗いてしまいました。
皆様よいお年を。
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日本のお正月 (うまこ)
2008-12-27 22:54:12
日本にいると、例え自分の家がお正月のしつらえをしなくても、自分がお正月らしくしなくても、何となく世の中(商店街とか、神社仏閣とか)がお正月をやってくれるから、お正月気分になって、一年にけじめが付くのですが、これが外国に住んでいたりするとクリスマスはそれらしく良い気分でも、それでおしまい。
お正月がまるっきりなくて締まりがないんですわ。なんだか、さみしいというか、落ち着かないというか。
もし、このまま行って誰もまじめにお正月をしなくなって、ついでに温暖化も進んで冬らしい季節もなくなると、日本は益々締まりが無くなって寒々した雰囲気になりそうで。
それで、私は頑張ってなんとか自分にできる範囲でお正月を演出しています。あのお正月のない1月1日の寂しさは耐えられません。
名古屋はまだまだお正月の着物も少ないとはいえ、見ますし、しめ縄も減ったとはいえ、まだ健在。そう、年賀状も・・・・
明日は外の掃除をしてお飾りをして。家の中の大掃除はもっと後ですけど。
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Unknown (とんぼ)
2008-12-28 03:21:56
陽花様
残しておきたいといいつつ、
面倒がってるなんてゼータクですが、
せめてお飾りとかお花とか…
「年迎え」という気持ちだけは
なくしたくないですね。

息子、このとき股引はいてまして、
みんなに前がはだけると色っぽくないねーと
言われたんです。
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Unknown (とんぼ)
2008-12-28 03:24:26
りら様
そうなんですよ、晴れ着も死語ですねぇ。
昔は、シンセキとか会社の上司とか、
いろいろお年始もやりましたよね。
あっちこっちで宴会したり…。

母は、正月はちょっとオシャレなきもので
「割烹着」フル活用でしたね。
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Unknown (とんぼ)
2008-12-28 03:27:04
えみこ様
昔のウールって、ずっしり重くて、
その分あったか…でしたね。
私はちょっとチクチクがだめで、
手首があかくなっちゃうんですよ。
中袖のシャツ、目一杯伸ばしてきてました。
ツラの皮はどんだけ厚いか…なのに~。
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Unknown (とんぼ)
2008-12-28 03:29:13
あめだま様
いつもいない人がいる場合、
その人は「マメ」でなければなりません。
一緒に荷物や家具になってんじゃなーい!
と、毎度思っています。
がんばってくださいねー。
あめだま様もよいお年をお迎えください。
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Unknown (とんぼ)
2008-12-28 03:32:35
うまこ様
オットは中国だったんですが、
あちらは旧正月で、二月はすごいんだけど、
こちらでいうお正月は「ただの連休」で、
気が抜けたって言ってました。
所変われば、ですが、やっぱり日本のお正月、
いいもんですよね。といいつつ手抜きですが、
少しでも残せるものは続けていきたいですね。
よそのオタクにお飾りや門松があると
なんだかホッとします。
我が家も小さな門松くっつけます。
お掃除、がんばってくださいね。
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