「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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ハンク・アーロン

2021年04月10日 | 打法

 著書では、打法の変遷について、ボトムハンドで引く時代に続いて、トップハンドで振り出す時代が到来したと述べた。アーロンの活躍した頃(1954-76)は前期である。しかし、彼も左で引いていたはずだが、例えばテッド・ウィリアムスあたりと比べると、感じがかなり違う。
 まず、両股関節の屈曲が目につく。そこに注意しながら、スイングを見ていくと・・・・・

 ステップとともに、左肩でバットを引くが、左股関節屈曲は維持されるので、引く期間は短い。そこで右手が役割を交代するわけだが、右も股関節は屈曲である。そしてそのまま右ハムストリングスを活用して腰を回転する。この時の腸腰筋、ハムストリングスの組み合わせは、ボンズのティルト時と同じである。左脚の固定により腰は回転性の強いもになるが、ティルトが生じるところはボンズと似てくる。そこからの右肩内転、右腕振り出しのメカニズムはこれもボンズと同じである。本人は、右手首動作の力強さを強調するが、その言葉から、それ以前の動作が伸張反射の連続であることをうかがわせる。オースチンやマエケンのところで述べた通りだ。
 つまり、アーロンはボトムハンド派、ボンズはトップハンド派としたが、便宜的なもので、両者のメカニズムはよく似ているのだ。その中核となるのは、腸腰筋と伸張反射の活用である。

 アーロンと同時代のボトムハンドで引く黒人打者はほぼ股関節屈曲で打っているようだ。セシル・フィルダー、ジョージ・フォスター、ボー・ジャクソンらで、引き主体で思いつくのはグリフィーJrぐらいなものだ(右股関節が伸展する)。
 要するにMLB打者のタイプ分けをするのなら、トップハンドだボトムハンドだ言う前に、白人か黒人かで分けるべきなのだろう。白人はSSC、黒人はSR、とか・・・。まあ、大っぴらにやるのは難しいのだろうな。

 



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