「メジャーの打法」~ブログ編

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投球のバイオメカニクス(3)

2011年01月28日 | 投法

 肩内転トルク(宮西のデータ)。

 動作解析法のデータで、肩内転、水平外転の両トルクが現れるものは見たことがない。ただ、宮西論文では肩内転が現れる(ただし、水平内転)。これについては、スイング論(283)で言及したのだが、評価は過大だったようだ。

 彼の被験者の投げ方は、このイラストのように、サイドアーム気味だ。日本人がサイド気味で投げると、このような投げ方になり、内転トルクが生じるのだろう。カリブ出身のMLBプレーヤーにも多いのではないか(サンタナ)。 古くはB・ギブソンがやはり内転・水平内転を思わせる投げ方だった。

 したがって、風井論文のオーバーハンドとは事情が違う。宮西が速い球を投げるための投法として推奨するアメリカ式とは区別しなければいけないし、また、肩内転が肩内旋にプラスに働くことを考えれば、肩肘の負担を考えるときに、決しておろそかにできないとは思う。しかし、アメリカ投法とのあいだに、異なる投法として分類すべき、根本的な差異があるとまでは言えないだろう。風井論文にある「腕を引き下げる」感じもない。
 




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