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時のしずく

COCCOのフォトダイアリー

今日の一花 クズ

2014年09月15日 20時49分38秒 | 植物

今日は雲空でそれほど暑くもないサイクリング日和だったので、玉川上水沿いを自転車で走りました。

上水沿いにはセンニンソウの白い花がたくさん咲いていました。野の花でありながら気品を感じる上品な花です。

自転車を止めて、写真を撮っていたら、その白い花に囲まれて、大振りの赤紫の房状の花を見つけました。綺麗なクズの花!クズは空き地などで草むらを作っていて、花が咲いていても普段は見落としてしまうのですが、今日は白い花に囲まれてクズの赤紫の花が特別に美しく見えました。

もともとクズの花は万葉の時代から人々に愛されてきた花です。秋の七草にも入っています。万葉集では山上憶良が秋の七草をこんな風に詠んでいます。


 『秋の野に 咲きたる花を 指折およびおり かき数ふれば 七種ななくさの花』

    意味:秋の野にとりどりに咲く花を、指を折りながら一つひとつ数えてみると、

        七種類の花がありました。 

『萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花』 

   読み方: はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなえし 

         また ふじばかま あさがおのはな

この二句目の歌で私は秋の七草を覚えました。


(センニンソウはすでに昨年、今日の一花 センニンソウ」で取り上げています。)

【データ】

クズ(葛、学名Pueraria lobata または Pueraria montana var. lobata)は、マメ科クズ属つる性多年草である。日本では、を用いて食材葛粉漢方薬が作られ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。

和名は、かつて大和国(現:奈良県吉野川(紀の川)上流の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。漢字は葛を当てる。

 

地面を這うつるは、他のものに巻きついて10メートル以上に伸び、全体に褐色の細かいが生えている。

根もとは木質化し、地下では肥大した長芋状の塊根となり、長さは1.5メートル、径は20センチに達する

三出複葉小葉は草質で幅広く大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。

は8-9月のに咲き、穂状花序が立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせる。花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。

花後に剛毛に被われた枝豆に似ている扁平な果実を結ぶ。


今日の一花 ナンバンギセル

2014年09月14日 16時31分08秒 | 植物

先日、野川公園で行なわれた「虫の声を聞く会」に参加したのですが、ちょっと会の予習をしようと思って、早目に秋の虫、カンタンやスズムシが好むスゲの草むらに行ってみました。

まだ、完全に日は暮れていませんでしたが、綺麗な声の虫たちがもうたくさん鳴いていました。でも、昆虫のことはあまり知りません。何が何やら。あとでゆっくり解説をしていただこうと思いながら、草むらの足元を見たら、・・・たくさんナンバンギセルの花が咲いていました!

ススキなどに寄生する寄生植物で、葉緑素(緑の色素)を持たないので、見方によってはちょっと不気味に見えるけど、紫色の花が美しいし、名前の由来にもなったキセルのような形も楽しいレアな花です。うれしいな。種子島の振興計画の現地調査で見て以来です。

虫の声を楽しむ前に、大好きな花を楽しませていただきました。

 

【データ】

ナンバンギセル(南蛮煙管、Aeginetia indica)はハマウツボ科ナンバンギセル属寄生植物

イネ科単子葉植物イネススキサトウキビなど)の寄生する。寄主の根から吸収した栄養分に依存して生育するため、寄主の生長は阻害され、死に至ることもある。葉緑素を持たない。

全長は15-50cm。葉は披卵形、長さ5-10mm、幅3-4mm。花期は7-8月、赤紫色のを1個つける花冠は筒型で、唇形になる。花冠裂片の縁は全縁。果は球状で、種子の大きさは0.04mm。


今日の一花 ムクゲ  

2014年08月18日 01時23分55秒 | 植物

 お盆休みに新大久保の街を散歩したり、駒場の日本民芸館で展覧会を見たりしましたが、そこで見たムクゲの花がとっても印象的でした。

ムクゲの花は韓国の国花。

コーリアンタウンである新大久保の街はもちろん、柳宗悦の進めた民芸運動も韓国と深いつながりがあります。


SNSでヘイトスピーチのデモが全国に拡散していることを知り、民族差別がどうどうと行われる社会にショックを受けています。

関東大震災後に罪もない韓国の人々を虐殺した日本に逆戻りしつつあるのでしょうか?


この美しいムクゲの花を見て憎しみを感じる人はいないでしょう。

早くこんなデモがなくなるようにと思います。


●新大久保のイケメンストリートで

 

●日本民芸館で

 

 

 

 

 

                                       

【データ】

ムクゲ(槿、木槿、無窮花)(Hibiscus syriacus; 英語 rose of Sharon)はアオイ科の花。 
韓国の国家を象徴する国花として知られるムクゲ。ムクゲは夏から秋にかけて美しい花をつける。
色も白や紫、赤、黄色など様々な種類がある。
韓国では、無窮花(ムグンファ)と書き、国歌にも歌われ愛され続けている。政府ではこのムクゲの花の中でも、中央に赤い花心がある一重咲きの品種を普及品種にしていしている。

 


夏の日 2014 (栂池の花々)

2014年07月21日 01時00分28秒 | 植物

北アルプスの栂池・白馬八方に、高山植物の花を撮りに行ってきました。

お天気が悪くって、昨年のように美しい山や空の写真は撮れませんでしたが、お目当ての高山植物の花々は雨に濡れて、しっとりした表情で、晴れた時とは違った美しさを見せてくれました。

昨年より約1週間ほど早かったのですが、たった1週間なのに咲いている花の様子がだいぶ違っていました。高山植物は地上の植物より咲き急ぐのを実感して、一層愛おしさが増しました。

雨の中、山道を歩くのは正直きつかったですが、1年ぶりの花たちに服の汚れなど構わず、すごい格好で写真を撮ってしまいました。 

 

 

今年の栂池自然園はベニバナイチゴやコイワカガミ、ベニバナイチヤクソウが真っ盛りで、昨年よりたくさんのピンク色系の花々が迎えてくれました。

タカネザクラもちょうど満開で、今年2回目の花見ができるなんて思ってませんでしたので、幸せな気分になりました。(昨年はたった1輪だけ残っていて、その1輪に感激したのです。)



そのかわり、昨年すごい迫力で咲いていたコバイケイソウは本当に寂しい限りでした。3~5年に1回、花のピークを迎えるそうなので、むしろ昨年がラッキーだったのですね。

それに、ニッコウキスゲもヒオウギアヤメもオタカラコウも少なかった。(これらの花はこれから咲きだしそうです。蕾をたくさん見ました。)神様が「贅沢を言っちゃ~いけないよ。」と言っているようでした。

それから雨だと、ワタスゲはまるで雨に濡れた猫のようで、こればっかりは晴れているほうがだんぜん綺麗です。チングルマの果穂もワタスゲほどではないけど、ふわふわ感がなくなって、やっぱりこれも晴れのほうが綺麗♡



ここに載せた以外にもたくさんの花の写真を撮りましたが、雨の中の撮影は難しくって、ブログに載せてもいいと思えるのはこんな枚数だけでした。

水滴をもっときれいに撮るとか、暗い中で花弁の色を綺麗に出すとか、そんなことがうまくなりたいです。


 

そう、忘れられない事件もありました。

2日目は、午前中、早いペースで自然園を廻って一旦山小屋に戻りました。

夕方、再入園したのですが、ほんの15分くらい歩いたとき、私の前を行っていた若い女性2人が道なりに曲がって藪で見えなくなったとたん「きゃっ」っと言って、急に戻ってきました。

『熊でした!!!』 

私は姿は見ていませんが、藪でごそごそいう音は聞こえました。 夕方は熊も餌を探してうろつくので、出会うことが多いらしいです。

熊も人間が怖いのだから、そういう時はそっとその場を立ち去ったほうが良いらしいのですが・・・。

それにしても、熊よけの鈴くらいはつけておくべきでした。反省です。 

「あ~、怖かった!」


 

◆栂池に向かうバスの車窓から 

◇北アルプス遠望


◇青木湖




◆栂池自然園で

◇ウラジロナナカマド


◇キヌガサソウ

 

◇リュウキンカ

 

◇タカネサクラ

 

◇ミズバショウ

 

 

 

 

 

◇ニッコウキスゲ

 

◇シラネアオイ

 

◇マイズルソウ

 

◇雪渓

 

 

◇風穴 

 

 

 

◇オオヒョウタンボク

 

◇チングルマ

 

◇ワタスゲ(濡れた猫たち)

 

『帰り道』 ◇コバイケイソウ 

 

 

◇栂池ヒュッテの夕暮れ

 

 

◇朝の雲

 

◇ベニバナイチヤクソウ

 

◇テングクワガタ

 

◇イワイチョウ

 

◇カラマツソウ

 

 

 

◇ハクサンチドリ

 

◇自然園の夕

 

 

◆白馬八方にて

 

 

 

 

 


 ◆塩の道

◇塩の道も少し歩きました。塩を運んだ昔に思いをはせて歩く?母です。老人会は嫌いだそうで、ハイキングクラブに入っています。

百体観音


今日の一花 ノカンゾウ

2014年07月07日 02時54分28秒 | 植物

今日は久しぶりに玉川上水沿いを自転車で走りました。

 

川沿いにアジサイがたくさん咲いていましたが、アジサイの花はもう盛りを過ぎて色が褪せ始めていました。

目立っていたのは、ノカンゾウやヤブカンゾウのユリ科の黄色い大振りな花たち(ノカンゾウが一重、ヤブカンゾウが八重の花)でした。

本当にたくさん咲いていて鮮やか!

思わず、自転車を止めて、写真を撮りました。

 

そういえば、山に住んでいた頃、春にこのノカンゾウの若芽を茹でて酢味噌あえにして食べてましたっけ。

柔らかい若芽はそんなに癖がなくっておいしかった。

中華料理に使う金針菜(キンシンサイ)も、このノカンゾウの蕾を乾燥したもの。漢方薬にもなるようですね。

 

なんだか、花より団子になってしまいました。

 

それにしても、ユリ科の黄色い花はたくさんあって区別しにくいですね。

今日もこの花を見た時、キスゲ?カンゾウ?・・・と迷いました。

ニッコウキスゲとムサシノキスゲの違いもちゃんと分かってません。後で調べましょう。

 

【データ】

和名 : ノカンゾウ(野萱草) 科名:ユリ科 属名:ワスレグサ属
学名 : Hemerocallis fulva var. longituba
分布 : 中国朝鮮半島日本サハリン
自生地 : 日本では本州以南の原野などに群生する。
生態 : 多年草だが、冬季には地上部の葉が枯れる。
草丈 : 約80cm
 : 狭長。細長く弓状に曲がって垂れる。
 : 7~8月に、茎頂にユリに似た橙赤色の花を開く。花弁は 6枚。1日だけ咲いて、夜にはしぼんでしまう。
 : ひも状、楕円状のふくらみがある。黄色、末端は塊状である。
別名 : ベニカンゾウ

八重咲のヤブカンゾウ、本州中部以北の亜高山の草原の湿地に自生するニッコウキスゲ、新潟県佐渡のトビシマカンゾウ。自生地は不明でノカンゾウなどより小型で早咲きのヒメカンゾウ、本州中部以西の海岸に自生するハマカンゾウ、観賞用などに栽培されるホンカンゾウ 等がある。

●用い方

金針菜(きんしんさい)には、ヒドロオキシグルタミン酸などを含有していて、金針菜(きんしんさい)1日量15グラム程度を、水約500ミリリットルで、半量まで煎じて、食間に3回に分けて服用する。 

秋に、日干しにして乾燥した根には、アスパラギン、リシンを含有。葉にはアルギニン、コリンを含有していて、不眠症、むくみなどに効き目があるという。 

また、若芽、若葉、花を食用にする。 
花は、6~8月ころ採取して、揚げ物、煮物、茹でて浸して酢の物などにして食べる。 
若葉は、3~4月ころの白い芽や柔らかい葉を採取して、さっと茹でて、水にさらしてから、あえもの、酢の物、おひたし、油いためなどで食べる。 

●その他

名前の由来は、漢名の萱草(かんそう)をそのまま音読みして、野山に咲く、カンソウから、ノカンゾウに転訛(てんか)したという。 
古くから、ノカンゾウやヤブカンゾウを、和須礼久佐(わすれぐさ)として和歌にも謡われている。