
《2/26読了 フォレスト出版 2008年刊 【社会】 いしい・ひろゆき(1963~)》
連日、二人の太った女がワイドショーを賑わせています。
彼女たちは言葉巧みに他人を操り、陥れた“達人”です。
「またか~」と思いつつ、ついついテレビを見てしまう魔性。
そこで、人が人を自在にコントロールする、その手口のうち「コールドリーディング」と呼ばれるものの指南書がこれ。
コールドリーディングとは「事前調査一切なしで初対面の人を占うこと」。
その代表的技術が「ストックスピール」、占い師や自称霊能者がよく使う「あなた、昔かわいそうな死に方をさせた動物がいますね」「あなた最近、人間関係で悩んでいますね」っていうやつ。
誰に尋ねても十中八九「YES」と答えざるを得ないこの種の質問によって相手を導き、信頼させて、最終的には支配する。
かつての上岡龍太郎のように「人生に満足して大往生を遂げたペットがいたら連れてこい!」とクールに突っ込めたらいいのですが、
本書でも言うように「占いに来る人は“自分自身”に一番興味がある」ので、
うっかり「あ、そういえば子供のとき、金魚鉢に熱湯を入れて…」なんてことを思い出してしまう。
こんなふうに人は、漠然としたことを言われると頭の中で具体例をあげようとする習性があるそうです。(具体化の原理)
「ご住所はどこですか?」と質問されるより「今のお住まいは……」と中途半端に投げかけられる方が、人はそれを補完しようとして返答してしまう、「今日は2月…」と言われるとつい「27日です」と答えちゃう。(補完の原理)
こうした人の心の動きを巧みに利用して「ストックスピール」なる技を駆使するんだそうです。
相手が思うように乗ってこない場合の対処の仕方も書いてあります。
筆者はこれらの技術を円滑なコミュニケーションのために使うんだと主張していますが、いまいち説得力がない。
そして、こんなノウハウだけでうまくいくわけない、人間はもっと複雑だ。
…そう思いたい。
だけど、人生が20回くらいあったら、1度は詐欺師になってみたいなあ。
「詐欺師とは“騙しのプロ”ではなく“信頼させるプロ”なのだ!」(12p)
みんな誰かを、何かを、信じたがっているんですね。
/「コールドリーディング ニセ占い師に学ぶ! 信頼させる「話し方」の技術」石井裕之
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連日、二人の太った女がワイドショーを賑わせています。
彼女たちは言葉巧みに他人を操り、陥れた“達人”です。
「またか~」と思いつつ、ついついテレビを見てしまう魔性。
そこで、人が人を自在にコントロールする、その手口のうち「コールドリーディング」と呼ばれるものの指南書がこれ。
コールドリーディングとは「事前調査一切なしで初対面の人を占うこと」。
その代表的技術が「ストックスピール」、占い師や自称霊能者がよく使う「あなた、昔かわいそうな死に方をさせた動物がいますね」「あなた最近、人間関係で悩んでいますね」っていうやつ。
誰に尋ねても十中八九「YES」と答えざるを得ないこの種の質問によって相手を導き、信頼させて、最終的には支配する。
かつての上岡龍太郎のように「人生に満足して大往生を遂げたペットがいたら連れてこい!」とクールに突っ込めたらいいのですが、
本書でも言うように「占いに来る人は“自分自身”に一番興味がある」ので、
うっかり「あ、そういえば子供のとき、金魚鉢に熱湯を入れて…」なんてことを思い出してしまう。
こんなふうに人は、漠然としたことを言われると頭の中で具体例をあげようとする習性があるそうです。(具体化の原理)
「ご住所はどこですか?」と質問されるより「今のお住まいは……」と中途半端に投げかけられる方が、人はそれを補完しようとして返答してしまう、「今日は2月…」と言われるとつい「27日です」と答えちゃう。(補完の原理)
こうした人の心の動きを巧みに利用して「ストックスピール」なる技を駆使するんだそうです。
相手が思うように乗ってこない場合の対処の仕方も書いてあります。
筆者はこれらの技術を円滑なコミュニケーションのために使うんだと主張していますが、いまいち説得力がない。
そして、こんなノウハウだけでうまくいくわけない、人間はもっと複雑だ。
…そう思いたい。
だけど、人生が20回くらいあったら、1度は詐欺師になってみたいなあ。
「詐欺師とは“騙しのプロ”ではなく“信頼させるプロ”なのだ!」(12p)
みんな誰かを、何かを、信じたがっているんですね。
/「コールドリーディング ニセ占い師に学ぶ! 信頼させる「話し方」の技術」石井裕之
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