快読日記

日々の読書記録

「マイ仏教」みうらじゅん

2011年06月06日 | 総記・書評・人生訓・哲学・宗教など
《6/5読了 新潮新書 2011年刊 【仏教 MJ】 みうらじゅん(1958~)》

怪獣好きの延長で仏像ファンになった幼児期、仏像スクラップブック(全七巻)を作った小学生時代、マイ寺院を持つために中高一貫の仏教系学校に入った少年期の話なども充分おもしろいんだけど、
さらに、彼の人生がいかに仏教から影響を受けたかという中盤以降になると、もう何というか「すごい!」としか言いようがない。
まさにMJ恐るべし。
愛されて育った王子さまが釈迦の教えに共鳴していくようすを読むうち、MJと釈迦がだぶってくる始末です。

特に話が「自分なくし」に及ぶと、ありがたいお坊さんの話を聞いてるみたい。
ありがたいお坊さんの話を聞いたことはありませんが。

「これまで自分探しを始めた人で、見事本当の自分を見つけたという人がいるのでしょうか。
仏教では「無我」つまり「本当の自分なんてものはない、ということを二千五百年前から説かれているのです。
私は、「自分探し」よりもむしろ、「自分なくし」の方が大事なのではないかと思っています。お釈迦さんの教えにならい、「自分探しの旅」ではなくて、「自分なくしの旅」を目指すべきなのです。」(92p)

どこかの元サッカー選手に聞かせたい(大きなお世話か)。
それはともかく、「自分探し」を小乗仏教、「自分なくし」を大乗仏教になぞらえるところなんかも、パッと目の前が明るくなるかんじです。

とりあえず「比較三原則(他人と過去と親、この三つと自分を比べない)」と、MJの念仏「そこがいいんじゃない!」を日々の生活に取り入れたいです。
ひろさちやも言うように、仏教とは「どう生きるか」の智慧であるのだから。

/「マイ仏教」みうらじゅん
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