快読日記

日々の読書記録

「怒るヒント」ひろさちや

2011年05月30日 | 総記・書評・人生訓・哲学・宗教など
《5/28読了 青春新書(青春出版社) 2011年刊 【宗教 エッセイ】 ひろ・さちや(1936~)》

近頃売れてる(らしい)「怒らない」系の本に対抗した「怒り方」指南。
もし“嫌われたくない”“損したくない”という理由で怒らないんだとしたら、あなたは卑屈だ!と、のっけからスカッとする指摘です。
しかし、怒るのって難しいよね。
タイミングだってあるし。
昔、ダウンタウンが、怒り方をチャッカマンタイプ(浜田)とホットプレートタイプ(松本)に分類してたことがあったけど、
その場でカッとなれる人はむしろ少数派ではないかと思うんです。
たいていはその場で何も言えず、あるいは気づかず、夜寝るころになってムカムカしてきたりする。
ひろさちやがここで提案するのは「パッと怒ってサッと忘れる」とか「怒りをためこまず、その都度こまめに怒る」とか、
それができれば苦労しないわ、って言いたくなるようなことなんだけど、
そう説く本人が「ひろさちやはうどん屋の釜だ。ゆう(言う)だけ」とか言ってくれるので、なんだか気が楽になってきます。
でも、嫌いな相手の長所を無理に探したり、人を憎む自分を責めたり、怒りを押し殺して相手に貸しを作った気になったり、
そういうバカバカしいことはやめようじゃないか、なあみんな!ってかんじかな。
そして、「善人」にはならないこと。
自分が善人(正)であるという前提を捨てること。
自分の無関係なことにまで腹を立てないこと。
結局「どう怒るかは、どう生きるかだ」ということらしいです。

今の日本で「怒らない」人が増えたら得をするのは為政者・権力者です。
そう考えてもやっぱり怒るべきときにはきっちり怒ることが必要なんですね。

/「怒るヒント」ひろさちや
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