快読日記

日々の読書記録

読了『他人の支配から逃げられない人』片田珠美

2016年04月17日 | 総記・書評・人生訓・哲学・宗教など
4月16日(土)

『他人の支配から逃げられない人』(片田珠美/ベスト新書)を読了。

人間の行動基準には「快感原則」と「現実原則」というのがあるそうだ。
この本で知った。
例えば激しいDVを受けて、“離婚する”“反撃する”などというのが「快感原則」、“そんなことをして状況を悪化させたら子供もかわいそうだし、離婚したら経済的に困るのは明白だからここは我慢しよう”とか考えるのが「現実原則」。
なるほど~。学者って分類がうまい。皮肉ではなく。


北海道の女子高生が祖母と母親を殺害した事件をはじめ、実際に扱った患者の例も多く、説得力はあるが、最後の「処方箋」で披露される対応策はいまひとつ。

じゃあ、おまえはどう対処すればいいと思ってるんだ?と問われたら、ごめんなさいと謝るしかないが、なんか違う気がする。

でも、批評しっぱなしにしたくないという姿勢に好感を持つ。


あと、例えば周囲にパワハラやいじめを受けている人がいたとして、その人から相談を受けるとき、何に注意したらいいか、という話題で、
まずその人の言い分に客観性があるかどうか調べろ、被害者ぶりたいだけの人もいるし、励ましをいじめと解釈する人もいる、うっかりそんな人を擁護したら自分の立場が危ない、という指摘が現実的でいいと思った。