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数学ほぼ0点なのに合格だったシステム会社がコワくて就職しなかった理系志向の文系です。「心を時空間で解説する」本とか原稿中

資本主義とグローバリズムの大前提は<アメリカ>を知ること…1

2016-08-16 12:12:40 | 読むもの

 アメリカの大学で教えているアメリカ外交史の学者(日本人)が「アメリカはワカラナイ」といいます。以前、防衛大臣就任直前の人がTV出演で「アメリカはキチガイ」といっていました。しかし、2人とも「アメリカについていかなければならない」と強調します。「ワカラナイ」のに「キチガイ」についていけとは無責任な発言だと思いますが…。問題はそれよりこれらの日本の専門家のレベル。日本ではありがちな…だからこそ自分たちで考えていかないといけないワケです。

 アメリカはオカシイがいちばん自由で可能性があると指摘しているのが、資本主義を探究し続けたマルクス。シカゴ・トリュビューンの記者でもあったマルクスの、なかなかスルドイ指摘です。

 

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 資本主義とグローバリズムの中心であるアメリカを知ることはすべてにおいて大前提のハズですが、その手掛かりが少ないのも確か。
 究極の自由の国でありながら、大統領が聖書に手を置いて宣誓する宗教の国でもあるアメリカ。ITやテクノロジーの国でありながら進化論を学校で教えることが禁止されたり、州ごとに死刑があったりなかったり政府を倒すための銃の所持が憲法で保障されていたり…。これらの大きな矛盾にこそ、アメリカの特徴が現れています。相反するモノゴトが並立し、排他的であるはずのものが共存する…アメリカの魅力と矛盾がそこにあります。


 イギリスが新大陸のある植民地のエリアをちゃんと規定して整え、国王が承認したものがアメリカの州です。州は大英帝国連邦を構成するパートの一つであり、国に相当します。その州が集まったのがアメリカなので、アメリカそのものは連邦を意味していて外交と防衛しか担当しません。実際の現実のアメリカはリアルな生活とタウンの空間、州の権力によって構成されています。

 各州はそれぞれ歴史も法律も違う別々の国ですが、独立戦争の時に固く結束してイギリスと戦い、そして独立しました。そのため、この結束を乱すことは絶対的に認められていません。たとえば州は連邦から離脱できないのです。連邦からの離脱が憲法で保障されていたソビエト社会主義連邦共和国との大きな違いがここ。経済的な不平等や格差から世界の半分を支配したソ連は91年に崩壊してしまいました。ユーゴスラビア連邦も同じです。連邦解体の過程の内戦で30万人もの犠牲者がでました。
 アメリカも問題がなかったワケではなく、50万人もの死者を出した南北戦争でより結束が強まったというべきかもしれません。

 


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