ウクライナ紛争のために緊急出版されたエマニュエル・トッドの「第三次世界大戦はもう始まっている」
先入観に囚われないで思索するトッドならではの分析がユニークで新鮮です。
ソファに寝転がっていて…
「外婚制共同体家族の分布図」と「共産国の地図」が、突然重なって見えた
…のがエマニュエル・トッドの発見でした。
この後トッドはパリの人類博物館に閉じ . . . 本文を読む
本書はウクライナ紛争のために緊急出版されたもの。エマニュエル・トッドは自国であるフランスでの取材を全て断って、自分の見解を初めて本書で公にしました。
〝冷酷な歴史家〟として話しますとスタートする本書はそれだけ確信に満ちたもののようです。
17年にNHKでスタートした「欲望の資本主義」は大反響を呼びました。番組の中では新進気鋭の経済学者をトッドが叱りつける場面もあり、ネットで話題にもなりまし . . . 本文を読む
リーマンショックとソ連崩壊は同じ理由で起きた…理論経済学者の松尾匡氏はこのことを経済学的に仔細に証明してみせます。新自由主義の大失敗とされる世界レベルの経済的な大事件と、地球の半分を支配した不自由な独裁国家の破たんが同じ原理であることが説明されています。この論考はシノドスに連載時から注目されました。
それは…
一言で言えば、「リスク・決定・責任の一致が必要だ」ということであり、
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ケインズといえばニュートンやアインシュタインのように有名。また日本ではケインズ理論に沿って政府が政策を行ったといわれるバブル期が世界レベルの経済現象でもあり、良くも悪くも歴史に残る事象としてケインズの名とともに語り継がれていくかもしれません。資本主義と経済が抽象度を上げるにしたがってケインズはマルクスの墓地のあるハイゲートを散歩しながら考え抜いたとも…。そのケインズがさりげなく、しか . . . 本文を読む
このわかりにくくなった世界とその混沌をトッドはシンプルにまとめて説明しています。 いちばんラジカルで大きな問題を、トッドは「信仰システムの崩壊」だといいます。 歴史的にキリスト教圏のひとつの中心といってもいいフランスの人間としては、大変思い切った重要な指摘になります。フランス現代思想に代表されるイデオローグや文化人の発言であれば、多くがマルクスの洗礼を受けており、こういった発言があるかもしれませ . . . 本文を読む
ソ連の崩壊を予期して注目されたエマニュエル・トッド。彼はいま、ISやEUの崩壊などグローバルな危機とトランプの登場、日本の可能性などへの発言で再び注目されています。 ソ連の崩壊を予想した時と同じで、トッドは現在の世界の危機にも出生率の低下などを見出し、基本的な判断の基礎にしています。人類学者あるいは歴史学や社会学的なアプローチからさまざまな事象をサンプリングしエビデンスとしていくトッドの指摘は、 . . . 本文を読む
個人以外には個人を規定する中間共同体はアメリカにはありません。家族以外はすべてアソーシエイションであり、それらは特定の目的のための中間集団にすぎず、日本の中間共同体のような個人を束縛する共同体はアメリカにはないのです。 イタリア系やドイツ系、ユダヤ系…そういった出身国や民族ごとのコミュニティがありますが、個人の属性を規定するものは宗教を除けばほかには原則としてなし。個人が所属する集 . . . 本文を読む
アメリカの大学で教えているアメリカ外交史の学者(日本人)が「アメリカはワカラナイ」といいます。以前、防衛大臣就任直前の人がTV出演で「アメリカはキチガイ」といっていました。しかし、2人とも「アメリカについていかなければならない」と強調します。「ワカラナイ」のに「キチガイ」についていけとは無責任な発言だと思いますが…。問題はそれよりこれらの日本の専門家のレベル。日本ではありがちな&h . . . 本文を読む
価格はどうやって決定されているのか…この基本的な疑問が解けないと資本主義経済そのものが理解不能になります。もちろん理解できないのであればコントロールなどできるはずがありません。それが世界の現状である可能性は高いのではないでしょうか。需要と供給から価格が形成されるのはセオリーでした。価格形成の場である市場では、経済合理性と完全情報が前提になり、需要と供給から価格は形成されます。逆にいえ . . . 本文を読む
先進国とはなにか? バブルとはなにか? という日常的な問いに対する解答はあるのでしょうか?Wikipediaをみると先進国について“OECD加盟国で一人当たりGDPが1万米ドル以上の国”といったアバウトな定義がされています。OECD加盟国は欧米がメインであり、英語とフランス語を公用語とするところなどからも普遍的ではありません。何より経済学的な、構造の差異を示すような数理的な . . . 本文を読む
経済学の限界に<合成の誤謬>という問題があります。
経済物理学はこの合成の誤謬やインフレ・デフレといった経済現象の普遍的な問題の理論的な解となる数少ない方法だと考えられます。いわゆるニューアカとかポストモダンといわれる言説の中では<ダブルバインド>などとしてフォーカスされたものと同じ問題です。哲学や論理学では“クレタ島人の嘘つき”などとしてギリシャ哲学の昔から最もラジカル . . . 本文を読む
すでに400兆円を超えるという指摘もある社内留保。
共産党や鳩山首相などが指摘していた頃は、まるで間違いであるかのように言われていた社内留保への批判。
しかし、ROE(株主資本利益率)とROA(総資本利益率)など資産の運用効率を判断することがメインになりつつある現在、
この莫大なムダである社内留保が、当然ですが、ターゲットになってきています。
資本の利用効率では、日本の企業は欧米の企業より . . . 本文を読む
利子率が2%以下になると、その領域から別の領域にシフトする…それは産業の次元であったり、空間的な領土であったりする…。たとえば一次産業の利子率(利益率)が2%以下になれば二次産業へ、植民地Aからの利益率が2%を下回れば別の植民地へ…。資本主義の発達と展開を利子率の低下にともなう移動だと説明する水野和夫氏。博学強覧の社会学者大澤真幸氏はマックス・ウェーバーの . . . 本文を読む
「アゴラ 言論プラットフォーム」の 「経済 女子大生でも分かる、内部留保と現金の違い。中嶋 よしふみ」に投稿したコメントが表示されないので、こちらに転載しておきます。何らかのエラーかもしれません。 - - - 平成25年度「年次経済財政報告(経済財政白書)」が指摘するように…日本企業のROAは米国の4分の1、ドイツの半分程度しかなく、しかも中 . . . 本文を読む