日本のデフレが98年前後のリストラからはじまったことを論証した『日本経済の奇妙な常識』。その著者吉本佳生氏がアベノミクスを考えたのが本書。デフレより賃金デフレのほうが危険だと指摘しながら、同時にアベノミクスが施行されてしまった以上は不動産バブルに期待するしかない…というシリアス?な内容です。精緻な分析とリスクを負いながらも活路を追究しようとするスタンスには説得力があり、リアル。90年 . . . 本文を読む
著者は元ゴールドマン・サックス投信社長。リアルに世界経済を俯瞰しながら、例外であるかのような日本の国債が実はギリシャなどと同様に危険であることを指摘。ほとんどの経済学者が言及しないBIS(国際決済銀行)こそが世界経済をラジカルに規定していることが示されます。たとえば銀行の自己資本率を定めたBIS規制で、日本のマネーサプライは規定されているわけです。別の言い方をすれば各国のデフレやインフレの前提条件 . . . 本文を読む
「アメリカの経済学者たちは、20年以上前から、アメリカでも通貨危機が起きる危険性があると警告し続けています…」…ですが、アメリカにそういった危機は起こっていません。大きなアメリカが倒れればそれこそ世界が吹っ飛ぶので、全世界はアメリカを支え続けるのでしょう。その証拠にリーマン・ショック後もアメリカに莫大な資金が集まり続けています。その代表が日本によるアメリカ国債の購入。 . . . 本文を読む
「日銀の金融緩和がデフレ不況を生み出した【書評】」というエントリーが橘玲氏の公式サイト「Stairway to Heaven」に登場。
本blogでも2度ほど紹介した吉本佳生氏の『日本経済の奇妙な常識』がデフレの理由解明という視点から紹介されています。
輸入物価が27%ほども上昇したのに国内物価が17%以上も下がった理由。つまりデフレの理由がマクロの観点から解説されています。そこで、本blog . . . 本文を読む
マネー現象が実物経済に還元できなくなったのが金融恐慌。その意味ではそれをマネー政策だけで解消しようとするインタゲ政策は正しく、そして正しいからこそ必ず破綻する…というアイロニカルな指摘がステキ?な本書。本書の結論は衝撃的ですが、資本主義が恐慌によって発展してきた事実からすれば当然の論理的な帰結になります。資本主義は恐慌によって進化する…そのために正しい政策は必ず破綻する . . . 本文を読む
『ワケありな日本経済 消費税が活力を奪う本当の理由』(武田知弘・ビジネス社)…本書は官僚の現場から見た視点が新鮮です。大蔵省出身の著者ならではの確実なデータで現状を把握。メインは厳密な国税庁のデータで誰でも見られるもの。そこで気がついたのは…規制緩和の反対勢力は民間業界団体! すべてが解決する方法…300兆円の社内留保金を使え! いちばん乗数効果が高いのは . . . 本文を読む
「空気」が支配する(と思われている)空間=日本…の本当の姿を可視化してくれる本。そのキーになるのが世界80ヶ国以上で定期的に行われている世界価値観調査で、その2005年の調査結果から本書ははじまります。“すすんで国のために戦うか?”“自国に誇りを感じるか?”“権威や権力を尊重するのはいいことか?”3つとも最低なの . . . 本文を読む
『本当はどうなの? 日本経済』。サブタイトルは「俗説を覆す64の視点」。著者は経済誌やTVなどで鋭い分析の、ファンも多い熊野英生さん。経済の現場を調査し統計をとり考えてきたエコノミストの説得力のあるリアルな視点が、現実の(理論上のではない)日本経済を解説してくれます。さまざまなデータと数値を読みこんだ64の具体的な解答はどれもが新鮮で説得力があります。マネーサプライとは関係ない日本のデフレの本当の . . . 本文を読む
イデオロギーや著名な指導者なしの<その他大勢>的な革命?が、ITスキルを駆使した動員だったりします。本書『動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか』はそのためのマニュアル本。09年のモルドバ、イランの民主化要求、10年のタイの暴動、11年のチュニジアやエジプト、そして現在のオキュパイ・ウォールストリートのデモまで、その実態を語りながら、ポイントをレクチャー。絶対条件はIT。革命?をアシス . . . 本文を読む
第一章の「円高はなぜ起きるのか」では込み入った細密な論理が披露されてます。これで感心してしまう人は多いはず。「為替決定理論」や「予想為替差益率」から円高になるケースが説明され、緻密な論理構成の、まるで連立方程式を解くような解説が続きます。事実これは方程式で、投資家とくにヘッジファンドに明るい人には見慣れたもの。リアルな世界に生きる投資家などは、これらの見慣れた理論や認識が現実にはあまり通用しないこ . . . 本文を読む
グリーンスパンが「謎(コナンドラム)」と議会で証言した現象…11年夏、デフォルトの危機が迫ったアメリカ国債が格下げ…しかし金利は上昇しない…ふつうはリスクプレミアムとして上昇するはずの金利。このアメリカの謎の原因は…?
世界中で資源が高騰した98年以降、逆に日本の国内物価が下がった理由は? 資源高騰がデフレを生んだ日本の国内要因は何か…?
98年から約10年、資源価格は約250%上昇し、ほぼ3 . . . 本文を読む
とても視点が真剣です。なぜなら著者自身が数千万円の債務を抱えているから…(まあなんとゆーか)。
経済主体は合理的に行動する…みたいな経済学の本ではなく、経済の当事者(?)そのものが書いた本。
現実を直視した深い考察がされています。その結論にもとづくマクロ経済分析と処方の政策提案から
08年時点でギリシャをはじめとした南欧のデフォルト危機を予想するなど鋭い先見もあります。
前書『若者を喰い物にし続け . . . 本文を読む
経済や社会についてもっと知りたいので経済関係の本を買ったら…
今年とか、ここ数年で日本はダメになる…という本が何冊かありました…!?
…というか、そういう本しかない…とも感じてしまうような今日この頃。
問題なのはメディアでも現実や実態を直視していないような見解がけっこう多くて…
こういう本でも探し当てない限り、事実を知らないままニュースやネットのコメントを
そのままウケてしまうことかもしれません… . . . 本文を読む
東浩紀さんの『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』を実現した!?システムがありました…? 「コンテクチュアズ友の会の有志メンバー16人で、2日間で制作しました」という「いるか Willca α版」です。 サンプリングはtwitterからの情報限定ですが、けっこう面白いかも。 自分のtwitterアカウントで入り、キーワードを入れると「一般意志予報グラフ」や関係する . . . 本文を読む
サブカル方面で有名な東浩紀氏。合同会社コンテクチュアズを設立してアクティブに活躍中。 本当はハードな思想家!でもあるので『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』は本業のお仕事? ノリにノッたような文は、ようやく書きたいことが書けるぜ!的に元気で切れ味いっぱい。キーワードはルソーの「一般意志」からバージョンアップさせた<一般意志2.0>。 社会の全体意志から特殊意志を取り除いて残るも . . . 本文を読む