『ワケありな日本経済 消費税が活力を奪う本当の理由』(武田知弘・ビジネス社)…本書は官僚の現場から見た視点が新鮮です。大蔵省出身の著者ならではの確実なデータで現状を把握。メインは厳密な国税庁のデータで誰でも見られるもの。そこで気がついたのは…規制緩和の反対勢力は民間業界団体! すべてが解決する方法…300兆円の社内留保金を使え! いちばん乗数効果が高いのは貧困者だ!…著者ならでは、鋭く、でも本当は簡単なスキームが紹介されていきます。
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ワケありな日本経済ー消費税が活力を奪う本当の理由ー 著:武田 知弘 参考価格:\1,470 価格:\1,470 |
P96)
内部留保金は、バブル崩壊以降も着実に増え続けているのだ。2002年には190兆円だったものが、2008年には280兆円にまで膨れ上がっている。たった6年で1.5倍になっているのだ。この期間、サラリーマンの平均収入は下がり続けてきた。
P110)
現在の金融システムでは、発券銀行から市中に通貨が流れるルートは、「企業の借り入れ」か「輸出の決済」しかないのである。
P112)
日本は、ピーク時よりも120兆円近く企業の借入金残高が減っているので、社会に流れているお金が120兆円減っているということなのだ。
P124,125)
日本には、2000兆円以上の埋蔵金がある。2000兆円というと、国税収入の50年分以上という巨額なものである。埋蔵金の内訳はというと、個人の金融資産が1400兆円、企業の内部留保金が300兆円、官庁の積立金が200兆円、外貨準備高が100兆円、合わせて2000兆円である。
P125)
この2000兆円の埋蔵金の1%、たった20兆円でも毎年消費に回されたとすれば、日本経済に絶大な好影響をもたらす。
P225)
貧困者に金を回すことは、最高の景気対策でもある。…彼らは貯金する余裕はないので、そのほとんどが消費に回る。…ケインズがいうところの乗数効果が高いのだ。