アンティーク青葉2021

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缶詰横丁

2023-01-22 00:16:49 | 日記
下町というのが、金のかかるノスタルジアになってしまった、というか、スマホになってしまった現在。
少なくとも金のかからない下町を、というか、
はればれした気持ちになる下町の光景はないのか。
小説の中にはある。
しかも、アメリカの小説。
スタインベックのキャナリィーロウ、訳して缶詰横丁。
生物学者としてなんでか尊敬されている博士のところでパーティーがある。
中国系の雑貨商や、売春宿のおかみとか売春婦とか、なんか、エピソードが楽しい。
缶詰横丁だから、おそらく缶詰パーティなのであろう。
すごく薄い本だが、アメリカの小説では、いちばん楽しい。
古本で高いが、価値はある。
昔は安かった。
缶詰工場がいっぱいある海辺の町らしい。
人生、貧しく楽しく、貧しくとも苦にしない。
というか、そんな気負いもない。
昔は、どんなとこにも下町があった。
私も海に開かれたところに住む人がまぶしかった。
キャナリィ・ロウを読んだ頃は、なんか倉庫の一室に住むことを夢見ていた。