新・秘密基地

好きな玩具やらゲームなんかを綴っていきます。

横山光輝さんの作品を語る その8

2014-06-29 22:36:55 | 漫画・アニメ
6月も明日で終わりですね。
いよいよ夏本番てところですか。

今回はそんな夏の暑さのように熱く生きた英雄チンギス・ハーンを紹介しようと思います。


※表紙の絵は本編の絵とは違います

世界三大征服王…アレキサンダー大王、チンギス・ハーン、皇帝ナポレオン
中でもチンギス・ハーンの築いた版図は他の2人とは比較にならないほど広大なものだった
この作品はアジアからヨーロッパまで進撃した世界最強の軍団モンゴル軍を率いた男の生涯を綴る物語である!

モンゴル族の族長エスゲイはメルキト族の馬車を襲撃し、一人の女を捕らえて妻とした。
モンゴルでは略奪によって財産を奪うのが常識であり、高原の強者たる証でもあったからである。

【テムジン誕生】
エスゲイの留守中にホエルンは男の子を授かるが、その子は片手に血の塊を握っていた。
これは後に多くの血を流す宿命を背負った子であるということであるとホエルンは嘆き悲しむ。
男の子はエスゲイが捕らえたタタール族の捕虜の名を与えられ、テムジン(鉄人の意)と名付けられる。

テムジン:後のチンギス・ハーン。利発で勇敢、統率力に優れ、裏切りを嫌う。それまでのモンゴル族の中ではどこか少し違うところがある。

エスゲイはタタール族に毒を盛られて死亡、テムジン一家はモンゴル族から見捨てられてしまう。
そしてある時、モンゴルの民にとっては命とも言うべき馬が盗まれる事件が起こる。
馬泥棒を1人追うテムジンはそこで生涯の友となるボオルチュと出会う。

ボオルチュ:たまたま通りかかったテムジンに助力し、馬を奪回する。後のチンギス・ハーンが誇る優秀な側近、四駿の1人である。


テムジンはタイチュウト族に対抗するため、強大な勢力を持つケレイト族のトオリル・ハーンと同盟を結ぶ
しかし、その直後メルキト族に妻のボルテを奪われてしまう。

ボルテ:良妻賢母。裕福な家に生まれ、妻としては献身的で子どもたちも立派に育てた。


テムジンはボルテを奪い返すためにトオリル・ハーンの協力を得て、メルキト族を攻めて見事にボルテを奪還する。
しかし、奪い返したボルテは懐妊、それが自分の子なのか奪われた間にメルキト族の男によってつけられた子種なのかでテムジンは大いに悩むことになるのであった。


トオリル・ハーン:ケレイト族の族長。モンゴル高原の覇者になることを夢見ている。テムジンにとっては良き同盟相手でもあり、恐るべきライバルでもある。


ジャムカ:ジャダラン族の有力者で野心家。初めはテムジン、トオリル・ハーンに協力していたが、やがて野望を露わにしテムジンと争う。敗れてはテムジンにトオリル・ハーンたちをけしかけ争わせる。裏切りが日常茶飯事な男であったが、最後は部下に裏切られテムジンの元へと引き出される…


テムジンはその後、ジャムカやトオリル・ハーン、ナイマン族を打ち倒し、ついにモンゴルを統一することに成功する。


そして、名をチンギス・ハーンへと改める。

誰にも成し得なかったモンゴルの統一。そこでチンギス・ハーンはかつて金国(当時、中国大部分を治めていた王朝)に良いように使われ、処刑されたモンゴル族の歴代族長たちへの仕打ちを思い出す。
そして、金国打倒の為に立ち上がる。
その手始めに足がかりを作るべく、西夏国を攻めるが、城攻めの経験がないモンゴル軍は手を焼き攻めあぐねるも西夏王から娘を嫁がせるということで同盟を結び、矛先を金へ専念できるようになった。


モンゴル軍は激しい戦闘の末、ついに万里の長城の一角を崩して金国内へと侵攻する。
その勢いは凄まじく金国はモンゴル軍の前になす術なく、次々と都市を奪われ、首都である中都も陥落。

モンゴル軍はさらに西へと向かい、チンギス・ハーンはホラズムと交易を結ぼうと隊商を派遣。
しかし、そこで欲に目の眩んだオトラール総督によって財宝は奪われ、隊商たちは間諜(スパイ)の罪を着せられて処刑されてしまう。

報告を聞いたチンギス・ハーンは激怒。このオトラール総督の振る舞いがホラズム王朝滅亡の引き金となるのであった…

ホラズムを滅ぼしたチンギス・ハーンはさらに侵攻を進める。
ジュベやスブタイ、長男のジュチに命じて北へ西へと突き進ませる。


ジュベ:元々はタイチュウト族の兵士で、ジルゴアダイという名であった。テムジンを狙撃して深傷を負わせる。その後矢が尽きたことから降伏し、テムジンに狙撃者について問われた際に、それが自分であると正直に答えたことからテムジンに気に入られ、仕えることになり、名をジュベ(矢)と改められる。その名のごとく矢のように突き進み、モンゴル軍の主力武将となる。チンギス・ハーンが誇る四狗の1人である。最終的にはロシア方面にまで侵攻した。


ジュチ:チンギス・ハーンの長男であるが、メルキト族の血を引いているという疑惑を向けられているので、ジュチ(客人)名付けられた。あくまでもテムジンの子だと主張する母ボルテはジュチにその証を見せるために戦場では常に一番危険なところで戦うようにと教育した。ジュチはその教えを守り、常に危険地帯で戦う。
しかし、ジュチは結局後継者にはなれず、チンギス・ハーンの跡は三男のオゴタイに決まるのであった。


全5巻のハードカバーという仕様の作品でしたが、うち4巻までがモンゴルでの争いになっていまして、国外侵攻は最終巻のみとなっています。
さて、この異常に強いモンゴル軍ですが、その強さの秘密が本書では端々に描写されておりますね。
馬を友とし、自在に操ることから生まれるその馬術と機動力、そして狩猟によって鍛えられる騎射の技術と扱いやすい短弓。そして何より一番の理由は蒼き狼の末裔というモンゴル族の誇りでしょうね。
戦場に死ぬことを本望とするその死を恐れない姿勢が一番脅威でしょうね~。

ジュチは本当に気の毒の一言ですが、本書では登場しない彼の息子バトゥが大活躍するのでまあ、よしとしましょう。

ワールシュタットの戦い(モンゴル軍対ポーランド、ローマ、ドイツ、ヨハネ、テンプル連合軍)
バトゥはこの戦いで連合軍を打ち破っている…
うーん、凄まじいですね!


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アスラ・Zos)
2014-06-30 00:47:46
この作者の漫画ジャンルの幅は広いですよね!驚きです!
返信する
Unknown (直家)
2014-06-30 23:32:48
>アスラさん
最初はSFだったみたいですけど、どんどん時代物をやるようになったみたいですね。
返信する
Unknown (美紅)
2014-07-03 16:33:14
ドロ沼展開w
歴史系の話は女性差別が酷いので心がチクチクしますね

ジュチ...お前...
返信する
Unknown (直家)
2014-07-03 22:49:49
>美紅さん
政略結婚の道具としてしか見られないような時代でしたからね…
それ故に純愛がより輝くということもありますね歴史物は。

ジュチは死に際も結構可愛そうです。
最期の言葉にチンギス・ハーンも後悔したような感じでした。
返信する

コメントを投稿