十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

三方良しとは・・・

2023-01-25 05:00:00 | 投稿

 

地元新聞によれば、帯広市内にある地元唯一のデパートが、今月1月末で閉店するそうである。売上減少が続き新型コロナが追い打ちをかける中、自社単独での事業継続は困難と判断したらしいが、消費者目線がなかったからであろう。

何でもそうであるが、商売は「買い手」に目が向いていないとダメになる。もちろん、消費者にはお金持ちや貧乏な人など様々であり、販売戦略は誰にターゲットを絞るかであろう。同じ商品であれば価格が安い方が良いのは当然であるが、駐車場が狭かったり、行くまでに時間が掛かったりいろいろあり、それを踏まえて消費者は選ぶのである。

近江商人は、“三方良し、すなわち、「売り手」「買い手」「世間」を大切にしていた。すなわち、社会から信頼を得るために、売り手と買い手がともに満足し、社会貢献するのが良い商売であると考えていた。

日本は資本主義であるから、各企業の経営者・従業員は利益を求めて試行錯誤している。やみくもに頑張っても仕方ないので、SWOT分析が企業にとって有効であろう。

SWOT分析とは、経営戦略等を検討するための分析手法で、自社の内部環境と外部環境におけるプラス面(強み、機会)とマイナス面(弱み、脅威)の両面から分析し検討するものである。

SWOT分析の活用としては、計画の策定が考えられる。将来にわたる問題を捉えて、それに基づく戦略を立てて具体策を作るのである。これを考えるにあたっては、次の項目を押さえておく必要があろう。

・消費者嗜好

国内外の社会と経済動向 (円安、景気、戦争など)

・市場や業界動向(需要と供給)、法律や規制

・環境変化 (例えば、東京圏一極集中・過疎化など)

・環境変化に対する他国の動きなど (COP21

以上で分かるとおり、全ての項目がお互いに関連しており、各企業はこれを踏まえて具体策を考える必要があろう。

「十勝の活性化を考える会」会員


永遠のニシパ

2023-01-24 05:00:00 | 投稿

 

先日、北海道命名150年の記念ドラマ“永遠のニシパ(北海道と名付けた男 松浦武四郎)“を放映していた。ニシパとは、アイヌ語で酋長を意味している。松浦武四郎は幕末の探検家や北海道の名付け親と呼ばれ、私人として3度、公務で3度、合計6回も北海道を訪れて、「十勝日誌」など数多くの記録書を残している。

また、“北海道”と命名する際には6つの案を考えており、その中のひとつが採用されたという。アイヌ語の「カイ」が、「この土地で生まれた者」を意味すると教えられると、はじめは“北加伊道”を考案していたが、その後に役人に加伊を海に変更され“北海道”とに名付けられたそうである。

彼の身長は150センチしかなかったが、16歳から国内諸国をめぐっている。ロシアによる北の地の接近を聞きつけ、また故郷を離れている間に親・兄弟が亡くなったことを契機に、蝦夷地探検に出発することになった。彼は1855年に、江戸幕府から蝦夷御用御雇に抜擢され、松前藩による圧政に苦しむアイヌ民族の窮状を見聞きしたことで、「アイヌ民族の命と文化を救うべきである」と報告書で訴えている。

しかし報告書は、松前藩や和人による圧制がそのまま記されていたことから幕府の反感をかい、この報告書の出版が武四郎の生前には許可されなかった。

また彼は、『北海道国群検討図』や『東西蝦夷山川地理取調図』などを残しているが、アイヌ民族への差別も「十勝日誌」などに克明に書き残している。彼は、落款に「馬角斎(ばかくさい)」と書いている。これは明治政府がアイヌ民族に対してとった政策が、バカ臭くてやっていられないという意味を込めて作ったのであろう。

松浦武四郎は、北海道地名の約1万個あまりのアイヌ語地名を収集している。また、アイヌを道案内に約1万キロを踏破し、その歩行の速さは通常の人の倍の踏破力であったらしい。

ところで2019年の北海道は、松浦武四郎により命名されたとする150年目で、様々なイベントがあった。しかしアイヌ民族にとっては、和人による搾取と収奪の150年目とも言えるもので、アイヌの人から見れば焦点がずらされてしまっている。和人は、アイヌ民族に対しておこなった事実を忘れてはならないと思う。

奈良時代の西暦801年、桓武天皇が坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命してエミシ征伐を行っている。この頃の北海道はあまり知られてなく、アイヌと言われ始めたのは18世紀前後で、古くは“エミシ”、その後にエビス、エゾ、アイノ、カイノ、エンチュウなどと呼ばれていた。

エミシとは荒ぶる人の意味であって、大和朝廷から続く歴代の中央政権から見て、日本列島東国(現在の関東地方東北地方)や、現在の北海道樺太などに住んでいた人々の呼称である。

従って江戸時代まで東北地方には、アイヌ民族がたくさん住んでいた。そのためアイヌ語文化圏は、東北6県まで及んでいる。アイヌ語地名が東北地方に多いのは、それが理由である。

明治時代になってからのアイヌ民族は、狩猟やサケ漁を禁止された上に日本語も強要され、やせた土地へ強制移住させられるなど多くの差別を受けた。そのためにアイヌは和人と比べて生活水準が低く、その精神文化だけが受け継がれようとしている。

ところで、文明が栄えるところには必ず文字があった。なぜなら、文字があってこそ文化を伝えることが出来たと思う。アイヌ民族には、知里幸恵の『アイヌ神謡集』」などの口承文化があるが文字を持たなかった民族で、詳しい実態は良く分かっていない。

言語は、世界中に約7千種類あるといわれるが、日本人のように1言語しか話さないのは、世界で約3割といわれている。人類の歴史を見ると、アメリカの南北戦争やヨーロッパの宗教戦争などは民族と民族との戦いであったが、言語が同じであれば戦争は起こらなかったかもしれない。

「十勝の活性化を考える会」会員


滑って転ぶということ

2023-01-23 05:00:00 | 投稿

 

先日、バス停に行くのに滑って転んだ。それも、距離が300メートルしかないのに10回だ。通常は3分程度で行けるのに約3倍の10分程度もかかり、乗る予定のバスに乗ることができなかった。その理由は、道路が氷になっていて傾斜があるので、転ぶと簡単には起き上がれないのである。

氷みちのことを知らない人には理解できないかもしれないが、今年は暖冬により氷が溶けて滑るのである。帰りは、妻が図書館まで迎えに来てくれたが、車に乗る前にも滑って立ち上がれなかった。油断があったわけではないが、“猿も木から落ちる”のである。

ところで1月4日、三男が道路で転んで頭を三針縫ったそうだ。道路に新雪が降って滑りやすかったとはいえ、高校・大学時代にラグビーをやっていたので、過信があったのだろう。自信を持つことは良いことであるが、政治家を含めて一部の人は、自信過剰でないだろうか。人間は、謙虚になって本当の人間にならなければならないのである。アイヌ語で人間らしい人間のことを、“アイヌ  ネノアン  アイヌというそうである。

人生は、福島第一原発事故を見れば分かるとおり安全第一が原則であるが、勝負する時もあると思っている。確かに、石橋を叩いて渡ることが大切であるが、リスクを取ることも必要であろう。

障害者の老人が、リハビリのためにはリスクは付き物といっていたが、この場合のリスクとは、いま以上の高い目標のことである。ただ、リスクがどのように自分に振りかぶってくるかは分からないので、運を天に任せて頑張るほかはない。人事を尽くして天命を待つのである。

人生は、失敗してもリスタートできる仕組みになっている。人生は終わってみないと分からないので、「天国で満足できる人生だった」と思うような人生を歩みたいものである。

ところで1月14~15日に、「大学共通一次試験」が行われるようである。くれぐれも、大学入試に滑らないことを祈っている。そして、会場までの氷みちにも滑って転ばないように注意してもらいたい。

「十勝の活性化を考える会」会員


地方活性化について

2023-01-22 05:00:00 | 投稿

 

 私が脳卒中の後遺症かよく判りませんが、自律神経の乱れから時々パニック状態になりました。7年前、家内の定年退職を契機に、新宿からここ武州(埼玉)の山里に移住しました。

周りの人から、なぜ都会から田舎に家まで建て移ったのか、不思議な思いで見られますが、私から見るとこの地は魅力一杯に思います。最寄り駅から池袋まで最短で電車で45分、最近では新宿、渋谷、横浜まで乗り換え無しに行ける直通電車も開通して、益々便利になりました。

 今では自然の中で過ごすことで、自律神経の乱れが無くなりました。当地で生まれ育った人々は、東京への憧れが強いように感じますが、移住したものから言わせると良さに気がつかない人が多いと思います。

通信インフラが整備、テレワーク等の完備により、満員電車で通勤しなくても、働き方を工夫すれば良い環境で仕事も出来ますし、少なくても働き方改革で組織に提案することはできます。

 地方(地域)活性化は、2014年第二次安倍内閣で閣議決定により「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され、その後「まち・ひと・しごと創生法」が施行されることにより、内閣設置の法定組織になりました。それがいわゆる『地方創生』と言われるものです。

地方創生の基本目標は、①地方において安定した雇用を創出する ②地方への人の流れをつくる ③若い世代のファミリープランを実現する ④地方と地域を連携させる。

私はこのなかで、②の地方への人の流れをつくることに関心があります。「移り住みたくなる地域」や「そこで働きたくなる地域」は、行政主体でなく住民主体で可能になります。そこに住む住民が知恵を絞ることで、活性化するものだと思います。

高松市丸亀町商店街は、ご多分に漏れず一時廃れ、シャッター商店街に陥っていましたが、住民の知恵と創造で再生を果たしました。現在、地方活性化の雄として、連日観光客が訪れています。この再開発は、おそらく全国で初めての民間主導型再開発を成功したプロジェクトとして国も注目しています。

コンセプトは、「コンパクト・エコシティ」だそうです。

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差別を考える

2023-01-21 05:00:00 | 投稿

差別とは、人に“差”をつけ、自分とは “別”の存在(グループ)として一種の排除をすることである。人間には、出自、能力、障害、外見などの合理的あるいは非合理的な違いや差があることは否定できない。大切なことは、その事実を認めたうえでその違いや差によって人を排除せず、人間として共生していくことが大切であると思っている。

差別には、人種差別、男女差別、宗教差別、身分差別、障害者差別、学歴差別、職業差別、コロナ差別などたくさんあるが、これらの差別は、人間が持っている我欲が原因だと思っている。

社会生活を営むためには、この我欲を少しでも抑えることが必要であるが無理であろう。なぜなら人間は、生まれながらにして欲望のもとに生き、社会はこの我欲で成り立っているからである。そして残念ながら一般的に、他の動物と同じように人間社会も弱肉強食であるからだ。

人間は往々にして我欲によってお互いに衝突するため、社会生活の秩序を保つためには躾や道徳が必要だろう。だが、どうゆうわけか分からないが、学力ばかりに目が奪われ、この躾や道徳が失われていく社会ではないだろうか。

一方で世界情勢をみるに、イデオロギーや宗教の複雑化によって戦争を行なわれているので、人間の本質に問題があるように思えてならない。今世紀中に世界の人口は約100億人になる予想だが、食糧問題などを考えると人間は地球環境を乱しており、ある程度の間引きが必要なのかも分からない。

ところで、アイヌの差別に関連するが、小内透編集「帯広市におけるアイヌ民族の現状と地域住民」の本に、アイヌを対象としたアンケート結果が書かれている。これによるとほとんどのアイヌが、職業や結婚に際して差別を受けていたらしい。

このような差別は、学校のイジメと同じだろう。すなわち、大多数が少数者をいじめることと同じである。そしてもっと根が深いことは、いじめた人が“イジメ”と感じていなく、単なる“遊び”と思っていた人が多いことである。全てとは思わないが、今の子どもたちは相手の立場になって考えられなくなっているのである。すなわち、人間として“共感”できなくなっているのである。それは、私たち大人が作ったことに間違いあるまい。

「十勝の活性化を考える会」会員