「流言」とは、根も葉もないうわさを言いふらすことで、簡単に言うと、デマ(デマゴギ―の略)である。又は、虚偽、デタラメな情報のフェイクニュースもこの類といえる。
新型コロナウイルスに関するフェイクニュース・虚偽情報が、インターネットのSNS上で拡散されている。これに同調し、拡散する人のことを、「自粛警察」と呼ばれているらしい。
情報がネット上で早く国民に伝わるのはともかく、感染した人をおとしめたり、繁華街を訪れた人を一方的に非難する自己満足的な書き込みは、厳に慎むべきだと思う。
フェイクを発信する人は、このような嫌がらせや気晴らしを受けた人の気持ち、立場を考えてほしい。この気晴らしの原因には、今の世の中には何か生きづらさがあると心理学者が言っていた。現代人の生きづらさに関連して、普通の人と思われていた人が、キレて重大事件などを引き起こすことも散見される。
貧富の拡大や夢が持てないといわれる今の時代を考えると、不安、不満は分らないわけではないが、科学の進歩に共生の心が、ついていっていないのではないだろうか。
虚偽情報であるか否かについて、直観、常識的観点も大切であるが、見極めるポイントを先日のクローズアップ現代で、「だしいりたまご」という標語を使って分かりやすく説明していたので脚注に載せている。
油断も隙もあったものではないのが現代であるので、デマにはくれぐれも引っ掛からないように注意してほしい。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 「だしいりたまご」
①「だ」=誰が言っている?
その情報を発信している人が、本当に専門家なのか。一見すると、専門家のようでも、実は厳密に言うとその分野は専門ではない、という場合もあります。例えば医師であっても「心臓血管外科」「神経内科」「感染症内科」など、診療科によって専門性が明確に分かれています。
②「し」=出典はある?
いくら優れた専門家でも、人間である以上間違えることはあります。ですので、その情報の「出典は何か」「エビデンスはあるのか」を、常に考えておきましょう。もし出典がないとしたら、その情報が正しいかどうかを他の専門家が検証することができません。その場合は「あくまで個人的な意見にすぎない」と、考えることも必要です。
③「い」=いつ発信された?
医療に関する情報は、最初は正しいと思われていたことでも、時間が経って研究が進んだ結果、「実は間違いだった」とわかることがあります。これは医学に限らず、すべての情報に当てはまることだと思います。特に新興感染症の流行期のような、次々と新しい知見が明らかになるような状況では、少しだけ前の情報でも、のちに評価が変ってしまうことは十分あり得ます。その都度、その情報がいつ発信されたものなのかを確認しましょう。
④「り」=リプライ欄にどんな意見がある?
TwitterなどのSNSでは医療に関するデマが拡散することも多いのですが、リプライ欄を見ると、専門家がデマを否定していることが簡単にわかることもよくあります。リツイートして拡散しようと思ったときに、まずリプライ欄を見れば、「これデマじゃないかな?」と疑うことができます。「他の人がどういう見解を示しているか」を常に確認しようすることが大切です。
⑤「た」=たたき(攻撃)が目的の投稿ではないか?
例えば、自分が「あまり好きではない」と思っていた人が、SNSで批判を浴びていたとします。そんな時は、情報が正しいかどうかを判断することより、「拡散したい気持ち」を優先しがちです。その心理がデマの拡散につながることがあります。誰かを攻撃することが目的の投稿ではないか、拡散する前にもう一度考えてください。
⑥「ま」=「まずは一旦 保留しよう」
見つけた情報を友達に教えたり、リツイートしたり、情報の内容を実際に試したり・・・、そうした行動を起こすのを、一旦保留してみませんか。「これは」と思った情報でも、時間が経つとすぐに評価が変わるかもしれません。急ぐ気持ちを抑え、すぐに判断を求めないようにしてください。
⑦「ご」=公的情報は確認した?
自力で複数の情報を取りにいって比較検討する。出典が正しいかを確認する。これがベストです。でも、例えば英語の医学論文を何本も読むとなると、できる人は限られますよね。そうであれば、多くの専門家のコンセンサス(合意)である公的な情報を参考にするのが、もっとも安全ではないかと思います。
最後は「ご」でなくて「こ」になってしまいましたが、この7つのポイント、ぜひ覚えておいて下さい。
(出典:NHK“クローズアップ現代“HPより抜粋)
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