ゴミ当番

明日は生ゴミの収集日である。
結婚してこのかた、ほとんどゴミを捨てるのは夫の役割になっている我が家。
結婚当初は、共稼ぎだったが私の仕事場が近かったので、まだ、私が捨てて行くことも多かったと記憶している。
子どもが生まれ、専業主婦になってしばらくは私が捨てていたと思う。
だが、神戸に引っ越して、夫の出勤時間が早くなってからは、出勤時に夫に捨ててもらうことが多くなった。
普通に考えれば、専業主婦である私が、夫を送りだし、余裕をもって捨てに行けばいいようなものだが、そんなことを私がするはずはない。
パジャマのままで、鍵を閉めるだけのために起きて、夫を見送り再びベッドにもぐりこんでいた。
12階、というのもゴミ捨てから私の足を遠ざけた原因でもあった。
かくして、出勤ついでにゴミを捨てに行く、という行動パターンが犬年の夫に刷り込まれ
現在に至っているわけである。

このマンションに、以前から子どもがらみで知っている奥さんがいて、ゴミ捨て時に何度かエレベーターで一緒になるらしい。
ある時は、生ゴミで、ある時はプラスチック、ある時は古紙、埋め立てゴミ、と手に持ったもののバリエーションは富んでいるが、会うのはいつも夫。
そのたびごとに
「いつも、お会いしますね。」と挨拶されるらしい。
夫も
「お宅は、ご主人はゴミ捨てに行ったりされないのですか？」と尋ねたらしい。
すると
「とんでもない！うちの主人がそんなことするわけないじゃないですか！」と強く否定したそうだ。
時折暴言をはく夫。
「いやぁ、都会のダンナはけっこうゴミ捨てをさせられてますよ。神戸のマンションではエレベーターでネクタイを締めたサラリーマンが、次々とゴミ袋をもって乗り込んできてましたよ。田舎（！！）のお父さんは、そんな仕事は男の仕事やない、とかって威張ってるんじゃないですか？別に、そんなたいそうなことやないのにね。」
と、その奥さんにむかって解説したらしい。
奥さんは、
「へぇ・・・そうなんですか。。。」と力なく応えたそうだが。（ひきつった笑顔が目に浮かぶようだ）

まぁ、別にそれぞれの家のルールでやっていることなので、どうでもいいことなんだけど。
断じて、男がするべきことじゃない、って頑張るのもどうなんでしょう。

そういうこともあったりで、最近はなるべく私も捨てに行くように心がけている。
あの家の奥さんは、ふんぞりかえっている、なんて言われないように。
だが、これからの季節、チョー寒がりな私はやっぱりお役御免にしていただこう。
そのうち、
「奥さんとして、アンタなんかお役御免や！」と言い渡されたりして。