アートはすぐ横に

最近、体調がすぐれないせいか軽いうつ状態である。
季節のせいなのか、年齢によるものなのかわからないけれど、ちょっとブルー。
あいかわらずけだるく始まった今日の午後、会社でテレビをつけていたら版画家の山本容子さんが出ていた。
相変わらず颯爽としてカッコイイ。
特別好き、というのではないが、以前知人が
「大学の先輩やねん。」と言っていたこともあり、なんとなく意識の中にあるひとだ。
相変わらず、歯切れのいい物言いで、スパスパっと喋っていて、今の凹み気味の自分に比べると、本当にうらやましいくらいまぶしく感じられた。
そんな中、簡単なお絵かき教室、というのをやっていて、思わず身を乗り出して見入ってしまう。
テーブルにいけられた花をスケッチしましょう、ということで、美術が苦手だったというしぶる女性アナウンサーを尻目にさっさと花を引き抜く。
外国へ行くと必ず立ち寄るという文房具屋さんで買った牛模様のはさみで花先をチョキン。
広げたクリアシートに版画用のインクをローラーで伸ばし、切った花を上から垂直にガシガシ押し付けてインクをつける。
インクのついた花を、スケッチブックにぽん！と押し付けて、その輪郭を鉛筆でささっと囲い、茎をつけ、葉をつけて、パステルで軽くお化粧して、出来上がり。
苦手だったはずのアナウンサーが作ったものも、それらしく仕上がっている。
山本さんは
「別に、構えなくてもいいんです。自由に、軽い気持ちで、素材そのものを使っちゃっても。ほら、簡単でしょう？」と歌うように言っていた。
うわぁ、なんだか楽しそう。
本屋で見つけた、お気に入りのクラフト作家井上由希子さんの工作も簡単にできそうなものばかり。
楽しいことは、ちょっとの工夫で無限に見つかる。
せっかくの秋の夜長、うつうつすごすなんてもったいないよね。
私も何か作って、アートな気分に浸ってみようっと。