かみがみの狂騒曲

大昔、オイルショックの時代にも同じようにトイレットペーパーが一斉に店頭から姿を消したことがあった。
うちの母は、ある意味かなりの変わり者で、周りのそういう騒ぎに便乗することもなく、のんきに過ごしていた。
ちょっと出れば、なんでも揃う、というような街に住んでいなかったこともあるかもしれないが。

今回、この騒ぎで驚いたのは、以前会社の同僚だった節子さんが、大昔自分と同僚だったひとから
いきなり連絡が入り
「今、東京では全くトイレットペーパーが棚から消えているんです！
そちらでもし買えるようなら買って着払いでも構わないから送ってもらえませんか？」
と、連絡が入ったというのだ。
普段全く連絡を取り合っていたわけでもないのに。。
え？そうなの？
とドラッグストアに買いに走った節子さん。
なんと、この地方都市にもその余波は間違いなく届いており、棚には
「おひとり様1パックでお願いします」の張り紙が、むなしくたなびいていたんだとか・・

我が家は、夫婦二人の暮らしだし、私が便秘がちなのもあってトイレットペーパーの消費量は、そんなに多くはない。
もってきて、近所のスーパーで買い物をすれば隔週、必ず１個トイレットペーパーをくれるので、その貯蓄量もそれなりである。
なので今回の騒ぎもどこ吹く風でのんきに構えていた。

思うに。
このような騒ぎの背景には、近年「ものを持たない暮らし」の流行りも関係しているのではないか？と思うのだ。
ストックは極力もたないようにしましょう。
なくなりそうになれば、買いに走ればよいのです。
というような、そぎ落とした暮らしを提唱する本やひとが増え、それに惹かれ持たない暮らしを実践する人が増えたが故に起きた騒動なのでは？という気がしてならない。

普段、食べ物以外リクエストしてこない息子からも
「トレパーが、まったくない！」との悲壮感漂うメールが届いた。
おまけに
「紙不足です・・福沢諭吉が書かれた信頼度の高い紙なんですけど・・」とも。
知ったことかい！

自らの手でウンヲつかむ、となるのはかわいそうやから、よっぽど困ったら送ってやるよ
とはトレパーと仲良しの便通の良い夫の弁。