ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

栄養過多

2007-12-19 | 砂時計
ポット苗で買ってきて、水をやり、日に当て、どんどん大きくなって、鉢を何度か植え替えた。
葉っぱは大きく勢いよく茂るのに、全然実をつけない。
そうして、ようやく小さな実をつけたワイルドストロベリー。

葉ばかりが茂るのに、どうしていつまでたっても実をつけないのだろうか、と園芸趣味の節子さんに聞いてみたことがある。
新宿の母さながらに、あれはどうしてる?これは?と色々と質問されていくと、ひとつの答えが浮かび上がった。
それは「栄養過多」ではないか、ということだった。
私は、グリーンに与える水は、牛乳パックをすすいだ水を与えることにしていた。
下水を少しでも汚さないようにするのと、植物にとってそれが血となり肉となるのでは、と素人ガーデナーなりに考えた結果である。
だが、節子さんによれば
「栄養を与えすぎると、植物は種の保存をする必要がないと考えて、花を咲かさない。花が咲かないということは、結実することもない。」ということらしかった。
なるほど!
本来、植物が花を咲かせる、というのはそういうことだ。
自分の種を残していくためのものである。
それを私は、栄養分をせっせと与えて、植物が本来もっている危機感を奪っていたのだということに気がついた。

それを聞いてから、牛乳パックのすすぎ水を与えるのはやめにした。
そうして、何ヶ月かたった今月、ワイルドストロベリーが結実したのである。

大きな葉陰に見え隠れする、いびつながらも小さな赤い実を見ていてふと思う。
人間の子どもも同じじゃないのかな、と。

昔、教育実習で小学校に行ったときのこと。
教生になれっこになっている附属小学校のこどもたちは、教生の授業なんてなめきっている。
そこで指導教官が、私たち教生に言ったのは
「与えすぎてはダメ。子ども達の知的欲求である「知りたい、なぜ?どうして?」の気持ちを引き出さないと。
ハングリーな状態に持って行かないと、こどもは飽きてしまうし、興味を示さない。
子どもが「欲しい、知りたい」と言う前に、大人が材料を与えすぎてしまってはダメなんだよ。」

センター入試まで1ヶ月となった息子を見ていて自分に問うてみる。
私たち夫婦は、この子に栄養を与えすぎたということはなかったのか。
飽和状態で育てた、ということはなかったか。
後悔先に立たず。


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12 コメント

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さじ加減 (CITROEN)
2007-12-22 22:48:43
そうだね~。
これくらい豊かな時代になると、さじ加減が難しいかも。

「捨て育て」ということばがあって、ほったらかしで育てた子どもの方が、いい子に育つって場合もあるみたい。
せっちーのご近所で、両親がだらしないひとで、ほったらかしで育った3人兄弟がいてね。
腐って捨てられた牛乳を「美味しい」って兄弟三人が分け合って飲んで大きくなったんだって。
それが!県で一番の進学校に入って、その後大成したらしいの。
本当に難しいよね、子育てって。
真剣に取り組みすぎても子どもには良くないことも多いし、かといってほったらかしてもね。
塩梅、むつかしい・・
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なるほどね・・・ (Roco)
2007-12-22 22:08:38
私自身は栄養過多で育ったんじゃないかと思います。

で、少し足りなく感じる位が子供はいいんだろうな、とは思っていますが・・・
でもさ、難しいよね~。
その子にもよるんだと思うんだよ。
放任でもよかった子もいれば放任じゃホントにダメになっちゃう子もいるんじゃないか、とか。
最近なるべく口を出さぬようにしてるんだけど
そんな思いと日々闘ってます。
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寿命 (CITROEN)
2007-12-21 22:05:03
EKOさん、その金魚、すごいですね!
せっちーのお姑さんは、一人暮らしが寂しいから、と金魚を買ってきて、世話しては死に、飼っては死に、を繰り返しています。
手のかけすぎが原因かも・・

クリスマスローズは、手がかかりそうなイメージがありますが、たくましそうですね!
ちょっと買ってきてみようかしら。

せっちーは、ある意味深い人生を送っていますから、
何かと考えさせられることが多いですね。
ガーデニング、植物、ナチュラルライフに関してはスゴイです!
なんせ、私と5才しか違わないのに、枯れ木を山からひろって、川で汲んできた水でお風呂を沸かして、大きくなったひとですから、生まれて初めて聞くことも多いのです。
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話はかなり飛躍しますが。 (EKO)
2007-12-21 11:06:01
以前金魚を放任したらかなり長生きしました・・・。
ちょっと面倒になりまして、酸素のブクブクもはずしてリビングから一気に玄関のドアの外に出したんです。
そのまま数が減ったら減ったデ・・と。

そうしましたら、飼育ケースの周りが藻で緑になり、それがもしかしたらブクブクの変わりに光合成で酸素をくれたのか、餌になったのか、餌もやらずにかなり長生きしました。
数匹居たのが最後の1匹は1年か、もっとか、生きていました。
室内よりも元気な感じでした。
もともと外飼いの金魚って昔から居ますからね。

手をかけないといけないものと、掛けすぎは禁物なモノと有りますよね。

そうそう、クリスマスローズのお花も手をかけなくても毎年楽しませてくれる物の一つです。

それにしてもセッチーの教えは時に人生の厚みを感じさせますね。
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わんしびさん (CITROEN)
2007-12-20 21:33:01
米のとぎ汁、我が家の場合、ミニバラやブライダルベールには有効みたいですよ。
やっぱり、置き場所とかの条件も関係しているのかな?

わはは、
>・・・ウチは飢えすぎて空腹なのも分かってない状態なんかも知れません。
私も、頭の栄養分はけっして過多にした覚えはないのですけど、お腹の方を満たしすぎて、満腹中枢を壊してしまったのかもしれないですねぇ。
いずれにせよ、本人ががっつかないことには、どうしようもないですね。ふぅ~う・・・
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まなりんさん (CITROEN)
2007-12-20 21:26:25
おー!!そうです、そうです!
実を結ぶためには受粉が不可欠、ですね。(いま、思い出しました)
で、我が家の場合、花さえ咲かなかったのですよ。
葉っぱばかりが大きく茂ってね。
で、栄養補給を絶ったら、急に花が咲き、実を結んだのです。

おうちの前がイチゴハウス?
うらやまし~~~。
果物の中で、私はイチゴが一番大好きなんです、私。
まなりんさん、クリスマスケーキは手作りかなぁ?
産地直送のイチゴをのっけて(笑)
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耳が痛い~ (わんしび)
2007-12-20 16:01:31
確かに、うちの鉢植えも米のとぎ汁を日夜注いでると枯れました。
ほんでほったらかしのワイルドベリー(雪が降ろうが真夏の直射日光が当たってようがほったらかし)はなぜか毎年結実してます。
栄養のやりすぎはあかんのですね。
そして指導教官先生のお言葉。
昨日娘の3者面談だったんで余計に耳が痛いですわ。
試験前でも気合い入れて勉強していないのバレバレだったもんで。
親のやるべきことは子どもを知的好奇心に飢えた状態にすることなのですね。
・・・ウチは飢えすぎて空腹なのも分かってない状態なんかも知れません。
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Unknown (まなりん)
2007-12-20 13:31:20
こんにちは~!

イチゴって、ハチがいないとダメなのでは?

違ってたらごめんなさい!家の前がイチゴのハウスなんだけど 時々、蜂をハウスの中にはなしてますよ!雌しべと雄しべの花粉で…授粉?じゃなかったかな…。ご近所さんに聞いてみます!
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kakosaさん (CITROEN)
2007-12-20 00:27:18
うふふ、優しいおばちゃまですね。
ご多分に漏れず、うちのぶうも、完全に栄養過多状態。10年くらいは皮下脂肪の消費で生き延びられます(太鼓判)
さっさと家から出て、ひもじい思いでもして、骨川筋右衛門になって帰ってきたら、少しは
「おー、よしよし。何か栄養のある物を食べさせてやろう」と思うかも。

サボテンも枯れましたか!(我が家もいい勝負)
アロエと銭のなる木は、すんごく丈夫。
もう、いいですから!っていいそうになるくらい繁殖力がすごくて、いまやベランダの鼻つまみ者になってます。
kakosaさん、挑戦してみる?
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アプリコットさん (CITROEN)
2007-12-20 00:21:02
そうですよー!
栄養分たっぷりの水を控えたら、どうにか実を結びました。
アプリコットさんちは、たしかブルーベリーはちゃんと結実していましたよね?大丈夫です。きっと実をつけますよ。

で、お嬢ちゃん、附属なんですね。
子ども達にしてみても、毎年年に2回も3回も、百人単位の学生がやってきて、中途半端な授業をされたら、「やってらんないわよ。」ってなことになるのも無理はないのでしょうが・・
PTAも、あきらかに「学力をつけるのは塾で」と、当時から割り切っている姿勢が見え隠れしていました。
それにしても、甘やかしたり、手を出しすぎたつもりはなくても、やっぱり私の子ども時代よりはるかに、
豊かな環境を与えすぎていたように思います。
それがいい方へ芽が出ればいいのですけどね・・
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Unknown (kakosa)
2007-12-19 19:44:06
ドキリ。ですCITROENさん。

今日ついうっかりダッヂオーブンで作るレシピ本を買ってしまいました。
写真で見る鶏肉のローストやローストビーフがあまりにも美味しそう且つぶうこ好みだったものでつい…。
あそこまで太っているというのに。
もうだめな叔母です。
栄養価的には何も口にせずとも軽く冬を越せると思うんですよねぇあの身体なら。

それにしても。
植物を育てるのが苦手でサボテンも枯らしてしまうんですが、アロエならいけるんでしょうか。(え、同じ?)


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ふむふむ・・・ (アプリコット)
2007-12-19 13:00:02
栄養過多は良くない・・・。
私もやめようと思います(うちのワイルドストロベリーもあまり結実しないので・・・)

確かに植物にも子供にも当てはまりますね。
特に今の時代は子供に与えすぎないで育てることが難しいです。
娘が附属小なので、CITROENさんの教生時代の話は今も脈々と続いているのを実感します。
息子の学校との大きな違いはまさにこの部分です。
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