ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

侵されたくない領域

2004-11-07 | 砂時計
昨日帰ってきた夫から、いろいろと姑のことを聞く。
どうやら、いままでの精神的、肉体的なプレッシャーから解放されて、驚くほど元気らしい。
食欲も旺盛で、夫なんかよりもはるかに若者のような食事をとりたがるようで、舅の死からこっち、姑は2キロ近く太ったらしい。
私達夫婦としては、くよくよされるよりもその方がずっと助かる。

で、生活が落ち着くとあれやこれやの日常の愚痴が出始めたらしい。
先のお葬式で、姑が姉妹同然に育った従妹が家に来て、台所をはじめとしてあちこちを片付け、掃除した。
姑は、掃除が嫌いなひとである。私も、けっして掃除好きな方ではないが、そんな私でも「もうちょっとはキレイにした方がいいんじゃないの。」と思えるほど。
だが、そこは姑の家であり、彼女の領分なのだ。嫁と言えど他人の私がいじくるのはよくないだろうと、なるべく必要最低限のところしか触らぬようにしてきた。
だが、歯に衣着せぬその従妹のひとは、見るに見かねて雑巾片手に大掃除をしはじめた。
横で私はハラハラ。「うう、そこは触らないほうがいいんじゃないのかなぁ。」と思いつつ
「はい、xxxさん(=私)そこ、これで拭いてね。そこの袋も片付けて。」と私をも巻き込みてきぱきとさばいていく。
ものの30分もかからぬうちに、ぴっかぴかになった。
従妹のひとは満足げ。姑も無理やり「うん、ありがとう。きれいになって助かったわ。」と言わされている。

が。一週間もたたないうちに、元の木阿弥とまではいかないが、元の状態に戻りつつあるらしい。
夫が言うには
「あの子が片付けたせいで、私が使いやすいようにしてたんが、さっぱりわからへんようになってしもた。
いらんことしてから。xxxさん(私)のほうがええわ。きたのうても(汚くても)見て見ぬ振りしててくれるもん。私の家なんやから、余計なことせんといて欲しいわ。」とその従妹のことをぶりぶり怒っていたそうだ。
やっぱりね。
人にはそれぞれ侵されたくない領域ってものがあるものなのだ。
それが、他人からみればどんなに汚かろうが、狭かろうが、それはその人にとっては心地よい場所であったりもする。
家族といえど、親族といえど、それをむやみやたらと侵してはいけないのだ、と思った一件。

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2 コメント

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留守番中 (アプリコット)
2004-11-07 15:56:18
体調崩してお留守番中ですが、あまりに共感できるタイトルに出てきてしまいました。

私もずっと義母のテリトリーを侵さないように入った事の無い部屋もあるほどです。

しかしお葬式ともなるとそうは行かず、親戚の方にお留守番を頼んだり、お供えの煮物をお願いしたり・・・。やはり似たようなことがありました。

片付けというのは年齢を重ねるほど億劫になるものだと思うので、血の繋がった親子でも決して侵してはいけない領域ですね。

せめて自分の身の回りは気をつけようと思う今日この頃・・・布山はどうしましょうね!?
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そうそう。 (CITROEN)
2004-11-07 23:45:04
私もね、結婚18年、あの家で姑の衣裳部屋みたいなところには足を踏み入れてないの。本人もそれを望んでいないだろうと思うからね。

アプリコットさんのおっしゃるとおり、歳をとればとるほど片付けることが億劫になるので、残される家族のためには身仕舞ということも考えておいたほうがいいとは思います。が、姑は「私が生きている間に、私のものはさわらんとって!」と宣言しているので、しゃーないわ、とあきらめています。

まぁ、私だってアプリコットさん同様に、布山と、付属品の類のしまってあるところは、夫や息子にとってはゴミの山でしかないでしょうしね。

ま、私がなくなった場合には、布好きな方にひきとっていただけたら、と思っているのですけど。

え?嫌がられる?そうですよねぇ
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