高校生らしく

～らしく、と言う言葉に反発を感じる人は多いかもしれない。
が、私は昭和ヒトケタ世代の親に育てられたので、どうしても「～らしく」という言葉の刷り込みがそこここで頭に浮かぶ。

夕方、いつものショッピングセンターで、女子高生と私ぐらいの年格好の母親の親子がいた。
母親は、ロングヘアで軽いブラウンの巻き髪、同世代にしては細いし、お洒落だ。ブルXリのフレグランスをぷんぷんさせつつ買い物している。
片や娘。おぱんつの見えそうなチョーミニのスカートで、制服のブレザーも前ボタンをはだけ、ローファーの革靴をふんづけてはいている。
おきまりのO脚で、ぺたぺた歩きながら、自分のおやつを物色している。
髪は、校則が厳しいのか黒髪。でもくるくると母親と同じような巻き髪にしている。
高校生とは思えない大人っぽい顔立ち。よくみると、ばりばりにメイクしている。
眉毛はほとんどあるかないかのくらいにそり落とし、ペンシルで綺麗に描いている。
アイラインはくっきり、マスカラはばっちりつけて、リップはベージュ系のグロスでてらてらしている。
ファンデーションなど全く必要のない、きめの細かそうな綺麗な肌をしているのに、こってりとファンデーションまで塗っている。
制服を着ていなければ、まるっきりお水の関係のお姉さんのようだ。

そういえば、義父の葬儀の時にも、こんなことがあった。
お通夜で、その会館に泊まっていたのは我家と、もう一家族。
朝の身支度の時に、その家族の親子と洗面所で一緒になった。
母親の横に、神戸でその制服で有名なお嬢様学校の制服を着た高校生ぐらいの女の子が、熱心にお化粧している。それを母親は咎めるでもなく、あろうことかアイラインの描きかたを指導していた。
おそらくその女のこのおじいさんのお葬式に列席するために、メイクをしているのだ。高校生が。
すっかり呆れてしまった私。

女の子がいないから、この時代そういうことがあたりまえのことなのかどうなのかわからないが。

高校生なら高校生らしいあり方ってもんがあるだろうに。
そういうことを言う私は「古い人間」なんだろうか。