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10月5日開催、「林業現場人会議」。コーディネーターからのまとめ記事。(エコらむ)

2010年11月08日 23時25分34秒 | 日記
http://eco.chunichi.co.jp/column/column02/2010/10/post-20.html#000180

林業が変わる <7> 声上げる林業現場人たち
2010年10月31日
.  「森林・林業再生プラン」の目標を達成するための具体的な施策を決めようという国の検討作業が11月中の最終まとめに向け、現在、大詰めを迎えています。「林業が変わる」とタイトルを付けたこのシリーズでは、国の検討経過を踏まえつつ、今後の林業政策を考えた場合にどのような視点が必要になるのかを示すことに努めてきました。私なりの課題整理は、前回の「森林・林業・地域再生プランを目指して」で行ったつもりですが、林業現場の最前線で働いている人たちが、政府の検討内容について、どのような問題意識を抱いているかを紹介し、シリーズの締めくくりとしたいと思います。



現場人はどのような問題意識を抱いているのか

ミクシィでの議論をきっかけに林業現場人が集結

 10月5日に「全国林業現場人シンポジウム」という会合が東京都内で開催されました。企画したのは、伐採や森林整備といった林業の現場作業に携わっている林業従事者(=現場人)たちで、開催の目的は、森林・林業再生プラン達成に向けた施策のあり方を現場の目線で議論しようというものです。参加者は現場人が9名、林業産地の役場林務職員が1名です。その他、オブザーバーとして林業分野の雑誌編集者やライター、作家、行政関係者ら5~6名が参加し、私もコーディネーターという立場で参加しました。

 開催のきっかけは、「ミクシィ」というSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に設けられたコミュニティのひとつ、「林業現場人会議」に森林・林業再生プランについて議論しようというトピックスが設けられたことでした。そこで登録メンバーによる熱心な書き込みが行われるうち、国の議論に現場の視点が欠けていると感じたメンバーから、実際に顔を合わせて議論しようという提案が出され、それに賛同した者が集まったのが今回のシンポジウムというわけです。

 現場人たちの居住地は、北海道が1名、長野県が6名、静岡県が2名、岐阜県が1名で、全員がU・I・Jターン者です。実際に合うのは今回が初めてというメンバーも多く、林業というマイナーな業界で現場作業に従事していると、なかなか横のネットワークが広がりづらいということを考えれば、彼らがお互いの存在を知り、こうした会合を開くことができたということについて、インターネットの威力を改めて思い知らされました。

制度を受け止めるキャッチャーミットが必要

 シンポジウムは午前10時~午後4時の6時間にわたって行われました。午前中は、政府で林業改革を担当している内閣府国家戦略室の審議官(民間シンクタンク出身者。民主党政権発足に伴って政府入りした)も議論に加わり、現場人たちの意見に耳を傾けるとともに、政府の立場や考えを説明しました。午後は午前の議論を踏まえ、現場人同士で論点を深めていきました。

 現場人たちから示された問題意識は、いずれも地域生活者としての立場に根差したもので、単に林業の活性化を求めるのではなく、地域全体の利益にどうすればつながるかを重視した発言が続きました。例えば、前回の本欄で私も問題にした「自伐林家」の取り扱いについては、たとえ小規模であっても、経営意欲の高い自伐林家を切り捨てるような政策は避ける必要があるという考えを何人もの参加者が表明しました。自伐林家は必ずしも林業専業とは限らないが、林業経営への思い入れはおしなべて強く、それが彼らにとって山間地域に居住する拠りどころともなっている、そうした自伐林家を切り捨てることにでもなってしまったら、地域社会がいっそう疲弊することになりかねない――というのです。このあたりは私もまったく同じ問題意識を抱いているので、心中深くうなずきながら、進行役を務めていました。

 国で決める制度については、それぞれの地域の事情を考慮して柔軟な運用が図られるべきだという意見も口々に語られました。そのためには、制度をそのまま硬直的にあてはめるのではなく、それぞれの地域がむしろ主体性を持って制度の運用に携わることができるような受け皿づくりが必要になるという指摘もありました。例えば、小規模な自伐林家が多い地域なら、林地の集約化をやみくもに進めるのではなく、計画にはそれぞれの林家が名を連ねるものの、実際の作業は各自が主体的に行えるような計画づくりを地域の関係者の合意のもとで進めることができるようにしようというわけです。それには各林家のほか、行政、森林組合、林業会社、現場人たち等々、地域の幅広い関係者が名を連ねる協議の場づくりを進めることが必要になります。

 この問題に関して、ある現場人は 「こうやって現場からの声を上げてはいるが、国の制度としては、おそらくいま議論されている方向性で決まっていくのだろう。それは仕方がない。ただ、それをそのまま受け止めるのではなく、地域の事情を踏まえた受け止め方ができるような、いわばキャッチャーミットづくりがこれからは必要になるのではないか」と発言しました。さらに続けて、「もうすでにそのための準備を始めている。職場の上司や役場にも声をかけている」とも語りました。また、別の現場人は「これまでの仕事を通じて、すでにそうした協議の場ができあがっている。これからはそれを利用して、地域のイニシアチブを確保したい」と、すでにキャッチャーミットができあがっていることを明らかにしました。

地域生活者としての視点がベース

 こうした現場人たちの意見に対し、国家戦略室の審議官も一定の理解は示し、意見が大きく食い違うことはなかったものの、国の議論があくまでも林業のあり方を議論するスタンスで進められているのに対し、現場人たちの意見は、常に地域社会全体を見据える立場から語られているという違いがあり、地域振興の議論に大きく踏み込んでこない国の姿勢に現場人たちは物足りなさを感じていたようです。

 今後は現場人のネットワークをさらに広げるとともに、地域でイニシアチブを確保するためのキャッチャーミットづくりが重要であることについて、幅広く情報を発信していく方針を確認して、シンポジウムは幕を閉じました。

 今回のシンポジウムのように、林業の現場従事者が国の政策を議論するために自主的に集まるというのは、これまでになかったことだと思います。その点については、参加者がいずれもU・I・Jターン者であり、その中でも I ターン者がもっとも多かったということが背景のひとつとして挙げられでしょう。彼らは地縁血縁のない地域に飛び込み、現場の仕事に汗を流しつつ、地域に溶け込む努力もしなければなりません。そうやっているうちに、自分が携わる仕事や住み暮らす地域がどうすればより良くなるかという視点を自然と持つようになっていくのでしょう。その彼らが、国の施策に強い関心を抱くのは当然だと言えます。

 このような現場人たちが増えていることも、従来に比べた林業の変化のひとつだと言えるでしょう。各地でのキャッチャーミットづくりに向けて、今後の彼らの活躍が期待されます。.

赤堀楠雄(あかほり・くすお):林材ライター

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トップ画像は、11月4・5日開催された、鶴居村森林林業再生プラン実践事業検討会で、ドイツから来たフォレスター(ミヒャエル・ランゲ氏)とのツーショット。。。




11月7日(日)のつぶやき

2010年11月08日 02時43分11秒 | 日記
15:41 from ついっぷる/twipple (Re: @shanti_aghyl
@shanti_aghyl バブルは所詮はバブル。その時の夢のような妄想を描く短絡的な発想では、地に足を着けた営みは出来ない…と言う事を知っている財産を我々は持っているのかも…どう生かすか?そのステージに、現場人は立たされているんでしょうね
23:52 from web
検察糾弾デモ。行きたかったな~!!全国展開ありですね!http://rightaction.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/115-19ee.html
23:55 from web
検察糾弾デモ。行きたかったな~!!全国展開ありですね!でもね、小沢氏熱狂待望デモだと、ちょっと違うと思う。あくまでも検察の暴走を糾弾しなくちゃね。http://rightaction.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/115-19ee.html
by todoguma on Twitter