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「ほめる」技術 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2002-06-24 |
『働く理由』(ディスカヴァー21)を書いているとき、「人をほめるというのはどういうことなのだろうか」というところで行き詰まり、『コーチングのプロが教える 「ほめる」技術』(鈴木義幸)をアマゾンで購入した。
この本のポイントをまとめた。
1)「他己説得」よりも「自己説得」
「自己説得」した行動は、「他己説得」された行動よりも、現実化する可能性が高い。つまり、自分で納得して自分でそうしようと決意して自分で行動すると実を結ぶ可能性は高い。しかし、他人から言われたことを不承不承受け入れて、行動するのは実を結ぶ可能性は低い。
2)他者へのエネルギー供給をアクノリッジメントという
アクノリッジメントとは、相手の存在を認めること。ほめることはその一部にすぎない。
目的地が決まり、自己説得により取るべき道が決定され、その人が動きだしたとしても、最終的に目的地にたどりつくためには「エネルギー」が供給され続ける必要がある。
エネルギーの供給は回数が多いほど、バリエーションが多いほどよい。
3)ほめるとは?
ほめるとは美辞麗句を並べることではない。相手が心の底で聞きたいと思っていることを、言葉で伝えてあげること。そのためには、相手を観察、洞察しなければならない。
4)任せることをスーパーアクノリッジメントという
部下は、ほめられ、任されたときにやる気をだす。
任せるとは押しつけることとは違う。任せるとは、相手の裁量で進められる部分をきちんと与えて仕事を振ること。ただし、最終的な責任は上司がとるという態度が肝心。
そのためには、常日頃から部下を観察する。「このレベルにいるのだから、これなら任せられる」を考えておく。
5)承認を与えるには<YOUよりもI>
相手の行為や存在を承認するとき、二つの立場がある。一つはYOU、もう一つはI。
YOUのスタンス。君はエネルギッシュだね。君は論理的な文章を書くね。君の服装のセンスは抜群だね。
Iのスタンス。「君と一緒に仕事をしているとこっちまでエネルギーがわいてくるよ」「君の書いた文章を読むと、こうやって論を進めていけばいいのかって分かるから勉強なるね」。
YOUよりもIの方が有効である。
6)怒ることととしかること
怒る・・・For me
しかる・・・For you
7)二つのほめ方
ほめるというのは、成果や結果に対して承認の言葉を投げかけることだ。しかし、いつもいつも目に見えるような成果が出るとは限らない。逆の結果がでることだってある。
結果ではなくて「今こうしているね」という過程を認める。
結果はまだ出ていないけど、君がそこへ向かって行動していることは知っているよ、その方向性で間違っていないよ、それは価値のあることだよ、を伝える。