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戸田智弘のブログ

ライター&個人投資家&主夫

『コーチングのプロが教える 「ほめる」技術』(鈴木義幸)

2007年09月02日 | レビュー

「ほめる」技術 「ほめる」技術
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2002-06-24

 『働く理由』(ディスカヴァー21)を書いているとき、「人をほめるというのはどういうことなのだろうか」というところで行き詰まり、『コーチングのプロが教える 「ほめる」技術』(鈴木義幸)をアマゾンで購入した。
 
 この本のポイントをまとめた。
 
1)「他己説得」よりも「自己説得」

「自己説得」した行動は、「他己説得」された行動よりも、現実化する可能性が高い。つまり、自分で納得して自分でそうしようと決意して自分で行動すると実を結ぶ可能性は高い。しかし、他人から言われたことを不承不承受け入れて、行動するのは実を結ぶ可能性は低い。
 
2)他者へのエネルギー供給をアクノリッジメントという

アクノリッジメントとは、相手の存在を認めること。ほめることはその一部にすぎない。

目的地が決まり、自己説得により取るべき道が決定され、その人が動きだしたとしても、最終的に目的地にたどりつくためには「エネルギー」が供給され続ける必要がある。

エネルギーの供給は回数が多いほど、バリエーションが多いほどよい。

3)ほめるとは?

ほめるとは美辞麗句を並べることではない。相手が心の底で聞きたいと思っていることを、言葉で伝えてあげること。そのためには、相手を観察、洞察しなければならない。

4)任せることをスーパーアクノリッジメントという

部下は、ほめられ、任されたときにやる気をだす。

任せるとは押しつけることとは違う。任せるとは、相手の裁量で進められる部分をきちんと与えて仕事を振ること。ただし、最終的な責任は上司がとるという態度が肝心。

そのためには、常日頃から部下を観察する。「このレベルにいるのだから、これなら任せられる」を考えておく。

5)承認を与えるには<YOUよりもI>

 相手の行為や存在を承認するとき、二つの立場がある。一つはYOU、もう一つはI。
 
 YOUのスタンス。君はエネルギッシュだね。君は論理的な文章を書くね。君の服装のセンスは抜群だね。
 
 Iのスタンス。「君と一緒に仕事をしているとこっちまでエネルギーがわいてくるよ」「君の書いた文章を読むと、こうやって論を進めていけばいいのかって分かるから勉強なるね」。
 
 YOUよりもIの方が有効である。
 
6)怒ることととしかること

怒る・・・For me
しかる・・・For you 
 
7)二つのほめ方

 ほめるというのは、成果や結果に対して承認の言葉を投げかけることだ。しかし、いつもいつも目に見えるような成果が出るとは限らない。逆の結果がでることだってある。
 
 結果ではなくて「今こうしているね」という過程を認める。
 
 結果はまだ出ていないけど、君がそこへ向かって行動していることは知っているよ、その方向性で間違っていないよ、それは価値のあることだよ、を伝える。

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『利他性の経済学―支援が必然となる時代へ』

2007年04月06日 | レビュー

『利他性の経済学―支援が必然となる時代へ』(新曜社、2006-04-01出版、舘岡康雄著)を読んだ。

帯には、「人も、企業も、国家も、もはや事故の利益を追求するだけで最大の利益をあげることはできない」とある。

要点をメモした。

1)人は管理されることより支援される方を好む。
 
 貧しい社会では安全や生存、帰属の欲求が十分に満たされていないため、それらを獲得することと引き替えに誰かから管理されることを受け入れる。しかし、それらが満たされた豊かな社会では、自らの意志と責任において社会や他者との関係性を決めようとする。

2)支援という言葉の頻度は増えている

読売新聞に掲載された「管理」という言葉と「支援」という言葉の使用頻度を調べてみると、次のような結果になった。

1998年に「支援」が「管理」を追い抜いている。
2003年度には、「支援&企業」は「管理&企業」の1.54倍に達している。

3)管理と支援の本質的な違い

管理は自分から出発して相手を変える行動様式
支援は相手から出発して自分を変える行動様式

4)支援する能力ではなく支援してもらえる能力

 支援社会では、支援する能力よりも支援される能力の方がより重要になってくる。なぜならば、<支援する-支援される>の意志決定は支援される方にあるからである。
 
5)支援してもらえる能力とは

*相手を一人の人間として同等の立場を持った人間として扱うこと。管理は上下関係、支援は横の関係である。
*支援した経験があること。支援したことがない人を人は支援しない。
*志が高いこと。利己的ではなく利他的であること。
*目標が高いこと。自分が支援しないと、目標を達成できないのではないかと思わせるかどうかだ。

以上

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『「3年目社員」が辞める会社、辞めない会社』

2007年03月23日 | レビュー

『「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社』( 東洋経済新報社 、2006年12月、森田英一)を読んだ。

帯には、

どうすれば若手が辞めずに育つのか!?
「やる気」を生み出す「自律組織」のつくり方。

とある。

要点をメモした。

1)新規大卒者(大学院含む)が入社3年以内に転職する割合は35.7%まで上がっている。(厚生労働省「新規学校卒業就職者の就職離職状況調査」平成18年調べ)。そして、この比率は年々上がっており、遠からず4割を超える。

2)若手社員にとって3年目とはどういう時期か? 転職市場での価値が高まる時期、転職の言い訳がしやすくなる時期、仕事へのマンネリ感が出てくる時期、自分が見えてくる時期、自分のキャリアに対する不安が生まれる時期--である。

3)今、起きている変化とは、個人にしてみれば「もやは会社には頼れない。自分自身で自律的にキャリアデザインしなければならない」時代であり、同時に「本気でそのつもりになれば、今の会社で我慢しなくてもほかの生き方がある」時代である。

4)人材を引き留めることができるかどうかは、現在と将来に関して成長実感が持てるかどうか、自分の存在意義を実感できるかどうか--の二点である。

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『お金より名誉のモチベーション論』

2007年03月22日 | レビュー

『お金より名誉のモチベーション論―“承認欲求”を刺激して人を動かす』( 東洋経済新報社 、2007年1月、太田肇)を読んだ。

 帯には、
 
 職場で尊敬され認めてもらうことを何よりも熱望していながら、口には出しにくい日本人の心理を赤裸々に解明。
そうした「隠れた承認欲求」をたくみに顕在化して、巨大なパワーを引き出す、新たなインセンティブ手法を満載した待望の書。

とある。

 ポイントをまとめた。

1)社員の多くは「経済人」(ホモ・エコノミクス)ではなく、「承認人」(ホモ・リスペクタス)である。
 
2)有名なマズローの理論によれば、承認欲求は自己実現欲求の下にあり、承認人欲求がある程度満たされた人はそれが重要ではなくなり、こんどは自己実現欲求に動機づけられる、ことになっている。しかし、著者はこれに全面的に賛同できないとしている。なぜならば、自己実現欲求と承認欲求は深く関係しているからである。この述べている。
 
3)承認欲求は二つの条件によって成り立っている。一つは傑出性。他人と同じなら尊敬されることはない。もう一つは、相手に認めてもらうだけの人間関係が存在することだ。欧米では傑出性のウエイトが高く、日本では関係性のウエイトが高い。

4)承認欲求を支えるものとして、関係欲求(クレイトン・P・アルファーダ)がある。関係欲求とは、家族、上司、同僚、部下、友人、ならびに敵などの重要な他人との人間関係に関する欲求である。

5)承認欲求の中には<認める-認められる>という双方向の関係をつくりたいという気持ち、すなわち「認められたい」という受動的な欲求だけでなく、「認めたい」という能動的な欲求も含まれるのではないか。

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『論理力トレーニング101題』

2006年08月23日 | レビュー

「論理的な文章を書く」ためにはどういう知識やスキルが必要なのか。これについて書かれた本をこの数カ月間、探し続けていた。これがありそうでなかなかない。「論理」「論理的」「ロジカル」「文章」といったキーワードでグーグル(検索)し、適当な本を手当たり次第に読んだ。

 最初に選んだのは、『論理的な文章が自動的に書ける!』(倉島保美、日本実業出版社)と『論理的に書く方法』(小野田博一、日本実業出版社)の2冊。はっきり言って物足りなかった。内容が浅い。
 
 次に出会ったのが『コミュニケーション技術』(篠田義明、中公新書)。この本はなかなかの内容だ。しかし、参考になる部分は多かったものの、自分の本当に知りたいことは書かれていなかった。

 最後に見つけたのが『論理力トレーニング101題』(野矢茂樹、産業図書、2001年)という本だ。この本こそ自分の探していた本だった。内容がふかーーい。自分の知りたかったことーー文章と文章のつなぎ型について詳しく書いてある。
 
 著者の野矢は東大教養部の教授、論理学の研究者である。
 
「論理的な文章を書く」方法へのアプローチはいくつかある。英文のライティング技術を参考にする方法、コンサルタントが活用するスキルを応用する方法、論文の書き方からのアプローチなどである。いずれも自分にとっては「帯に短し、たすきに長し」であった。この本のように、論理学の基礎知識を活用しながら、文章の書き方についてアプローチをした本は今までなかった。
 
 帯には「101問のステップ・アップ。解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられないただ実技あるのみ。論理トレーニング第二弾。」とある。前書きには「どうだ、こんな本、いままでなかただろう・・・」と書いてある。まったその通り、今までのなかった本です。
 
 この本はけっこう売れている。大きな書店では平積みになっている。
 
 野矢はこの本に先立ち、『論理トレーニング』という本を出している。どちらか一冊だけ読みたいというのなら、『論理力トレーニング101題』で良いだろう。両方読みたいという人は、『論理力トレーニング101題』→『論理トレーニング』という順番の方がいい。

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『内藤忍の資産設計塾』

2006年08月22日 | レビュー

 本屋へ行くと株の本が所狭しと並んでいる。『1億円が儲かった』とか『1年で2億円稼いだ』とか勇ましい本がある。こういう本は買うだけ損、百害あって一利なしである。お薦めできる本は限られてくる。自分のポリシーに最も近いのは内藤忍の考え方だ。

『内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法』
自由国民社 (2005-01-30出版)
内藤 忍【著】
 
 著者の内藤忍が勧めるのは、「株式投資で短期的に利益を上げようとする運用」から「株式だけでなく、外貨、不動産、債権を組み合わせた長期運用」への転換である。そして、日本株式、日本債券、外国株式、外国政権などを組み合わせることで、リスクを押さえながら適度なリターンを狙うという至極真っ当な方法である。
 
 具体的には、次のような標準的な資産配分(アセットアロケーション)を示している。
 
 日本株式・・・30%
 日本債券・・・10%
 外国株式・・・20%
 外国債券・・・20%
 その他・・・・20%。
 
 これは、過去のデータから、資産全体の1年間の変動率が最大で20%以下に収まるようにということで導き出された資産配分である。

お勧めの本だよ。

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『愛と癒しのコミュニオン』を読んで

2005年10月04日 | レビュー

『愛と癒しのコミュニオン』(鈴木秀子、文春新書、1999年)を読んだ。キャリアカウンセラーがクライエントと相対するとき何に気をつけたらいいのかというかーーこういう視点からこの本のエッセンスをメモした。

 考えを引き出すのでもなく、積極的に質問するのでもなく、ただ話し手に注目し、注意深く耳を傾ける、つまり「傾聴」することで、話し手は自分で解決していく知恵を出すことができる。
 
 シュタイナーは、他人の言葉に耳を傾ける差異の望ましいあり方は、「自分自身の内なるものが完全に沈黙するようになる習慣」を身につけることだという。・・・まず聞くと言うことを自分の心の中に決める。・・・自分の心を空にすると決めるのである。
 
 非受容の言葉が問題なのは、話し手を受け入れるのではなく、変えようとする意志を示してしまう点にある。非受容の言葉聞いた話し手は、自分が受け入れられていないと感じて、防御の姿勢を取る。相手の言うことに抵抗するために精力を使い、自分自身や問題自体を見つめる余裕がなくなる。
 
 自分を否定されていることを好む人間はいない。誰もが自分を受け入れてくれることを望んでいる。自分が受け入れられていると感じた時、自分が愛されていることを実感し、自力でモンダに解決の糸口を探し、人生の中で成長していく。
 
 人間は誰でも「唯一の根元的欲求」からあらゆる行動をする、といわれている。唯一の根元的欲求とは「自分の存在が他者から理解され、認められ、受け入れられ、できれば高く評価され、大切にされたい。と同時に自分自身もまた自分がよい人間だと思えるような、他の人に役立つ存在でありたいという希求」だ。
 
 他者は帰ることはできない。過去も代えることはできない。変えることができるのは自分自身と、自分のものの見方だけなのだ。
 変えられるはずのないものを変えようとして苦しむのは、愚かである。
 変えられれば幸せになるのに、変えないのはもったいない。
 そして変えられるものをよく変える知恵、変えられないものを受け入れる知恵によって、自分を無限に幸せにする力をすべての人が持っている。

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『心の対話者』を読んで

2005年10月03日 | レビュー

『心の対話者』(鈴木秀子、文春新書、2005年)を読んだ。キャリアカウンセラーがクライエントと相対するとき何に気をつけたらいいのかというかーーこういう視点からこの本のエッセンスをメモした。

「神は、口は一つしかつくられなかったが、耳はふたつつくられた」という格言がある。「聞く(聴く)」ことの重要性を知り、「聞く」技能を高めていくと、人間関係は良好になり、新しい出会いが生まれてくる。その結果、ビジネスにおいても飛躍的な成果をあげることができりょうになる。

「話をしっかり聞く」ということは、・・・「相手がどのような話をしても、それに寄り添って付いていく」ということだ。

 ミラーリングとは、相手の言う内容をそのまま返すこと。これは、「否定も肯定もしない」という受容的な聞き方の代表的な技法である。ただし、オウム返しの応答は相手をしらけさせてしまう。そうならないように「言い換え」をすると良い。
 
 聞き上手の人は、「もっと話をさせよう」とか「もっと話を深めよう」といった意識を持たない。話し手はそれを敏感に察知するからだ。質問は最低限、相手の話の不明な部分にのみ差し挟み、それ以外は、相手の話の流れに沿って、相づちやミラーリングを、適切にリズムよく返していく。
 
 名前で呼びかけるのは非常に大きなストローク(相手に働きかけること)になる。クライエントの鈴木さんに「こんにちわ」と呼びかけるよりも、「鈴木さん、こんにちわ」と呼びかける方が、鈴木さんは「自分が相手に受け入れられている」と感じる。
 
 サンドイッチストローク(まず最初に良いことを言い、次に悪いことを言い、最後に良いことを言うテクニック)を使えるようになると良い。たとえば「よく勉強したね。でも50点しか取れなかったのは残念だね。でも次が楽しみね」というように。
 
 受容とは、相手の言うことを「肯定」も「否定」もせずに受け、応えることだ。アメリカの心理学者トマス・ゴードンは、「非受容」の姿勢を12の類型ーー①命令、指示、強要、②注意、脅迫、③訓戒、説教、④忠告、解決策などを説教、⑤講義、講釈、論理の展開、⑥判断、評価、批判、反対、非難、⑦悪口をいう、ばかにする、はずかしめる、⑧解釈、分析、診断、⑨中止、撤退、注意をほかへそらす、笑いにまぎらす、⑩探る、質問、尋問、⑪賞賛、同意、お世辞、⑫激励、理解、同情ーーに分けている。

 話し手が問題を抱えていても、その問題は聞き手のものではない。問題を処理し、解決を探る主体は、あくまでも話し手なのである。聞き手は、話し手の問題を抱えこんだり、解決してあげようと思う必要はない。これを「問題所有の原則」と呼ぶ。
 
 自分の中に湧き起こる思いを客観的に把握し、その上で「自分の思いは自分の思い。いまはこの人の話を聞こう」と心に決め、話し手の位置に意識を置くように努める。これを「フォーカシング(焦点会わせ)」と呼ぶ。
 
 共感とは相手が感じるように感じることである。
 
 相手の呼吸やしぐさ、話し方、動作などを、真似たり同調させることによって一体感を得ながら、信頼関係を築いていくテクニックーーこれを「ペーシング」と呼ぶ。

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『プロカウンセラーのコミュニケーション術』を読んで

2005年10月02日 | レビュー

『プロカウンセラーのコミュニケーション術』 (東山紘久、創元社 、2005年)を読んだ。キャリアカウンセラーがクライエントと相対するとき何に気をつけたらいいのかーーこういう視点からこの本のエッセンスをメモした。

<心は柔らかく柔らかく>

★プロカウンセラーにとって大切なのは相手の判断基準を知ることである。
★心が柔らかいとは、反対のことを同時に理解できることである。ここで注意するのは、同時に行うのではなくて、同時に理解するということ。「蓮は汚泥より出でて、汚泥に染まらず」が必要である。
★心が柔らかいということは、相手の考えや思いを理解することである。自分が相手と異なる思いを持っていたとしても、相手のことは相手のこととして受け入れることである。

<逆説の接続詞>

★プロカウンセラーは聞くときも話すときも逆説の接続詞を使わない。

<それで・・・、それで・・・>

★屁理屈ばかり人、理屈よりも感情が先に立っている人の相手をする場合は、矛盾を無理に追求せずに「それで・・・、それで・・・」と聞いていく。どうしてこの人は非論理的な考え方になってしまったのか、そこにはどんな感情や心情が潜んでいるのかを、教えてもらうような気持ちで対するといい。
★相手の意見に賛成ではないけれど、やむを得ずその人と関わらなければならないときは、相手の理屈ではなくて情を理解しようと努めればいい。

<夢と現実>

★「・・・したい」(夢)と「・・・する」(現実)との区別を意識しよう。「・・・したい」は夢なのだから、その夢を否定せずに聞いてあげればいい。その夢が現実的かどうかを判断するのは、夢を聞く人ではなくて夢を語る人自身である。

<過去と未来>

★人間は過去に重きを置きすぎると縛られる。未来に依存しすぎると不安になる。しかし、過去がないと現在を定位できない。未来がないと生きていけない。

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『プロカウンセラーの聞く技術』を読んで

2005年09月30日 | レビュー

『プロカウンセラーの聞く技術』 (東山紘久、創元社 、2000年)を読んだ。キャリアカウンセラーがクライエントと相対するとき何に気をつけたらいいのかというかーーこういう視点からこの本のエッセンスをメモした。

<基本>

聞き上手になるには、こちらから話したくならないような訓練が必要である。

<あいづち>

★「話を聞いているよ」と相手に伝える最良の方法はあいづちを打つことである。
★あいづち以外はしゃべらない。意見を聞かれたときは短く(文章にすれば1行以内)答える。
★相づちの種類を豊かにしよう。
★繰り返しは、明快に、短く、要点を掴んで、相手の使った言葉で。
★話を深めていくように意識せよ。しかし、深めよう、深めようと意識しすぎては駄目。相手が警戒して身がまえてしまう。話を深めていくには、会話の流れに逆らわないようにすること。そのためには「あなたの話をよく聞いているよ」「あなたのすべてを受容しているよ」ということが相手に伝わるような相づちを打つことだ。

<傾聴>

★積極的に聞くとは、あくまでも積極的に聞くことである。積極的に「尋ねる(ask)」ことではない。だからといって、消極的にしか相手に関与しないような態度ではいけない。
★相手から話を聞きだそうとしてはいけない。それはカウンセラーの「スケベ心」である。
★沈黙や間は会話が途切れているのではない。心の中の会話がずっと続いているのである。

<その他>

★相手の言ったことを肯定的に捉えるというのは、相手の話に賛成するということではなくて、相手の話は相手のこととして認めることである。
★答えられないような難しい質問には「それは難しいですね」とだけ答え、相手の心を聞く。
★「一緒に考えよう」と言うのは「聞くモード」ではなくて「言うモード」に入っていることを理解せよ。
★「それは君が考えること」と言うのは、「逃げモード」に入っていることを理解せよ。
★相手の話を素直に聞くこと。反論したいときでも、話をよく聞いてあげる。そうすると、相手の意見も自然に穏やかになり、反論しなくてもすむことが多い。
★「でも」「しかし」「けれど」といった接続詞を使わない。

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