●「志望動機」は「大学時代に力を入れたこと」や「私の長所」よりも難易度は高い。
なぜならば、「大学時代に力を入れたこと」や「私の長所」は自分のことを書けばいいのですが、「志望動機」は、自分のこと、そして業界や会社のこと、さらに自分と会社がマッチングしている(ぴったり合っている、ニーズがずれていない)様子について書かなければならないから。
●良い志望動機と悪い志望動機の違い
最悪:会社のことを調べていないことが見え見えで、どこの会社にも提出できるような志望動機
悪い:会社のことは調べているようだが、文章が会社のPRになっていて、自分のPRになっていない志望動機
良い:会社のことをよく調べていることが行間から読み取れ、なおかつ会社のPRではなくて、自分のPRになっている志望動機
「悪い」を「良い」に転換するには、「具体的には?」と「なぜ?」を自分に問いかける。
たとえば、「・・・貴社の事業内容(社風、企業理念)に魅力を感じ・・・」であれば、
どのような事業内容(社風、企業理念)に興味を持ったの? どうしてあなたはその事業内容(社風、企業理念)に興味をもったの?
を考えてみる。
●志望動機を書く手順
1)取りあえずの「自分軸」を見つける
「自分軸」とは何か? 会社や仕事を選ぶときの自分の基準です。自分のこだわり、自分らしさ、自分の大事にしたいこと、自分がこれだけは譲れないこと――と言ってもいいでしょう。
おおよそ
A「業界や会社にこだわる人」・・・どんな業種の会社なのか、どんな会社なのかを重視する。仕事の内容自体にはあまりこだわらない。
B「仕事内容(事業や職種)にこだわる人」・・・具体的にどんな仕事をするのか、どんな職種で仕事をするのかを気にする。どんな業界に入るかとか、どんな会社に所属するかはあまりこだわらない。
C「人にこだわる人」・・・どんな人と一緒に働くのか、どんな雰囲気の中で仕事をするのかを重視する。業種や職種にはあまりこだわりがない。システムより人。
D「環境や制度にこだわる人」・・・会社の環境や制度を重視する人。
の四つに分類できる。
2)その自分軸に沿って、業界や会社についての情報収集をする。
3)情報収集の過程で魅力を感じる会社がいくつか出てくる。そうしたら、どうしてその会社に自分が魅力を感じるのかを考えてみる。それが自分軸かもしれない。
また、複数の魅力を感じる企業が出てきたら、その企業に共通するものは何なのかを考えてみる。その共通することが自分軸かもしれない。
4)あらたな自分軸が見つかる、自分軸が変化していく、自分軸が進化していく、本当の自分軸が固まっていく
5)志望動機が書ける
●文章の型
A「業界や会社にこだわる人」
この業界のこんなところに魅力を感じた → その理由 → この会社のこんなところに魅力を感じた、→ その理由 → 入社したらこんなふうに貢献したい
B「仕事内容(事業や職種)にこだわる人」
その職種にこんなところに魅力を感じた → その理由 → 自分の適性(長所)とのマッチング → その会社のこんなところに魅力を感じた → その理由 → 会社に入ったらこんなふうに貢献したい
C「人にこだわる人」
出会い → その人のどこに魅力を感じたのか → なぜそこに魅力を感じたのか → 会社に入ったらこんなふうに貢献したい
どんな社風だと理解したか → どうしてその社風に魅力を感じたのか → 会社に入ったらこんなふうに貢献したい
D「制度にこだわる人」
どんな制度に魅力を感じたのか → なぜその制度に魅力を感じるのか → 会社に入ったらこんなふうに貢献したい
*「会社に入ったらこんなふうに貢献したい」というところでは熱意や意欲を伝える。
*どれか一つの書き方ということではなく、A~Dを上手に組み合わせて書く。
●そのほかの注意点
*その会社のキャリアパスを調べておくと最後の締めの部分が書きやすくなる。
*興味に触れるときは、消費者の立場ではなく生産者(サービス提供者)の立場で語るべき。
*「・・が好き」という視点よりも「・・・ができる」という視点
*「・・が好き」と書くなら詳細に。競合他社の製品と比べてどこがどうなので優れているとか。
*受け身は×、主体性が○。会社が私に何をしてくれるかではなく、私が会社に何ができるのかを語る。
*会社の強みだけでなく弱み 業界の追い風要因だけでなく向かい風要因について触れるとよい。
*「大学時代に力を入れたこと」や「自分の長所」と「志望動機」つながっていなければいけない。つまり、自分の経験や自分の適性が志望動機の中にしっかりと繁栄されているように書く。
ワークシートの項目