長文になります。
父は糖尿病の基礎疾患がある。
そして、2月に入り
認知機能の低下が目立ってきた。
先週の火曜日の夜、兄から電話があった
兄「お父さんが風呂から1時間以上も出てこない!
出るように促しても、ずっと湯船に浸かっていて言う事を聞かない!」
ボク「それは危険だから、力ずくでも出さないと。
脱水で意識障害が発症すると溺れたりするから出して、お願い!」
翌日(水曜日)の夜、再び兄から電話
兄「お父さんがお漏らしした。布団もマット濡れてしまっている!」
ボク「すぐにオムツ履かせて、濡れた布団は片づけておいて!
朝になったらまたオムツを交換して!」
これまではトイレに行けていたのに
急激に衰えてしまったようだ。
木曜日、妻が千葉の実家へ様子を見に行った。
レンタルしているベッドのマットが悲惨な状況になっているのと
会話が通じない。
を行ったところ、2点だった。(4点以下は高度の認知症)
担当のケアマネージャーに連絡をとったところ
「既に24時間、誰かが付き添わなくてはならない状態になっているので
まずは1週間ほどショートステイに入れましょう
こちらで空きのあるステイ先を探します」
という事になった。
ヨーグルトに大量の塩をかけて食べていたり
スティックシュガーをコーヒーに大量に入れて飲んでいたという。
味覚にも障害が出ているのか。
大便だけは、漏らさずにトイレに行ってしていたそうだ。
金曜日、ボクが付き添う事になった。
玄関に入るだけで尿臭い。
朝8:30に到着すると台所で椅子に座りながらリンゴを切っていた。
パジャマ下半身は膝まで下げて、オムツは腿まで下げている。
尻、チ〇コも丸出しだった。
ボク「父ちゃん、おはよう」
父「とちか、来たのか。朝ごはん作っているんだよ」
台所のシンクにはお皿、その中に輪切りのナスがたくさんあった。
しかも暖房をつけていないので激寒のリビングだ。
ボク「そんな恰好だと寒いでしょ。エアコンつけるよ。朝ごはん食べたの?」
父「これから食べるんだよ」
ボク「何を?」
父「これだよ」
そう言った父は、味噌汁のお椀にリンゴの角切りとナスの輪切りを
山のように積み上げていった。
何だか嫌な予感がして電子レンジを開けてみた。
すると...
お皿に同じくリンゴ角切りとナスの輪切りが載った皿が
コンビニ袋に入れてあった。
レンジのガラステーブルが液体まみれになっている。
奥を見るとヤクルトが2本、蓋をしたままで破裂していた。
かなり熱したみたいで容器は縮み割れている。
やってくれた((+_+))
ボク「レンジでヤクルト温める人いないでしょ。これ朝ごはん?」
父「そうだよ、食べるんだよ」
そう言いながらも...
お椀山盛りも、レンジのヤクルトまみれコンビニ袋入りナスリンゴも
食べる様子なく...
マグカップにスティックコーヒーを入れ出した。
しかも5袋。
ボク「父ちゃん、濃すぎるんじゃないの?」
父「いいんだよこれで」
そう言って、スティックコーヒーの粉を入れたマグカップを
冷蔵庫にいれてしまった。
またしても理解不能な行動。
ボク「あれ?飲まないの?お湯入れないの?」
父「いいんだよ、すぐに飲むよ」
父は何食わぬ顔でテーブルに移動した。
ボク「父ちゃん、オムツ変えよう」
素直に応じてくれたのでオムツを履き替えることが出来た。
パジャマもびしょ濡れだったので新しいものに履き替えさせた。
再び父はマグカップにスティックコーヒーを入れ出した。
一つ、二つ・・・このままだとヤバイと思い
途中でお湯を入れた。
一口飲んだら「味が全然ないよ」と言って
またスティックコーヒーを入れ始めた。
ドロドロの甘いコーヒーを一気に飲み干した。
父「とちか、もう一杯飲みたいから入れてくれ」
ボク「ああ、分かった」
先ほど冷蔵庫に入れたマグカップにお湯を注ぎ父に出した。
お薬カレンダーを見ると本日の薬がそのままになっていた。
ボク「父ちゃん、朝の薬飲んでないね。
飲み忘れているみたいだから、このコーヒーで飲んでくれる?」
ちょっとドロドロしたコーヒーだけど」
薬を口に放り込み、ごくごく飲んだ。
ケアマネージャーから電話がかかってきた。
「ショートステイ先が見つかったのですが、この施設は
医療的介入が必要でないことを条件に、受け入れ可となります。
そのため、病院で脳のCTあるいはMRIを受けて
脳腫瘍や脳梗塞などの疾患が無いという診断を受けて頂く必要があります。
これからすぐに、どちらかの病院へ行けますか?」
ボク「はい、〇×病院へ連れて行きます」
ケアマネ「それでは、△△在宅クリニックの医師に紹介状を
〇×病院へ送信して頂きますので、受診して診断書を頂いてきてください。
本日午後に訪問診療を行いますので、その際に医師に渡して下さい」
ボク「承知いたしました。直ぐに受診してきます」
ここで仕事中の兄に連絡。
父の行動やショートステイの話
急遽、病院へ行くことを伝えた。
病院へ行く準備をしていたら、父が嘔吐した。
ドロドロ激甘、濃厚コーヒーと薬を
テーブル一面に吐き出した。
真っ黒である。
あちゃぁ~!!!
直ぐに病院へ行かなくてはならないのに...
捨ててもいいタオルを5枚ほど使い掃除。
ゴミ箱に放り込んでタクシーを呼ぶ。
ボク「父ちゃん、マスクしておいて」と言っておいた。
父親が来ているダウンベストにも多少嘔吐物が付いているが
濡れティッシュで拭いて出発。
病院へ到着して車椅子に乗せ受付へ行ったら
「患者様、必ずマスクを着けて下さい!」と注意された。
あ~、父ちゃん...言っても着けてくれていなかった。
そうだよなぁ...それが認知症。
ボクが家で着けるところまでやらないといけなかった。
(自分も焦って確認していなかった)
(タクシーの運転手さんも教えてくれなかった)
病院内ほぼすべての患者たちの
冷たい視線がボクに集まった。と言うか刺さった(>_<)
恥ずかし~!!
急いでボクが予備として持っていたマスクを装着。
受付・診察・CT・結果診察・診断書待ち・会計と2時間半ほどで終了。
会計が終わった頃に
仕事を切り上げた兄が病院に駆けつけてくれた。
帰宅して、昼食時に父は
コンビニおにぎり1個と甘いカフェオレ500mlのペットボトルを飲んだ。
甘いものは「美味しい」と言いながら一気に飲み干してしまう。
こんなに「甘いもの中毒」になるのはこれまでになかった。
すると...なんと、この日2度目の嘔吐!!
あちゃー、これから訪問医が来るのに...
急いで掃除...
萎える~((+_+))
15時前ぐらいに訪問診療の医師と看護師が来た。
現在の状況を説明し、診断書を渡した。
医師は父と対話し、血圧、SPO2を測定し、採血も行った。
この時の採血が後日、入院の決め手となった。
父は医師の前では「元気です」などと言っていた((+_+))
この日の夕方に、レンタルベッド屋がマットを交換してくれた。
まっさらで無臭のマット。
そして防水シーツをベッドの中央部分に敷いてくれた。
予備も1枚購入した。
再びケアマネージャーからの電話で
「明日(土曜日)10時にショートステイと
その後についての打ち合わせをしましょう」
と連絡があり、この日は終わった。
長い一日が終わった。神奈川へ帰宅した。
まさか翌日も劇的な展開になるとは予想していなかった。
土曜日、再び実家(千葉)へ。
朝、自宅を出てすぐにスマホが鳴った。兄からだ。
兄「お父さんがウン〇漏らしていた!
布団もマットも便まみれになっている!
防水シーツあったけど、お父さんが自分でなんとかしようと
もがいたみたいで、範囲外まで汚れてしまった」
あ...そこまで来てしまったのか...
昨日、尿汚れマットを交換したのに今日は便汚れマット??
ボク「とにかく到着したら風呂に入れるから
オムツだけでも替えておいて!布団は捨てよう!
風呂沸かしておいて!」
歩きスマホでこんな話をしながら駅に向かう。
到着後、すぐに風呂へ。
なんだか素直。
兄は言う「とちかが来るとお父さんは素直なんだよな」
普段の関係性が出ていると思うのだが...
いきなり湯船に浸かり、気持ちよさそう。
いつから風呂に入っていないのかは不明。
兄と父は仲が悪く
基本的に父を放置しているから
このような状態になるのも予想が付く。
兄は夜と早朝に確認しなかったのだと思う。
朝8時前の電話で「ウン〇漏らしていた!」では遅すぎる。
前夜22:00、朝5:00の2回は確認しないと。
まぁ、言っても仕方ない。
朝10時からケアマネ、兄、ボク、妻、父の5名で話し合い。
父はボンヤリしている。
1時間ほどで話し合いが終わり
午後にショートステイの担当者が説明に来ることになった。
が、しかし
ケアマネが帰った直後に訪問診療の医師から電話があった。
「血糖値が660、HBA1Cが15.6になっているので入院が必要です。
これから入院先を探しますので準備をして待機してください」
※空腹時血糖値70~99、食後2時間血糖値80~130が正常値
HBA1C=4.6~6.2が正常値
父はどちらも、かなりの異常値だった。医師も驚いたと思う。
再び電話があり「〇×病院で入院許可が出ましたので
救急車を呼んで行ってください。紹介状を送信しておきます」
ケアマネに電話し、ショートステイはキャンセル。
え?昨日CT撮った〇×病院へ今日入院?
言われた通りに救急車を呼びボクと妻が救急車に同乗し
兄は荷物を車に乗せて着いてくることにした。
救急隊は発熱・コロナを警戒しているようで
ワクチン接種が終わっているか確認され
体温を測った。36.5度、異常なし。
救急外来に到着し、家族待合室で1時間半ほど待たされた。
いろいろ検査をしているのであろう。
その後、病棟へ移動し様々な書類を書かされた。
結局、救急外来へ到着したのが13時前
病院を後にしたのが16時過ぎ。
3時間ほどかかった。
父は「急激な血糖値憎悪」による緊急入院となった。
現時点では、入院期間は2週間程度の見込みだという。
糖尿病がコントロールされていないのは
「内服管理」+「食生活」双方が乱れていたのだと予想している。
平日朝6時~20時半まで1人で過ごしていて
好きなモノを食べ、飲み、薬をきちんと飲まない(飲めない?)
これを連日繰り返していれば、体を壊すのはやむを得ないところだ。
父の中で、薬の事はすっかり忘れてしまっていることだろう。
認知症により、自分で薬と食事の管理をするのが困難なので
どうしても施設に入らなければならなくなる。
お漏らし、お風呂など衛生面も管理が必要だ。
今回、何故入院しているのか本人は分かっていないだろう。
どうして病院にいるのか。
これは、弟が入院する時と同じだ。
弟は自分が病気であることを知らないまま、入院することになった。
「オレは病気じゃねー!!」と叫び
激しく暴れる弟を車に乗せ病院へ連れて行った。
あの日はとても暑い夏の日で...悔しくて、悲しくて。
今回はとても寒い冬の日だ。
やっぱり辛いよ、父ちゃん。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
※若かりし日の雪山登山。奥穂高岳(標高3190m)へ向かう途中、本谷橋にて撮影。
あぁ...自分って元気だったのだなぁ...今ではもう無理、登れない...