武志の【作業日報】

こだわり天然素材の革製品、シルバーやグラスアートをしている職人の作業日報とその日常です。

シルバー・コンチョ製作

2009年03月19日 | 作業工程公開 Silver
えぇ~・・晴れて気持ちがいいですね。
日曜に高校の同級生が味噌を作ってみたいとの事で、お世話になっている
サイト製作会社の社長さんにお願いし、またまた味噌を作りに行ってきました
楽しい味噌作りになりましたよ
なんだか笑ってばかりいた気がします
最近、なんだか笑ってばかり。良い事ですね。

さてさて、仕事の話ですが・・・
僕がやってる革や銀細工の工程をブログに載せてみたら?
ってなご意見を何人かに頂きました。
どうやら僕のブログ、僕と同じチャンネルの持ち主だけに受け入れられるようで・・
もう少し間口を広げるためにも記事の内容に幅を持たせよう
って事になりました
俺、自分では普通だと思ってるんだけどな~・・

ってな感じで、シルバーコンチョの製作工程をご紹介してみようと思います。
それでは行って見ましょう



シルバー・コンチョ製作工程 1

2009年03月19日 | 作業工程公開 Silver
えぇ~、では簡単なシルバー・コンチョの製作工程を順を追ってご紹介したいと思います。

そもそも、コンチョってなに? 何なの? 何なに?
語源はスペイン語のコンチャで、意味は飾りボタンの事だそうです。はい
シルバーで作るからシルバー・コンチョ。
巷にはシルバー・コンチョと言っといてメッキ物も多く出回ってますね。 駄目でしょ~

うんちくはさて置き、まずは素材の地金。
Silver950の板。
銀は純度が高いと柔らかすぎるので割り金として主に銅を混ぜ合金にします。
95%が銀で5%が銅などその他の金属が入ってるって意味なんですね。
因みにSterling SilverはSilver925です。
今回使ってるのは純度が高いぜ、兄さん



今回は直径2cmほどのコンチョを作りますので、コンパスで直径2cmの円をけがきます。
キィィ~って音出しちゃ駄目だよ



けがいた線より少し大きめに糸鋸のこのこで切り取ります。



切り取り完了



それを今度はヤスリでけがいた線まで削り、まる~くしていきます。



丸くやすったところ。綺麗に丸くしましょう


シルバー・コンチョ製作工程 2

2009年03月18日 | 作業工程公開 Silver
えぇ~、それで今度は火をいれて”なまし”ます。
この工程を”なまし”と言います。
なまして金属を柔らかくするんですね。

シルバーが少し赤くなるまでなまします。
その後水に入れ熱を取ります。
冷まさないで手で持つと当然火傷します。
この前やりました
左手の親指と人差し指がやられました。1人自分焼肉です・・・




その後、刻印を打つ目安線をコンパスや定規で入れておきます。




さて、いよいよ刻印を打刻していきます。
先程入れた目安線に沿ってズレないように注意して打刻します。
1番緊張する作業工程です。



外周が打ち終わったところ。



続いてデザインに沿って全ての刻印を入れていきます。
因みに刻印は自分で作るんですよ
本当はそこから作業なんです。
いらなくなったヤスリやドライバーなどを使って作ります。




シルバー・コンチョ製作工程 3

2009年03月18日 | 作業工程公開 Silver
はいはい、どんどん行きますよ~。

次は外周に打った刻印の谷間のところに少し糸鋸を入れてからヤスリを入れ、
切込みを作ります。




切込みが入ったところ



そこからヤスリを更に掛けて行き、外周を刻印に沿って花びらのように仕立てます。
形になったら紙やすりまで入れておきます。



さて~、今度はいよいよこの本体をドーム型に凹ませます。
その前にまた火を入れ”なましておきましょうね。
今回は木製のサイコロ台と矢坊主を使いました。やぼうず・・



これで本体は完成ですね。
お次は足を作っていきますよ~


シルバー・コンチョ製作工程 4

2009年03月17日 | 作業工程公開 Silver
えぇ~、次は足を作ります。
同じくSilver950の角棒を用意。2×2mmの角棒を今回は使用。
適度な長さに切って火を入れ、なました後にローラーで薄く引いていきます。
指を挟まないようにね



今回はしっかりとした足が必要なので、厚み1mmにしました。
飾りでつける分にはもっと薄くて良いと思います。0.6mm位。



再度なましてから折り曲げの目安線を引いてヤットコで折り曲げていきます。
ヤットコせ ←オヤジギャグ ・・・2点。 




折り曲げたところ



これで足は完成
今度は本体と足をくっつけていきますよ

シルバー・コンチョ製作工程 5

2009年03月17日 | 作業工程公開 Silver
今度は今まで作ってきた本体と足をロウ付けしていきます。
使用するのは銀5分ロウ。
まずはフラックスを本体の裏面に塗ります。



この後に銀5分ロウを置き、バーナーで炙りロウを溶かします。
ロウが解けた瞬間にピンセットで挟んだ足を置き火を離します。
するとどうでしょう、くっつきましたね~
ちゃんとロウが流れて本体と足が付いているか確認しましょう



ピントがボケてます。ごめんなさい。



このロウ付け、なれないとなかなか上手く行きません。
慌てず、かといってゆっくり過ぎてもいけません。
何度かやるうちに慣れてきます。頑張りましょう

シルバー・コンチョ製作工程 最終工程!

2009年03月17日 | 作業工程公開 Silver
んぁ~、
ロウ付けまでできたら残りは仕上げ作業ですね、いよいよ

まず、先程ロウ付けしたコンチョを酸で洗います。
水で薄めた酸を火に掛け、その中に先程のコンチョを入れます



沸騰したら弱火にして少し放っておきます。
まぁ、お酒飲んだりタバコでも吸って一休み一休み
僕はここでいつも泥酔まで一気に行きます。



酸洗い後の銀。
こんなに白く綺麗になるんですね~



今回は打刻した所を黒く燻して模様を強調したいので、燻します。
燻し液の入ったビンを熱湯で暖めておき、その中に20~30秒漬けます。



取り出して水洗いしたところ。
真っ黒です。真っ黒くろすけ です。



さぁ、最終作業です。
この真っ黒君をバフ掛けしていきます。
磨きと最終光沢仕上げの2段階で磨き込んでいきます。



ピカピカに磨いたら~
はい完成



基本的なシルバー・コンチョの製作工程はこんな感じ
いかがだったでしょうか?
なるべく判りやすいようやってみたつもりですが・・・
なにせ1人で作りながら撮影してたので、至らないところもあると思います。
ご了承下さい。

後はデザインによってコンチョに石を入れたり、ねじったワイヤーを付けたりと
色々できます。
刻印も自分のデザイン次第で色々と作っていけますし、その組み合わせも
その人次第で無限に広がっていきます。

工場の機械でいっぺんにプレスして出来てくるものと違い、1つずつこうやって
生まれてくる物は心がこもって良い物ですよね。
僕ももっともっと良い物を作れるよう日々頑張っていこうと思います。

それでは~