国の2024年度からの第3次健康日本21(国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針)を受けて、都道府県・市で、健康づくり21計画策定のためのパブコメが2023年11月頃から順次行われています。(関連して、がん対策推進、循環器病対策推進、歯科保健推進計画、医療費適正化計画なども同時並行で)
皆さまからも送付をよろしくお願いします。(パブコメ募集案内は地元の自治体のサイトでご確認ください)
1.「タバコ病による早死にを無くするための取り組み」をよりいっそう進めていただきたい。 (1)喫煙者の寿命は、我が国でも、男性で8年、女性で10年寿命が短くなるというデータが発表されている。当然に、健康でいられる期間(健康寿命、平均自立期間 )も短くなり、タバコの喫煙率が高い都道府県ほど、概ね平均寿命と健康寿命が短く、死亡率が高く、喫煙者は非喫煙者と比較して4.2年短くなるというデータが厚労省等から出されている。
なので禁煙推進と受動喫煙防止は、生涯の健康な生活と健康寿命をのばすためにも極めて重要な施策となる。 (健康寿命をのばすスローガンだけでは若い世代にアピールしにくい面もあるので、生涯の健康な生活の強調もアピール力があるように思います)
(3)タバコには、メンソールや香料など添加物が多く含まれ、肺深くまで吸わせ、依存性を強め、離脱を困難にしている。その実態を喫煙者は知らず、日本での添加物は無規制の現状がある(多くの国で規制が進みつつあるが)。喫煙者はニコチン依存にとどまらず、メンソールなどの添加物により、タバコにより囚われ、縛り付けられている。「タバコ病による早死にを無くするための取り組み」をよりいっそう進めていただきたい。
(4)喫煙者にその危険性の周知啓発をお願いします。とりわけタバコの依存性を強め禁煙離脱を困難にしているメンソールなどの禁止が施策として必須なので我が国でも「タバコの添加物の法規制と監督機関の創設」を御地からも国へ要請いただきたい。 ★SDGs目標3 すべての人に健康と福祉を の「3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。」に沿うのであれば、「タバコの添加物の法規制と監督機関の創設」は必須のはずです。
・ 貴議会の議員の喫煙率はどうなっていますか? 一般的に議員の喫煙率は高いようです。喫煙する議員に禁煙を勧め、禁煙に至れば、タバコ対策に力になっていただけるように思うので、トライしてみてはどうでしょうか?(議員は自尊心が高いので難しくはあるでしょうが)
(7)和田秀樹医師がネットや本で「60~70歳以上は酒もたばこも自由でいい」などとフェイクを振りまいています。当方もネットでこの批判を書いているところですが 健康づくりの行政や保健医療関係にとっても、このような特に高齢者などを惑わすフェイクには厳しい反論なり批判が不可欠です。貴管下への周知の検討をよろしくお願いします。
2.「受動喫煙の危害ゼロの施策」をよりいっそう進めていただきたい。 (1)内閣府の直近の調査でも、83.3%の人(喫煙者を含む)が受動喫煙の迷惑・有害性に怒っている。(以下の問3)
(2)健康増進法の屋内での受動喫煙防止の規定を屋外にも広げるべきで、屋内だけでなく、屋外の公共的施設や、歩道(路上)、公園、子ども関連施設、屋外スポーツ施設、遊泳場、スキー場、レクレーション施設、社寺仏閣などを含め、禁煙空間を広げていただきたい。(さいたま市や相模原市、横浜市など多くの市が公園禁煙化の施策を進めている)
※「健康増進法 第25条 国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、…受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。」なので「受動喫煙」は屋内(施設内)に限定されるものではなく、屋外施設からの「受動喫煙の危害」防止と措置も貴自治体に求めている、と理解すべきです。
(3)子どものいる場所や傍での喫煙・タバコをやめるルール作りの推進をお願いしたい。兵庫県条例のように。 【兵庫県受動喫煙防止条例】 第19条 何人も、20歳未満の者及び妊婦と同室する住宅の居室内、これらの者と同乗する自動車の車内その他これらの者に受動喫煙を生じさせる場所として規則で定める場所においては、喫煙をしてはならない。 第10条 喫煙区域を設ける場合において、当該喫煙区域に20歳未満の者及び妊婦を立ち入らせてはならない。 ・入口に表示義務:喫煙区域への20歳未満の者及び妊婦の立入りが禁止されている旨の掲示の義務付け 第14条 20歳未満の者及び妊婦は、喫煙区域に立ち入ってはならない。 第20条 妊婦は、喫煙をしてはならない。
※また禁煙飲食店に「禁煙」掲示の義務付けは不可欠です。(禁煙標識の制作配布は、公費で全自治体に予算・助成化するのが良いかと思います)
※吸える場所を限りなくゼロに近づけていくことが、受動喫煙の危害防止だけでなく、喫煙者の禁煙を促し健康向上に大きく寄与することにもなるので、対策強化をよろしくお願いします。
★一部の市で開放型の指定喫煙所が設置されていますが、そもそも開放型はじゃじゃ漏れ出ざるをえません。設置や清掃などに公費を使わなくとも、民間の有料の喫煙所があるので民間に任せれば良いし、経過措置としてもし期間限定で設けるとしても密閉閉鎖型の漏れない構造のものが不可欠ですし、中に禁煙の勧めや禁煙治療の広報など貼るなど、また下記の禁煙CM動画コンテストの作品を放映するなどが良いです。
★それに、喫煙所をJTや外国タバコが設置費用を出し、自治体が設けるケースが多いようで、その場合は喫煙でのタバコ税が自治体に入り、売り上げはタバコ業界の収益となるCOI(利益相反)が発生し、双方に収益の「うまみ」が生ずる。かつ喫煙者の禁煙の機会を削ぐことにもなっている。喫煙できる場所を狭めていくことが喫煙率を下げていく良策であるに、喫煙所設置で喫煙にあえて手を貸す結果を招くのは良くない。 ・今後喫煙者が減っていくとともに屋外喫煙所は閑古鳥が鳴いていくことになるだろう。そんな無駄が予見されることに公費を使うのは極力躊躇すべきだ。
【追記・補足】 (a)受動喫煙の危害を無くし、喫煙率の低減と健康寿命をのばすための施策として、例えば、 (1)禁煙治療施設の医療者向けに、認知行動療法などのスキルアップの研修会を行うとか (2)保健所や保健センターなどでも禁煙相談・サポートをするとか(既にしている所もありますが) (3)妊婦の禁煙支援のためのアプリ開発が進められているので、協力依頼するとか (4)日本禁煙学会の禁煙CM動画コンテストの作品を行政や医療機関の待合などでテレビ可能な場所で放映して啓発に活用するとか、、
(5)既になされているかとは思いますが、健康づくりに関係する行政や医療機関、組織、人材などに隈なく禁煙と受動喫煙の研修・要請の上、対象市民に折に触れ、禁煙の勧め、受動喫煙防止の重要性の働きかけ(一声)が効果を発していくように思います。 ・例えば、医療機関での人間ドック・健診・外来受診・入院・検査などの機会を逃さず、本人や家族の禁煙、家族の受動喫煙を無くす、妊婦-胎児を守るなど一声をかけることによって徐々に浸透が期待できるように思います。 ・医師会や歯科医師会(歯周病などでの禁煙指導歯科の推進を含め)、薬剤師会(禁煙支援薬局の推進を含め)、健保連、国保や後期高齢保険などを通して保健医療施設全てが一声を掛けるよう連携を進めてはどうでしょうか。 ・区や町内会や、様々の組織を通して、タバコ対策の啓発を含めきめ細かい健康づくりのネットワークが可能かと思います。 ・飲食店業界や生活衛生同業組合は貴課とも連携があるように思うので、タバコ対策には抵抗があるかもしれませんが、健康づくりを錦の御旗に進めていただくことを期待しています。 ・小まめな、小回りの利くマンパワーの必要な施策がどこまで可能かにもよりますが、関係団体と行政関係課ごとの行動計画を列記し(事前に協議やすり合わせを行った上で)、これらをうまく回していけばタバコ対策を含め健康づくりを進めていけるのでは、、
(b)糖尿病対策に関連して、以下が明らかにされているの、タバコ対策とのリンクはより重要です。 ・日本人の認知症リスクに対する喫煙、肥満、高血圧、糖尿病の影響 ・「受動喫煙」が糖尿病リスクを高める 危険なのはタバコの煙だけではない ・加熱式タバコにも「糖尿病」リスクが? 日本の最新研究 ・非喫煙女性の受動喫煙と糖尿病発症との関連(非喫煙女性では、夫の喫煙本数が多いほど糖尿病のリスクが上昇)
(c)「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」に関連して、喫煙+受動喫煙で身体的フレイルのリスクがより上昇―日本人対象縦断研究
(d)喫煙者は歯周病で歯を失う人が多くいます。受動喫煙でも同様のリスクがあり、禁煙により、本人及び周りの家族など受動喫煙者でも、歯周病だけでなく歯肉炎・虫歯・歯喪失・義歯修正等の減少が期待され、末永くよく噛み味わえるようになります。歯周病以外に、口内炎や舌がん、食道がんなども喫煙・受動喫煙と因果関係が多々あります。 歯・口腔保健ではこれらを強調し、施策・啓発が重要ですし、8020運動(キャンペーン)のためにも不可欠です。例えば ・たばこ臭い人の息、実は「歯周病」のせいかも 歯科医が禁煙支援する日が来る? ・喫煙者の「口の中」で一体何が起きているのか-口臭、歯周病、虫歯-リスクはてんこ盛りだ
※歯周病関連で、歯科にも禁煙治療の保険適用が制度化されれば、喫煙者の禁煙へのモチベーションが高まり、禁煙希望者は増えて、健康推進と健康寿命延伸に大きく寄与すると思います。御地からも国への要請をよろしくお願いします。
(e)酒・アルコールについて ・適正飲酒というものがあるのか疑問ですが、重度喫煙者で深酒の人は早くに病気になったり、早死にするケースが多いようです。 ・また夕食時以降の飲酒は、思考能力を低下させますし、睡眠の妨げになります。これらの注意喚起が必要なように思います。 ・タバコのテレビやメディアでの広告は自主規制されていますが、酒、特にビール類は派手な宣伝がなされています。酒類に関しても宣伝の自粛、及び飲酒の害の喚起について、メーカーに要請すべきで、御地としても独自の要請・啓発、また国への要請をよろしくお願いします。
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