電子書籍プロジェクト,はじめました!

電子書籍の出版にトライしている,ある印刷会社のブログです

あの赤川次郎がアムネスティージャパンのために監修した本が出ました!

2006-06-28 18:20:37 | 本の紹介

人気流行作家の赤川次郎が,以前,次のような宣言をしました。

「今までも、ヒューマニズムを物語に反映させてきたが、社会的言動を避けてきた。けれど、もうそんな時期ではない。本業の小説を通して言いたい事を言おう。」
そして,さらに「作家が一番自由な立場にいないといけない。会社などでしがらみのある人達の代わりに発言するべきだ。」とも語りました。

2004年,印税をアムネスティーの活動に寄付する企画,人気ミステリー作家7人によるアンソロジー「七つの危険な真実」を主導。
今年,「こころの手をつなごうえー」を彼の監修でコモンズから発行しました。

この本は,アムネスティの作文コンクールに寄せられた日本の子供達のメッセージです。
作文の一つをアムネスティー・インターナショナル・ジャパンの谷口さんの許可をいただいてご紹介します。
宮城県の高校三年生の女の子の作品です。

『私たちにできる第一歩』

「チョコレートは子どもたちの汗と血と涙からつくられる」。
ある本に書かれていたこの言葉に,私は衝撃を受けた。私の大好きな,手軽にコンビニエンスストアで買えるようなお菓子は,たくさんの子どもたちの犠牲の上に成り立っていたのだ。

チョコレートの原料・カカオは,外国の農園で多くの子どもたちによって栽培され,摘みとられている。働かされている子どもたちは,先祖代々奴隷として働かされている子や,遠い村から売られてきた子どもがほとんどだ。中には,十歳未満の子どももいる。また,生活していける賃金も支払われず,いつも空腹の子どもや,早朝から夜中まで働く子ども,病気になっても病院へ行けずに命を落とす子どももいる。

日本という豊かな先進国に生きる私は,知らない間に子どもを傷つけていた。子どもたちの苦しみや悲しみから作られたお菓子を食べて,「おいしい」と思い,笑っていた。その甘いお菓子を一度も食べることなく,命を終える子どももいるというのに。

世界には,十億人以上もの子どもたちが生きている。しかし,その中で先進国の子どもたちはごくわずか。ほとんどが貧困に耐え,学校への行けない発展途上国の子どもだ。物にあふれた国に生きる私たちは、満腹になる幸せも、今日こうして生きていられる幸せも、忘れてしまっている。だが、今という同じ時間を、空腹に耐えながら働いている子も、今日生きぬくために自らを売る子も、一緒に生きているのだ。過去のことでもなく、違う世界のことでもなく、この世界のどこかで生きているのだ。私たちと同じ世界に生きる、同じ「子ども」が。

カカオや紅茶の農園、危険な鉱山などでの児童労働は、何故なくならないのだろうか。私は一部のおとなたちが子どもたちを、幸せに生きる権利を持った一人の人間として、とらえていないからだと考える。私たちの中にもあたり前に生きられることを幸せと感じず、児童労働なんて自分に無関係だと思っている人が少なくない。

お菓子ひとつをとっても、それをどんな人々が作っているのか、知らない人がほとんどだ。私たちだって、子どもたちが作った商品を買って、需要を上げている。需要が上がれば、もっと多くの商品を供給するために、さらに子どもたちが働かされる。私たちは無意識のうちに、加害者になっているのだ。

だからといって、「子どもたちが作った物を、ひとつも買わない」というのは不可能に近い。不当な労働ではなく、妥当な賃金を払って作られた商品を取り引きする「フェアトレード」という取り引きも出てきているが、まだ少ない。

私たちが第一歩としてできることは、あたり前に生きられる日常の大切さを知り、実感することではないだろうか。そして。この世界には、いろいろな子どもたちが一生懸命に生きていることを忘れずに、児童労働、戦争といった悲しい現実から決して逃げないこと。現在起こっている事実を知り、自分に置き換えて想像する。何故起こるのか、よく考えて、自分のできることを実行する。これらのことは、どれも小さなことだけれど、たくさんの人がそうすれば、きっと子どもたちが幸せに生きられる世界になるはずだ。

私はもうすぐ十八歳になる。「子ども」ではなくなるからこそ、しっかり現実を見て、世界中の子どもたちと、一緒に歩んでいけるようなおとなになりたい。

-「こころの手をつなごうえー」(赤川次郎監修 アムネスティー・インターナショナル日本編 発行:コモンズ)p.84より。

(まぐまん)

参考URL:
◎「こころの手をつなごうえー」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861870216/dennsishoseki-22/503-2052640-8099163?creative=1615&camp=243&adid=05KPCDB1K65K0HEJ7MYZ&link_code=as1

◎七つの危険な真実
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101327394/dennsishoseki-22/503-2052640-8099163?creative=1615&camp=243&adid=0887XNE5C7PKX40W92ZK&link_code=as1

単行本「化粧占い」のご紹介です。

2006-06-26 09:18:18 | 弊社制作物紹介

「化粧占い」という本が出版されています。
著者は廣瀬雄治先生北海道のマスコミでは大変な有名人です。



制作はイラストを含めて弊社で制作しましたので,改めてご紹介します。
「化粧占い」の内容は以下の通りです。
【本の内容】
廣瀬氏は、北海道で活躍するメイクアップアーティストであり、またカウンセラーでもあります。北海道ではTV、ラジオで番組を持っていて、さらに全国各地で講演活動も行うというマルチ人間。
「化粧占い」は、生年月日から自分のキャラクター(クレオパトラ・楊貴妃・小野小町など)と自分の色(守護カラー)を確認し、基本的な性格やバイオリズムなどを知ることができます。
また、守護カラーとチャレンジカラー(恋愛運・金運・仕事運)を使った化粧(スペクトルメイク)を行うことによって、色のパワーで恋愛運・金運・仕事運を高めていくこともできるという、他に例をみない、素晴らしい占いの本です。
ぜひお手にとってご覧ください。

化粧占い(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845407620/dennsishoseki-22/503-2052640-8099163?creative=1615&camp=243&adid=0Y61TBM6Y2AYEMTMFRNM&link_code=as1

(まぐまん)

平和の基礎は芸術教育にある!

2006-06-23 23:01:45 | 出会いに感謝!
中野区の新井薬師にある,芸術教育研究所ってご存知ですか?
昨日,芸術教育研究所の寺橋真由美さんを訪問してきました。

芸術教育っていうと,クラシック音楽や美術,演劇などの,大人のための芸術を想像する方もいるかもしれません。
でも,違うのです。とてもやさしい研究所です。
幼稚園生,小学生がたくさん訪れるのです。
なぜっておもちゃ美術館も中にあるのですから…。




美しいものをこよなく愛し,
美しいものをじぶんの力でつくりあげる
その喜びがわかるこどもたち。
 みにくいものをこばみ,
 みにくいものを美しいものにかえていく
 その心と力をもった子供たち。
自分たちのまわりをより美しく,
より正しく,
より深く見つめる心と力をもった子どもたちに
育ってほしい。
 このようなさまざまな力を,
 よりよい集団のなかで,
 豊かにつちかっていきたいとの願いをこめ,
 21世紀へとはばたく日本の子どもたちのために,
わたしたちは,
たゆまぬ努力と前進をつづけていくことを,
約束し合いたい。

これは芸術教育研究所を創設した,多田信作氏の言葉です。
創立は1957年のこと。

1957年というと,世の中はロカビリー・ブーム。「有楽町で逢いましょう」というキャッチフレーズで,大阪のそごうが東京・有楽町に進出し,ダイエーの一号店「主婦の店ダイエー」が大阪市京阪電鉄千林駅前に開店した年です。
五千円札もこの年に発行されました。

高度経済成長期が始まりつつあった時代です。
これから物質文明全盛に一気に駆け抜けようとしていた日本でこのような理念のもと,この芸術教育研究所ができたのは奇跡のような出来事だと思います。

「平和の基礎は芸術教育にある」との思いを持っていた多田信作氏。
そう思って,もう一度,設立の言葉を読むと,彼の平和への誓いが浮かび上がってきます。

芸術教育研究所で,今,力を入れているのは,高齢者福祉と子育てをつなぐケアの実践です。
子どもやおもちゃに関心のある人のために「おもちゃコンサルタント」の養成講座を設置し,おもちゃを通して子どもと触れ合えるきっかけをお年寄りにも設けています。
童心に帰って子どもと遊ぶのはお年寄りにも子どもにもよい影響があるようです。
そういった思いから「幼老統合ケア」という本もできました。

また,高齢者福祉のための「アクティビティーディレクター」の資格認定セミナーもあります。
要介護の高齢者のための3大ケア(食べることを支える,入浴することを支える,排泄することを支える) ということが言われています。

でもそれだけでいいのでしょうか?

高齢者には心の栄養も必要不可欠なはずです。
美しいものを美しいと思う心は高齢者ほどたくましくなっているはずです。
3大ケアだけで満足せずに,芸術や遊びの心を理解するディレクターを育てるのがこのセミナーとのこと。

こうしてみると,芸術は老いも幼きにも不可欠なんですね!
大学で美学芸術学を学びながら,世に出てから,本当は一番大切な美への心が,いつのまにか蔑ろにされてしまう経験をたくさんしてきたので,僕としては,心の底から救われる思いがしました。

奇しくも今日は,沖縄慰霊の日。
戦没者の冥福を祈りながら,大好きなモーツアルトのレクイエムを聴きたいと思います。


芸術教育研究所
http://www.toy-art.co.jp/index.html

幼老統合ケア
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4654076077/dennsishoseki-22/503-2052640-8099163?creative=1615&camp=243&adid=15PJDDZY9NRHJMY9C8Z9&link_code=as1

株式会社ブックマークに行ってきました!

2006-06-21 21:37:54 | 出会いに感謝!

株式会社ブックマークにお邪魔して、取締役の神津美香さんにお会いしました。

神津さんとのお付き合いの始まりは、出版に関するあるセミナーで名刺交換して、mixiネタで盛り上がったことがきっかけでした。
今はもちろん、マイミクのお一人です。

皆さん、「ブックマーク」ってご存知ですか?
サイト名は"ブック・レビュー・ガイドb"です。

新聞・雑誌の書評に取り上げられた「書籍」や「著者」のランキングの紹介や,書名・著者名によって検索できるサービスなどをHP上で展開しています。

一見、ありふれた、どこでもありそうなサービスだと思いませんか?

ところが、この会社と同じようなことをやっている会社は、実はないのです。
他の会社にはおそらく真似できないでしょう。

なぜか?

新聞・雑誌の書評からの「書籍」や「著者」の拾い出し作業をなんと手作業で行っているのです。
デジタルのこの時代に、あえてアナログで挑戦している会社です。

私たちのミーティングに,あとから加わってくれた郡 悦郎社長によると、
「この作業を機械的な作業にしてしまうと、すぐ他の会社に追い抜かれてしまいます。でも、人間の目で視認して、データベースを作り上げる作業には、他社は当分入り込めないでしょう」

派遣の方やアルバイトの方を含めて従業員は現在12名ほど。
その人数で月に1000媒体!もの雑誌と新聞に目を通します。

「1000媒体と言っても、新聞20誌、雑誌250誌ですから、たいした量ではないんです」

その1000媒体に手分けして目を通し、いつ発売のどの雑誌で、誰がどの本について触れたのか、しかも書評で触れたのはタイトルだけなのか、内容を取り上げたのかまでデータとして拾い上げるそうです。

単なる入力作業とすると,大変な作業です。
途中で飽きちゃうかもしれません。
でも、神津さんも含めて皆さん、本好きの人間ばかりなので、作業はそんなに苦にならないそうです。

ブックマークという会社は,いったいどうやって利益を出しているんでしょう?

「出版社や図書館に、検索したデータを売っているんです。たとえば、特定の出版社が発売した特定の本がどの媒体にいつ紹介されたのかなど、レポートするのです」

それで料金は?と聞くと、なんと月額の基本料金が3000円!

こんなに安くて大丈夫ですか,社長?

「オプションをつけると、5000円から5万までになります。でも大変です。今年の目標は会社として一本立ちにめどをつけることです」

この値段では4200ほどある出版社すべて歩いて回ることはできないので,インターネットでの募集を中心に行っているとのこと。

この会社の強みは,マーケティングに必要な基礎データを握っているということです。
これを加工すれば新たな展開もできそうです。

「今は無料で検索データを公開していますが,出版社からの要望もあり,検索は次第にクローズする予定です」

それは大変!

出版社だけでなく,著者の方も,自分が書いた本のメディアへ露出を調べたりするのに,この会社のHPの検索を利用しているようですから,影響は少なくないでしょうね!

でも,社長,神津さんが執筆している,"インフォメーション b"は評判が高く,皆さんが読んでいるので,これだけはなくさないでくださいね!

株式会社ブックマーク
http://www.honn.co.jp

(まぐまん)

だんきょうこ墨作品展に行って来ました!

2006-06-15 19:21:44 | 出会いに感謝!

NHKの大河ドラマ「功名が辻」の題字を書いているのがだんきょうこさんです。
この日はだんさんには会えませんでしたが,画廊の方とお話ができました。

司馬遼太郎の遺族の方は,「辻」の文字のしんにょうの部分に点が2つことにこだわったそうです。
その期待に見事に答えて書いてくれたのがだんさんとのこと。

「書家の人に頼むと,それぞれ流派があり,しかもサービス精神はあまりない。自分のためにだけ書を書く。だんさんの作品の特徴は相手が望むところを十分汲んで作品を仕上げること。このような作家はあまりいない」

だんさんの作品を見ると分かりますが,漢字の意味を彼女の感性で捉えて,すき採っています。

たとえば,写真の「愛」の文字。
スピード感があり,激しさもある。
それでいて,懐の深さも感じる。

愛のさまざまな面を見せてくれる。

だんさんのひらがなも絶品。
これほど表情をもったひらがなを書く作家はいないでしょうね。

焼酎の「いいちこ」に書かれた文字は彼女の手になったものだし…。

この日,だんさんには会えなかったけれど,会場には彼女のもつあたたかさが溢れていました。

だんさん,またお会いしましょう!

だんきょうこ墨作品展
http://www.sho.ne.jp/tenrankai/ki_.html


(まぐまん)



CRMのパイオニア発見!

2006-06-14 20:46:50 | 出会いに感謝!

6月14日(水),CRMのパイオニア,東京電機大学の世良耕一助教授にお会いして,とても有意義な話を聞いて来ました。

皆さん,CRMというと何を思い浮かべますか? 

IT用語辞典e-Wordsによると, CRMとは、「情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法」とあります。
CRM = Customer Relationship Managementのことです。

普通は,このように,双方向のIT技術を駆使して,顧客の囲い込みを行い,リピートもするし,口コミもしてくれて,新しいお客を連れてくるロイヤルカスタマーをつくる手法として使われています。
この手の本は本屋さんのビジネスの書棚に溢れています。

しかし,もう一つのCRMはまだ日本ではあまり知られていません。
もう一つのCRMとは,なにか?

三輪昭子氏と丸谷雄一郎氏の論文によると、
CRMは、1980 年代初頭に、アメリカン・エキスプレス社(American Express)の「自由の女神修復資金寄付キャンペーン」によって普及した概念だと言われています。

同社は自由の女神修復金を、同社のカード利用ごとに毎回1セント寄付するキャンペーンを行いました。
このキャンペーンは、同社の新規カード保有者を 45%増加させ、カード利用額を 28%上昇させたそうです。

この成功の後、同社はこの手法を広範にキャンペーンに採用しました。
代表的なキャンペーンは「飢餓との闘い(Charge against Hunger)」で、アメリカのNPO「私たちの力を共有しましょう(Share Our Strength)」と提携し、「飢餓と闘うためにアメリカン・エキスプレスを使いましょう」をキャッチフレーズに、自由の女神修復資金寄付キャンペーンと同様に、カード利用ごとに、貧しい人や病気の人などに食べ物を提供しました。

このキャンペーンは、多くのレストラン、スーパーマーケット等の賛同を獲得し、多くの店舗がアメリカン・エキスプレスカード利用時の割引を実現したことにより、当初予想をはるかに上回る 4 年間で 2,100 万ドルの寄付という成果を達成しました。

ということで,もう一つのCRMとは,Cause Related Marketingの略です。
Causeというのは,大義とか主義主張とか訳されますが,社会貢献ととらえてもいいと思います。
社会貢献に関係したマーケティング…?

今, CSR(社会的な責任)に取り組む企業が雨後の竹の子のごとく出て来ましたが,まだまだお題目に終止している会社もいるようです。
それが必要なことは分かっても全社的な取り組みになっていなかったり,会社の窓際的な存在であったりしますが,Cause Related Marketingでは,CSRをより積極的なマーケティングとして使おうという考え方です。

世良先生の言葉を借りて詳しく解説させていただくと、
たとえば、CSRを同心円の3重の層に分ける考え方があります。
3層の一番中心の層には、当然ですが、企業コンプライアンス、法律を順守することがあります。
これに関連したマーケティングの例として、松下電器が展開した「石油ファンヒーターの回収告知広告」です。
このコマーシャルは松下電器がそれを意図したのかどうか分かりませんが、結果として、好感度CMの第2位にランクされたそうです(今話題のエレベーター会社は、残念ながらこれとまったく逆のことをしていて世間の評判を落とす結果を招いています)。

次の層に、企業倫理の徹底があります。
法には触れないものの、将来、ステーク・ホルダー(利害関係者)との関係に悪影響を与えかねない事象について、きちんと対応することをさしています。
企業倫理の徹底についてのマーケティングの代表例は、フェアトレードです。
フェアトレードに取り組む企業では、本業を通した社会への貢献で、企業倫理に関する行動をきちんとコミュニケーションをしています。
この他、ヤマト財団のスワンカフェ等の「障害者雇用」や再生紙の使用等の「環境保全」があげられます。

一番外側の層のCSRが、企業の社会貢献となります。
社会貢献をコミュニケーションするコーズ・リレイテッド・マーケティングの代表例がイオングループの行っている、顧客を巻き込んだマーケティングです。

毎月11日、スーパーマーケット・ジャスコ(イオングループ)のレシートの色が白から黄色に変身することはご存じでしょうか。
その黄色いレシートを受け取った顧客は、出店地域内の様々なボランティア団体名が書かれたセルが並ぶ店内備え付けのBOXへ向かいます。そして、自らが支援したいと思うボランティア団体のセルへ、そのレシートを投函します。
すると、レシートの金額の1%がそのボランティア団体へ寄付される仕組みになっています。

このように、CSRをネガティブなコストととらえるのではなく,CSRをポジティブなマーケティングとして設定し,従業員のモラルアップと企業イメージのアップに活用しようとする考え方がCause Related Marketingです。

しかしながら,Cause Related Marketingは日本ではまだまだ黎明期です。
純粋な社会貢献だけを考えるフィランソロピー側からの誤解も多いようです。
でも,CSRの普及とともにCRMが発展することは,企業の利益だけでなく,消費者の利益にもなりますし,同時にそれは社会への利益にもなります。
世良先生,一緒に頑張っていきましょう!

参考URL:
◎20年~14年前(1985年~1992年製)のナショナルFF式石油暖房機を探しています 。
http://panasonic.co.jp/appliance/info/important/heating/index.htm

◎企業利益につながる社会貢献活動、CRM
http://www.ntt-ad.co.jp/meguro/200511/special_report/index.html

◎三輪昭子氏と丸谷雄一郎氏の論文
http://leo.aichi-u.ac.jp/~maruya/cause%20related%20marketing.pdf


(まぐまん)

山崎正人先生にお会いしました!

2006-06-13 21:49:18 | 出会いに感謝!

株式会社朝日エルにお伺いして,「ゆりかごからゆりかごへ入門―世界を新しくするものづくり」を書かれた山崎正人先生に会ってきました。

まずは目当てにしていた原著を見せていただきました。

「ちょっと重いですね!」
「そうなんですよ。でも今度はもっと軽くなります」

原著の序には,「This book is not a tree.」と書かれています。
そうです。この本はポリマーでできています。

「先生,ポリマーってインターネットで検索しても出て来ないんですが…」
「コンピュータ関連の方はお分かりになると思いますが,マザーボードの基盤がポリマーです。今,ドイツではこのポリマーを使って新聞をつくろうとしています。新聞は毎日出ますから,古新聞の量は大変なものですよね。でも,ポリマーを使うと,新聞を回収して,インクを洗い落とせば,また刷れるんです。」

そうです。ポリマーって本の用紙としては画期的な素材なんです!

現在の日本の話をすると,昨年1年間で発売された書籍はなんと8万点!
一日200点以上が発売されたことになります。
1点あたりの冊数を平均5000冊とすると,一日に実に100万冊発売されたことになります。膨大な数字です。
ここで問題なのは返本率です。
なんと,50%を超えているのです。つまり一日100万册のうち50万册が返本されるのです。
それでは本屋さんから返本された書籍はどうなるのか?

先日,地元市川で環境フェアーがありました。製紙会社の人も紙のリサイクルの展示を出していたので,この問題を担当の方にぶつけてみました。
「そうなんですよね。我々の工場にリサイクルの紙の原料として,パネルに積まれたままの本が運ばれてくるんですよ。」

やっぱりそうなんだ…。出版社から出荷されて一旦本屋さんに行くけれども,売れそうもないと本屋さんの方で判断された本はそのまま製紙会社の工場に新たな紙の原料として運ばれるということ。

でも,これっておかしくないでしょうか?
紙の原料は当然ながら森林資源。70%は海外から輸入されています。その貴重な森林資源を使って,紙をつくり,我々はパソコンをつかって膨大な労力を使って原稿を作成して,さらに手間をかけてレイアウトし,表紙などを綺麗にデザインして,インクを使って決められた冊数を印刷する。
それだけエネルギーをかけて作られた本のうち,半分の冊数がまたそのまま紙の原料となっている…。

我々は印刷会社だから刷れば刷るだけお金になるから気にすることではないのかもしれません。
でも,これはいずれ業界として許されない状況にもなりかねません。いや,森林資源が枯渇する将来は決して許されないでしょう。

だから,今,ポリマーに注目したいのです。
チャーリー・メルチャー社が開発したポリマーの混合物を材料とするこのポリマーの用紙。表紙や接着剤もこのポリマーだけで済みます。
また、「Cradle to Cradle」の原著はインクも無毒のものを使い、高熱の水槽などでポリマー用紙から洗い流すことができます。
つまり、紙とインクを回収して再利用できるのです。
読まなくなった本を回収して,その紙とインクを使って印刷することができるのです。
これ以上森林資源を消耗することがなくなるのです!

原著は今年中に翻訳されて,もちろんポリマーに印刷されて出版されます。
日本初のポリマー本。
心待ちにしているのは私だけではないでしょう。

山崎先生,お忙しいところ,ありがとうございました。
朝日エルの中村和代社長、お世話になりました。


参考HP:
◎株式会社朝日エル
http://www.ellesnet.co.jp/home/

◎ゆりかごからゆりかごへ入門―世界を新しくするものづくり
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532640679/dennsishoseki-22/249-5189424-4925109?creative=1615&camp=243&adid=1QMBQJKQV3Z8N7S0HTW7&link_code=as1

クールグリーンバンド:国内外の植林支援へ6月中旬から販売

2006-06-05 18:59:28 | Weblog



以下、毎日新聞朝刊の記事です。
植林に取り組む市民団体などで構成する「クールグリーン実行委員会」(稲本正委員長)は、6月中旬から「クールグリーンバンド」を販売し、収益の一部で国内外の植樹活動を支援する活動を始める。

バンドはシリコン製で、双葉マークと「Cool Green」の文字入り。
1個315円(税込み)で、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」の都内一部店舗や、全国の紀伊国屋書店で販売する。
売り上げの10%を栃木県日光市の旧足尾銅山跡地や富士山山ろく、ブラジルやマダガスカルなどでの植樹活動の支援に充てるという。

稲本さんによると、街に緑を増やし、自然の冷気を暮らしに取り込む運動を都市から広めていきたい、という願いも込めて「クールグリーン」と名づけた。

◇身近な住空間で苗育てる運動も
今後はバンドの購入とともに、室内やベランダなど身近な住空間で緑の苗を育てることを呼びかける。その苗を都市周辺の山や公園に植えて、植樹活動が都市から山に広がることを目指すという。

稲本さんは「多くの人が緑の輪に加わり、二酸化炭素の吸収と削減につながれば」と話している。問い合わせは実行委員会(03・6379・6808)。
【毎日新聞 2006年6月5日 東京朝刊】

クールグリーンバンド参考URL
http://www.tk-nagoya.com/greenband/about_products.htm

(まぐまん)