とほほ…見聞録

過ぎ行く日々の雑感

トーク・トゥ・ハー(DVD)

2008-01-12 10:01:21 | Weblog
「トーク・トゥ・ハー」

ペドロ・アルモドバル監督作品.2002年のスペイン映画.
マルコはジャーナリスト.リディアは女闘牛士.
ベニグノは看護士.アリシアはバレエ・ダンサー.

二人の意識不明の女(リディアとアリシア)に寄せる男の切々たる
思いが描かれる.

マルコは、絶望している人がわかると言う.
偶然、テレビのインタビュー番組で見た女闘牛士・リディアの
絶望に惹かれたマルコは記事を書くために彼女に会いに行く.
マルコがリディアを台所の蛇の恐怖から救ったことをきっかけに
二人は親しくなり、愛し合うようになる.
だがリディアは闘牛場で牛の角に全身を貫かれ意識不明と
なってしまう.
部屋の窓から見下ろすバレエ・スタジオの女に恋した看護士の
ベニグノは偶然にも交通事故で意識不明となったその女アリシア
を専属で看護することになる.
リディアとアリシアは同じ病院に収容される.
境遇の似たマルコとベニグノは次第に親しさを増してゆく.
昏睡状態で、医学的に回復の可能性がゼロに近くても、
ベニグノはアリシアに話しかけて、触れて、意識のある人間に
対するように慈しむ.
ベニグノの異常な愛情が、やがて悲劇と奇跡を呼ぶことになる.

かっての恋人、リディア、ベニグノといくつもの絶望を見て、
愛する人を喪失した後のマルコにはどんな人生が待っているのか.
ゆるやかな日常生活を過ごす我々に衝撃を与え深く考えさせられる
映画である.
カエターノ・ヴェローゾの歌う「ククルクク・パロマ」の哀調が
胸を打つ.